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乗用カートの踏み間違えで死亡事故! 還暦過ぎると他人事じゃない… 楽しくゴルフを続けるための危機管理/木村和久『ゴルフ=レジャー宣言』
長崎県のゴルフ場でアクセルとブレーキを踏み間違えた乗用カートが男性に衝突し、命が失われる痛ましい事故がありました。楽しいはずのゴルフも、油断していると危害を与える側にも受ける側にも回るリスクがあります。ゴルフを筆頭に、平成~令和の日本を縦横無尽に遊び尽くしてきたコラムニストの木村和久氏が、浅いのか深いのかよく分からないこの問いを考察していきます。
自分がブレーキとアクセルを踏み間違えることがあるんだと凄いショック
先日、長崎県のゴルフ場で乗用カートの事故が起きました。85歳の男性が乗用カートを運転中に、ブレーキとアクセルを踏み間違え、83歳の男性に衝突したのです。結果、事故に遭ったほうの男性は亡くなりました。

いや、実に痛ましい事故です、他人事とは思えません。実は数年前、乗用カートを運転中に、ほんの一瞬ブレーキとアクセルを踏み間違え、数メートル前進させたことがあります。
その時は、乗用カートをフェアウェイに乗り入れしていました。徐行運転をしていたら、前方10メートルぐらいにプレーヤーが現れ、カートに寄ってきます。こちらもプレーヤーが乗り込みやすいようにと、カートを寄せ始めました。
その時、前方のプレーヤーとお互いに「どっちにそれるの?」とお見合い状態になりました。自転車に乗っていると、ハンドルのフラフラしたおばさんが前からやって来て、「ハンドルをどっちに切るの~?」みたいな状態ってありますよね。それと似たことが起きたのです。
結局、徐行しながら、あなたはどっちに寄るのと思っているうちに、カートが前に進んでいく。「わ~、ぶつかる!」って時に、ブレーキを踏むつもりが、アクセルを軽く踏んでしまったのです。
もちろん徐行運転だから「あわわわ~、ぶつかるよ~」になったぐらいの状況です。咄嗟の判断でブレーキを踏みカートを停めました。周りからは「おいおい~」みたいにツッコまれて、冗談で済みましたけど。
ただ、心の中では自分がブレーキとアクセルを踏み間違えることがあるんだと凄いショックを受けました。多分、今度同じようなことをやったら、乗用カートの運転は引退します。運転は同伴プレーヤーに任せることにします。
ちなみに実際の生活ではクルマ生活を卒業し、運転していませんのでご安心あれ。
というわけで、ゴルフ場で起こるいろんな事故やトラブルを探り、その危険回避を考えたいと思います。
1)打球事故
打球事故は意外なところで起こるものです。フェアウェイを歩いてて、隣のホールから打球が飛んでくることが増えました。これは初心者が増えたからです。
飛来するボールは、まだ遠い距離での目撃ですが、タイミングが悪ければ、自分に当たることもあり、マジで気をつけないと。けど突然ボールが飛んで来たら、気をつけようがありませんけどね。
近い将来ヘルメット着用でプレーする日が来るかもしれません。ちなみに赤い帽子をかぶりがちなキャディーさんですが、あれはヘルメット構造になっています。自転車の運転ですらヘルメット着用の時代、ゴルフプレーヤーのヘルメット推奨も十分あり得ますよね。
だいぶ前の話ですが、千葉の某コースをラウンドしてた時、打ってる人の正面に立って、スイングを見てました。そしたらキャディーさんが「そこは危ないよ、後ろに立ってた方がいい」と言うわけ。
理由を聞いたら、以前ドライバーで打とうとした人が、トゥ側でシャンクして、ボールが顔面に直撃して失明したそうです。いやマジありえないミスなんだけど。それを聞いてから、誰かが打とうとしたら正面に立たず、後ろに立つようにしています。
あと初心者で多いのは、興奮して前へ前へと進み、後ろから打ってくるボールに当たるというもの。加えてバンカーショットでトップをして同伴メンバーに当たるとか、よくあります。とにかく同伴メンバーが打つ時、ボールをよく見てないとダメですね。
2)危険回避術を学ぶ
以前、ゴルフ場の池でボールを取りに行った人が、溺れて亡くなったニュースを聞いたことがあります。その池の淵はコンクリートの斜面になっていて、しかも滑る藻みたいなものが生えていました。ボールを取りに行って足を滑らせ、池に落ちてしまった。
そして今度はヌルヌル滑る斜面を上がれなくなり、溺れたそうです。
われわれはプレーに夢中になるあまり、危険な状況に陥ることもあります。是非とも危険回避術を学んでいただきたいです。
よくあるのが急な斜面を下ることです。足をくじくこともありますし、草に負けて足がかゆくなる、虫や蛇などに噛まれることもあります。
草が生え過ぎていたり、傾斜が厳しいブッシュは、ローカルルールでワンペナ扱いして、フェアウェイから打ちたいです。アマチュア的には、ロストは2打損するからと懸命にボールを探すんですよね。
そもそもロストボールって、ボールを失うわけでしょ。それで充分ペナルティーじゃないですか。まあそれは冗談ですけど。ボールを失いたくないからと無理をして捜索し、トラブルに巻き込まれてはシャレになりません。
3)あり得ない場所でもトラブルが
相当前の話ですが、あり得ない場所でねんざして、全治2カ月の重症になったことがあります。場所は青ティーから白ティーに向かう緩い傾斜部分です。ものすごくなだらかな傾斜でしたが、寒かったので両手をポケットに入れていました。
こんな傾斜は大したことないやと思って歩いていたら、雨上がりの枯れ草で足を滑らせ、足首を変な方向に曲げてしまった。その日は足を引きずって帰りました。けど、翌日からは風呂に入れないほどに足が腫れ、しばらく休むことに。
ゴルフ場は楽しいレジャースポットなはずなのに、ケガやトラブルに見舞われることも決して珍しくありません。細心の注意をしてプレーしましょう。
文/木村和久
1959年生まれ、宮城県出身。株式投資から大衆文化まで、さまざまなジャンルで“現代”を切り取るコラムニスト。有名ゴルフ媒体へも長く寄稿してきており、スイング理論やゴルフ場設計にも造詣が深い。近年はマンガ原作者としても活躍。
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