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- 本戦中止だと複数ホールのストロークで決着? プレーオフの競技方式はどうやって決まる?
先日行われた富士通レディス、悪天候で最終日が中止になり、2日目までトップタイだった古江彩佳と勝みなみによる3ホールの変則プレーオフが行われたのは記憶に新しい。では、プレーオフの競技方式にはどんな決まりがあるのか? 調査してみました。
プレーオフ形式に決まりはなくフレキシブルに対応している
3ホールのストロークプレーでプレーオフ!?そう首を傾げた方も少なくなかったのではないでしょうか。
古江彩佳が勝みなみを破った富士通レディスでのことです。降雨によるコースコンディション不良で最終ラウンドが中止となりましたが、36ホールのスコアは古江と勝が通算12アンダーで並んだまま。雨と風の中、優勝者を決めるために2人だけがプレーオフをしたのですが、これが、3ホールのストロークプレーでした。
複数の選手が首位に立つプレーオフは、プロのツアーでは珍しいことではありません。みなさんになじみ深いのは、1ホールずつスコアを競うサドンデス形式ではないでしょうか。プレーオフ進出者のスコアに差が出れば、スコアが悪い方が脱落。1人が抜け出すまで続けます。
けれども、プレーオフはサドンデス形式と、決まっているわけではありません。女子ツアーでは『できる限り即日プレーオフを行って優勝者1名を決める』ということが決まっているだけです。形式やその日のうちにプレーオフができない場合については「トーナメント事業部と主催者などが話し合って決める、となっています」(JLPGA広報)と、フレキシブルな対応をしています。
例えば、2013年の日本女子プロゴルフ選手権では、最終日が中止になり、比嘉真美子とイ・ボミのプレーオフが3ホールで行われましたが、決着がつかずにサドンデスに突入。6ホール目でイ・ボミの勝ちが決まっています。
07年スタンレーレディスも、最終日中止で上田桃子、有村智恵、横峯さくらの3人で3ホールストロークプレーのプレーオフ。上田と有村は3ホールともパーで、サドンデスへ。1ホール目で上田が優勝を決めています。
こうした例でも分かるように、慣例的に本選が中止となった場合に、複数ホールストロークプレーでのプレーオフになっています。
過去には、悪天候でプレーオフもできず、2人同時優勝となった1990年東海クラシック(鈴木志保美、柴田規久子)などもありますが、現在はプレーオフができなくても、スコアをさかのぼるカウントバック方式などで、優勝者一人を決めることになっています。
男子ツアーはどうでしょう。こちらも、過去には85年ジュンクラシックの3人(倉本昌弘、河野和重、ペイン・スチュワート)、87年ゴルフ日本シリーズの2人(青木功、デビッド・石井)のように複数同時優勝もありましたが、現在は決着をつけるようになっています。
2012年TOSHIN GOLF TOURNAMENT in涼仙では、悪天候の中断があったため、日没と戦いながら行われた池田勇太と呉阿順のプレーオフ。ホールの距離が徐々に短くなったことが、珍事として記憶されています。明るく照らしたグリーンに近い位置にどんどんティーグラウンドを移動。決着のついた4ホール目には45ヤードになってしまう“アプローチ合戦”の末、呉が優勝しました。
ツアーが国際的になったことでプレーオフも当日決着させる方向になった
世界に目を向けてみましょう。メジャートーナメントでは、全米オープン、全米女子オープン、全米シニアオープンが、最後まで翌日の18ホールプレーオフの姿勢を貫いていました。
1987年に岡本綾子がジョアン・カーナー、ローラ・デービースと18ホールのプレーオフを行っています(優勝はデービース)。全米オープンで最後の翌日プレーオフとなった2008年のタイガー・ウッズVSロッコ・メディエイトも決着がつかず、サドンデスとなった19ホール目でウッズが勝ったドラマチックな試合でした。
けれども、翌日18ホールプレーするのは大変だということで、18年からは2ホールのストロークプレー(決着がつかなければサドンデス)に替わっています。
他のメジャーも、現在はその日のうちになるべく決着をつける方向に落ち着いています。マスターズはサドンデス方式で、全英オープンは4ホールのストロークプレー。全米プロは3ホールのストロークプレーで、栄えある優勝者を決めているのです。
プロゴルフの世界がグローバル化して試合数も増えた現在、プロたちも多忙になり、移動の都合もあります。試合を行う側も含めて、翌日に18ホール仕切り直すような悠長なことは言っていられなくなった、というのが現実なのでしょう。
決着がつくまで延々と戦い続ける。そんな古き良き時代が、うらやましい気もしますが……。
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