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- 「韓国選手が日本に来なくなった理由」をパク・ヒョンギョンに直撃! ちょっと前まで「上位はほとんど韓国選手」だったのに!?
10年前は賞金ランキング上位5人がすべて海外出身選手だった日本女子ゴルフツアー。しかし、昨年のメルセデスランキングは17位の申ジエが海外出身選手の最上位という状態になっている。韓国を中心とした海外選手が日本ツアーへの参戦を減らしている理由をパク・ヒョンギョンに聞いた。
韓国選手がいま日本に来てもなかなか勝てない?
今大会、パク・ヒョンギョンに帯同していたマネジメント事務所のパク・ドンヒョン氏は、初めて日本ツアーを見ながらこんな感想を口にしていた。
「他のツアーでプロテストの制度を設けているのは日本くらいでしょう。これでは海外の選手は日本挑戦が難しい。でも4日間、日本の選手のプレーを見て感じたのは、仮に韓国選手がプロテストに合格して日本ツアーに来てもそう簡単には勝てないだろうということ。若い選手たちの技術が高く、レベルが高い選手が多いという印象を受けました」

プロテスト合格が弊害になっていると指摘しつつも、日本に行きたいという選手がいたとしても、そう甘くはないツアーだと話していた。
ちなみに昨年までKLPGAツアーには、海外メジャー参戦に高いハードルがあった。それは「KLPGAのメジャー大会と同じ期間に開催される海外ツアーの場合は、国内メジャーを優先しなければならない」との規定があり、これを破った場合は、最大でツアー10試合の出場停止、最大で1億ウォン(約1000万円)の罰金が科されるというもの。
昨年の「AIG(全英)女子オープン」に韓国ツアーから誰も参戦しなかったのは、この規定のせいだが、KLPGAは今年からはこれを撤廃した。さらに米ツアーと日本のメジャー大会を韓国ツアーメジャーと同等のポイントを付与するとも決めた。
「グローバルに選手たちが活躍するため」の措置としたわけだが、これによって「全米女子オープン」などの海外メジャーに韓国選手たちは、気兼ねなく出場できるようになった。
海外選手参入の門戸閉ざした結果、若手のレベル向上?
ちなみにJLPAG会員ではない韓国ツアーの選手が、出場資格を満たして日本のメジャー大会に出られるのは、「ワールドレディスサロンパスカップ」のほか、「日本女子オープン」(世界ランク上位20位、JGA特別承認など)、「ソニー 日本女子プロ選手権」(アジア枠=JLPGAが認めたアジア地域の女子プロ)がある。
パク・ヒョンギョンは9月の「日本女子プロ」に出場予定で、そのほかの韓国選手もリストに入っているとのウワサだ。日本での腕試しとその結果によっては、より日本参戦の思いを加速させるだろう。その時はプロテストからでも挑戦すると覚悟を決めてくるはず。
しかし、韓国ツアーで実績のあるプロゴルファーが、「プロテストに合格した正会員」でなければ、QTを受けられないというのは現実的にハードルが高い、というのが韓国側の見方だ。
一方で近年、日本ツアーの若手の成長と活躍が目立つのは、海外選手の参入の門戸を固く閉ざしたことで、日本の若手に出場チャンスが与えられ、全体的なレベルが上がった――という見方もできる。
こうした議論は今後も続くのだろうが、制度一つで日本ツアーが海外選手の挑戦意欲をかりたてる場所ではなくなってしまったのは事実としてある。
余談だが、イ・ボミが日本ツアーに憧れたのは、「横峯さくらさんがパー5で2オンを狙っているシーンをテレビでみて、『小柄な体の私でもこんなすごいプレーができるなら日本に行きたい!』と思ったのがきっかけ」と話していた。
よりグローバルな視点で見れば、実力のある選手たちの“選択肢になる”魅力ある日本ツアーであってもいいのではないだろうか。
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