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- 黄色い旗を狙うから100が切れない!? プロキャディー・杉澤伸章が教えるセルフプレーで役立つゴルフ場の真実とは?
最近はカートナビにコース攻略が表示されているので、参考にしながらプレーしている人も少なくありません。しかし、なかなかスコアが伸びない人も多く、本当に役立っているかは疑問が残ります。そこで、プロキャディーの杉澤伸章(すぎさわ・のぶあき)さんに知っておきたいゴルフ場の真実を教えてもらいました。
「黄色い旗を狙う」では目線がズレることがある
近年はコースデビューしてからキャディーつきプレーを経験したことが一度もないゴルファーが増えています。それが大きな問題を引き起こしているわけではありませんが、セルフプレー用のコース攻略ガイドがゴルファーの上達を妨げているケースもあるようです。
丸山茂樹選手の全盛期を支えたプロキャディーであり、現在はゴルフキャスターとしても活躍する杉澤伸章さんに、100切りを目指すゴルファーがセルフプレーで好スコアを出すコツを教えてもらいました。
「セルフプレーの普及にともなって、パー4とパー5のフェアウェイにティーショットの狙いどころを示す黄色い旗を設置するゴルフ場が多くなりました。旗が立っているということは『そこがターゲットです』ということですから、基本的には旗を狙って打っていけばOKです」
「でも、例えばこのホールは打ち下ろしですよね。打ち下ろしで黄色い旗を狙うと、目線が下がってしまいます。そのまま打っているようだと100を切れるようにはなりません」
「じゃあ、どうすれば100を切れるようになるかというと、黄色い旗を(自分の頭の中で)上に伸ばし、どれくらいで目線が下がらずにフラットになるのかをイメージして狙いどころを再設定するのです」
「この写真だと黄色い旗が見えづらいかもしれませんが、フェアウェイに立っている黄色い旗を狙うのではなく、その奥にある山の真ん中あたりにターゲットを取るイメージです」
「ゴルフ練習場の1階打席と3階打席では、同じ150ヤードを狙ってくださいといわれても、目線が全然違いますよね。その感覚だとゴルフが難しくなりますから、常に同じ目線で打ってほしいということです。地形がフラットだったらどこを狙うかという視点を持つことはけっこう大事なポイントです」
「それとティーイングエリアで気にしてほしいことがもう一つあります。すべてのティーイングエリアがターゲットに対して真っすぐ向いているとは限らないことです。ボクはこのホールのティーイングエリアが右を向いていると感じます。そのまま構えるとボールは右に飛びます」
「ですからティーイングエリアやティーマークの向きに惑わされることなく、ターゲットに対して平行に構える練習をしてください。最初は飛球線後方からターゲットを確認し、飛球線と平行になるようにクラブを置いてみてもいいと思います。そうするとターゲットに対する上下左右のブレをなくすことができます」
グリーン周りの傾斜は水の流れをイメージする
「次はフェアウェイからグリーン方向を見たとき、ボクがどんなところに注目しているかという話をさせてもらいます」
「ゴルフ場は基本的に自然の中に造成されているので、元々あった傾斜に近い形に仕上がっています。また、芝の育成には水回りが大事なので、水が高いところから低いところに流れるように設計されています」
「そういう視点で見ると、このホールはグリーンの左手前に池があります。ということは、そちらに水が流れやすいということです。その対角線を見るとマウンドがあって、その上に木が生えています。つまり、右奥が高くて左手前が低いことが分かります」
「なのでグリーンを狙うとき、左手前には池とバンカーがあるのですが、右に外すと下りのアプローチが残ります。左に外すと上りのアプローチが残ります。右を狙うか左を狙うかの二択であれば『なるべく左を狙っていきましょうね』ということになります」
「ショットの精度が同じでも、右からは下りのアプローチ、左からは上りのアプローチという情報を事前に把握しておくことで、ショットを打つ際の意識が全然変わります。それだけで一打違ってきます」
昨今は乗用カートに搭載されたカートナビが各ホールの攻略法を教えてくれますが、ホール図と見た目のギャップに翻弄されて痛恨の大叩きを繰り返しているゴルファーがたくさんいます。そんな人はプロキャディーのアドバイスを取り入れてみてはいかがでしょう。
取材協力・カヌチャゴルフコース(沖縄県)
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