アン・シネは日本ツアーに来ないまま引退してしまう!? 「今年までに考えを整理する」発言の意味とは？

　もう日本には来ないのだろうか。QTランキングで日本女子ツアーの出場資格を持つアン・シネは現在、韓国で過ごしている。今シーズン（2020－21）はまだ一度も試合に出ておらず、韓国で練習とトレーニングを続けているという。

　ただ、インスタグラムを見るとリゾート地で楽しく過ごしている写真もたくさん見られ、もうツアーに出る気持ちが失せたのでは、と感じるのが正直なところだ。

　アン・シネが日本女子ツアーに最後に出場したのは2019年10月の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」。日本を離れてからまる2年が過ぎようとしている。

　日本ツアー出場権を有しながらなぜ来日しないのか。

　そもそも2020年はコロナ禍で日本政府の入国制限で入国を断念しており、今年に入ってからも新型コロナウイルスへの感染の回避と2週間の隔離措置がネックになり、来日を諦めざるを得なかった。

　そんな中で日本女子プロゴルフ協会（JLPGA）は資格を有しながら大会に出場できなかった選手に対して、入国制限保障制度を適用。アン・シネには第2回リランキング実施（アース・モンダミンカップ終了時）以降の４試合が保障されていたが、来日が実現していないためそれも意味がなくなってしまった。

　ところが急きょ、韓国女子ツアーの「DAEBO hausDオープン」（7月9～11日）に主催者推薦枠で出場するというニュースが飛び込んできた。

　最後に、日本ツアーに出場してからは約1年半ぶりの実戦。韓国ツアーに出場するのは、2019年6月の「韓国女子オープン」以来、2年1カ月ぶりとあって注目を集めていた。

　しかし結果は散々。久しぶりの緊張感の中での試合だったのもあり、結果は初日「77」、2日目「80」の通算13オーバーで117位タイの最下位で予選落ちを喫した。

　元々は出場を断ることも考えていたというアン・シネだが、勇気をふりしぼって大会に出場したことを現地メディアに向けて語っていた。試合後は涙ながらに現在の心境を告白したという。

「試合に出られるほどのコンディションではありませんでしたし、うまくスコアがまとまりませんでした。久しぶりの試合で体力のなさを痛感しました。ほかの選手たちがプレーする姿を見て『私もあんな感じでプレーしていたんだろうな』という懐かしさを感じましたし、とても楽しかったです。この１年を棒に振り、試合に出たいという思いがありました。自分がツアープレーヤーであることを再確認しかったんです。自分が誰なのか、現在の実力がどれくらいなのかを知ることができただけでも収穫です。これからの糧にしたいです」

　試合に出ることで自身の足りない部分やツアープロであることを再確認できたことだけでも大きな収穫だったという。

　しかし「コロナ禍でなければ」と思うことも一度や二度ではなかったはずだ。家にいる時間が増えれば増えるほど、余計なことを考えがちになる。そんな中でアン・シネも一度は“引退”が頭をよぎったという。

「正直に言うと、引退を考えなかったわけではありません。選手としての最後をどのように締めくくればいいのか、本当にこのまま終わって後悔しないのかとたくさん悩みました。今はまだ正確な回答はできませんし、いずれまた考えも変わるでしょう。今年までに考えを整理しなければいけないと思っています」と韓国メディアに心境を語っている。

　これから韓国ツアーには推薦出場の可能性もあるというが、このまま結果を残せずにツアーから離れるのはもったいない。

　かつて“セクシークイーン”として日本のゴルフファンをトリコにした時代が懐かしいが、今年末にはどのような決断を下しているのだろうか。今後の動向に注目したい。