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- 全くラインが読めないのに自信満々! 押しの強さだけで仕事をゲットするフィリピンのキャディーさん【片山純一フィリピンツアー奮闘記】
ゴルファーなら誰でも知っている米PGAツアーや日本ツアーの他にも、世界には様々な国でプロツアーが存在しています。そこで、日本ではあまり知られていないフィリピンツアーに参戦している片山純一プロに、参戦の苦労や魅力について教えてもらいました。
グリーン読みが間違っていてもなぜか自信満々
みなさんこんにちは、プロゴルファーの片山純一です。僕は今年、フィリピンツアーに参戦しています。
今回は引き続きフィリピンツアーQスクール(予選会)の練習ラウンドで僕についてくれたフィリピン人のキャディーさんについてお話ししたいと思います。
フィリピンのゴルフ場は、日本のグリーンとは全く違うボールの転がりや曲がり方をするし、現地特有の風が吹くことがあります。そのため、ラウンド中に唯一の味方となるキャディーさんの重要度はかなり高いんです。
練習ラウンドで僕についてくれたのは30代の女性キャディーさんでした。スタート前までは好印象だったのですが、ラウンドが進むにつれて風の読みもグリーン上のライン読みも全く合っておらず……。そんな状態の中、後半のあるホールでこんなことがありました。
残り150ヤードのセカンドショットを打つシチュエーション。ボールがある場所までいき、残り距離とライを確認した僕は、「8番アイアンで打とうかな」と考えながらキャディーさんの方に目をやりました。すると、クラブを8本くらい抱えてニッコリしながらこちらに歩いてきたんです(笑)。
もう後半なのに、僕が残り150ヤードでどのクラブを使うのか全く想像できなかったみたいです。
見た目はベテランキャディー風だったのですが、僕の片言の英語で話を聞くと、どうやらキャディー歴はかなり浅いようでした。それでも自信満々に見当違いのラインや風のアドバイスをしている姿が途中から可愛く思えてきました。
練習ラウンドはそれでよかったのですが、本番はやっぱりキャディー歴が長い人にお願いしたいというのが本音。ラウンド終盤になると、「本番は別の人にキャディーを頼もう」と僕は心に決めていました。
しかしホールアウト後、そのキャディーさんは「本番も私に任せて!」と屈託のない笑顔でアピールしてきたんです。
「その自信はどこからくるんだろう……」と思いましたが、これには事情があるようです。キャディーさんへのチップは500ペソ(約1300円)が相場です。しかし、欧米人などはシビアなゴルファーが多く、未熟なキャディーさんにはチップを渡さないのだとか。
その点、日本人はキャディーのレベルに関わらず一律500ペソを渡すため、日本人のキャディーをやりたいそうなんです。
彼女たちの事情も理解できますが、僕にとってもQスクールは大事なラウンド。彼女には申し訳ないと思いながらお断りさせてもらいました。
しかし、本番当日にコースへ行くとその彼女が笑顔で手を振って僕の元に……。結局、Qスクールもそのキャディーさんとラウンドすることになってしまいました(笑)。
みなさんにそのキャディーさんの写真をお見せしたかったのですが、練習ラウンドはバタバタで本番当日は写真を撮る余裕もなく……、写真を撮れずじまいでした。次回からはキャディーさんとの写真も撮るようにするので期待していてください。
片山 純一(かたやま・じゅんいち)
1989年生まれ、東京都出身。中央学院大卒業。国内ミニツアーで優勝経験有。出身校である日大一中高のゴルフ部のコーチも務める。現在はフィリピンツアーに挑戦しながら国内ツアーの出場権獲得を目指す。ツアープレーヤーとして活躍する傍ら、山田ゴルフ倶楽部(千葉県)・PGM石岡ゴルフクラブ(茨城県)でアマチュア向けにレッスンも行っている。 株式会社TOWA field所属。
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