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- 「萌寧ちゃんはうますぎるけど食らいつきたい」西村優菜の4勝目が“初めてづくし”だった理由
“プラチナ世代”西村優菜がミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンで初日から首位を守り抜き、通算15アンダーで完全優勝を飾った。前週の住友生命Vitalityレディス東海クラシックに続いて2週連続優勝を果たした。
3回目にして初の有観客試合での勝利
西村優菜は初日から首位を守り、最終日は2位に5打差の単独トップで迎えた。もちろんこのまま、危なげなく優勝するだろうと思われていた。
だが、前半は4番でバーディーのあと、5番でボギー。6番でバーディーを奪って勢いに乗るかと思いきや8番パー5ではアプローチをミスして2つ目のボギー。後続がスコアを伸ばしてくるなか、我慢のゴルフが続いた。
「今日はすごく苦しいラウンドでした。5打差はすごく大きな差だったと思いますが、自分の中ではすごく緊張しました。それでも後半は特にスコア目標をしっかり立てて、自分に集中することができたので、いいハーフだったかなと思います」
後半はどうにかパーを拾い続け、15番パー3でティーショットを1メートルにつけてバーディーを奪取。この時点で2位の淺井咲希に3打差をつけると、最終18番パー5でピンまで110ヤードの3打目をピッチングウェッジで1メートルに寄せ、きっちりとバーディーで締めくくった。通算15アンダーで今季4勝目、前週に続いて2週連続優勝と実力を見せつけた。
また通算15アンダーは、2012年大会を制した森田理香子(通算14アンダー)が持つ記録を1打更新する大会レコード。さらに過去3勝は逆転での優勝だったが、今回は初めての逃げ切りでの勝利。しかも、上限1000人ながらも有観客での優勝も初めてのことで、西村にとっては忘れられない大会となった。
「自分の想像していた以上のゴルフは、今のところできてるんじゃないかなと思います。でも、まだ後半戦は試合が残っているので、満足せずにもっと成長しなきゃいけない。そこを一つずつクリアしていけるようにしたいと思います」
次戦はメジャーの日本女子オープン。狙うは3週連続優勝
西村のプロ1年目となった20年はコロナ禍での1年だった。大勢のギャラリーから大きな拍手と声援に迎えられたことがまだない。それこそ大学1年生や社会人1年目の人たちが、リモート授業やリモートワークで、周囲の人たちと顔を合わせる機会が減ったのと似たような境遇だろうか。
「2週連続優勝も初めてで、ギャラリーの前で優勝するのも初めてだったのですごくうれしいです」と笑顔を見せていたが、本来ならもっと多くの観客の拍手が彼女の強さを称えていたはずだ。身長は150センチと小さくても、それほど飛距離がなくても強いのであれば、かつての宮里藍のようにきっと多くのファンが魅了されたに違いない。
ちなみに同大会の歴代優勝者には、子どもの頃に西村が憧れた宮里藍の名があった。
「クラブハウス内に歴代優勝者の写真が飾っているなかに、藍さんが勝っているのを見て、『藍さんも勝ってるんだー』って思いながら、自分も勝ちたいなって思っていました。それが達成できてすごく嬉しいです。まだまだなんですけれど、藍さんみたいに世界で通用するようなプレイヤーになりたい」
賞金ランキング3位と変動はなかったが、同1位の稲見萌寧の背中もうっすらと見えてきた。「萌寧ちゃんはうますぎるので、なかなか追いつけない。それでも食らいついていける選手になりたい」と意欲を燃やす。次戦はメジャーの日本女子オープン。もちろん狙うは3週連続優勝だ。
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