笹生優花が日本選手初の平均ストローク60台! 歴代日本選手のランキングとベアトロフィーについて調べてみた

畑岡奈紗の活躍で最後まで目が離せなかった賞金女王争い。残念ながら岡本綾子以来の戴冠とはならなかったが、来シーズンも期待が持てる戦いぶりだった。そんな賞金女王争いの影に隠れてしまった形だが、実は笹生優花が日本選手としては初の年間平均ストローク60台を達成していた。

抜群の安定感で笹生優花が69.364ストロークを達成

 米女子ツアーが今季全日程を終了。各部門のランキングも確定した。平均ストロークでは笹生優花が69.364で4位。日本選手で初めて70の壁を突き破った。

日本選手として初めて70の壁を破った笹生優花 写真:Getty Images

 平均ストロークとは年間通して1ラウンドあたりいくつで回ったかを示すものである。算出方法はツアーによってやや異なり、米男子ツアーや日本男子ツアーはその日の難易度によって数字を微調整しており、日本女子ツアーはパー72以外のトーナメントはパー72に換算したスロトーク数に調整している。

 これらに対して米女子ツアーは純粋に総ストローク数を総ラウンド数で割ったものだ。

 笹生は全米女子オープン優勝でツアーメンバーになったので、対象になるのは全米女子オープンの次のトーナメントから。

 ダブルスのトーナメント(ダウグレートレイクスベイ インビテーショナル)を除く9試合33ラウンドを2289ストロークで回った。2289割る33で69.364という計算である。

 ツアーメンバーになってから優勝はなかったが9試合中5位以内が3回。予選落ちは一度もなく、オーバーパーで終えたトーナメントもひとつもなかった。

 ラウンドの中ではイーグルあり、ダブルボギーありと波がやや激しいタイプだが、終わってみればきっちりまとめてくる。それが、素晴らしい平均ストロークにつながったといえる。

 全米女子オープン優勝という大快挙の影に隠れがちだが、その後のプレーぶりも高評価に値することをこの平均ストロークが証明している。

 これまでの日本選手最高は2018年に畑岡奈紗がマークした70.108だった。その畑岡の今季の数字は70.460で25位。2勝を挙げて2位も2回、賞金ランキングは自己最高の3位だったにもかかわらず平均ストロークがあまり良くないのは予選落ちが多かったシーズン前半の不振が響いたから。

 平均ストロークのようにアベレージで競う部門は安定感が重要である。

 では、日本選手の平均ストローク歴代上位記録を以下に記しておこう。

1位 笹生優花 69.364(2021年)
2位 畑岡奈紗 70.103(2018年)
3位 畑岡奈紗 70.106(2020年)
4位 野村敏京 70.286(2016年)
5位 畑岡奈紗 70.309(2019年)
6位 宮里藍  70.325(2009年)
7位 宮里藍  70.418(2011年)

 平均ストロークは年々良化している傾向にあるから、やはり最近の選手ばかりである。

初めて70の壁を破ったのは98年のA・ソレンスタム

 次に、米女子ツアーの平均ストロークの歴史を振り返りたい。まず紹介しておきたいのは平均ストローク1位の選手にはベアトロフィーという賞が贈られるということ。

 1920年代から30年代にかけて全米女子アマで大会最多の6勝を挙げた伝説の名選手、グレナ・コレット・ベアにちなんだ名称である。非常に名誉ある賞だ。

初めて70の壁を破ったのは98年のA・ソレンスタム 写真:Getty Images

 ただし、ベアトロフィーを手にするには年間70ラウンド以上(または全ラウンドの70%以上)プレーすることが条件。今季は1位のネリー・コルダ(68.774)と2位のコ・ジンヨン(68.866)が70ラウンドに達しなかったため、3位のリディア・コ(69.329)が獲得した。

 日本選手唯一の賞金女王経験者である岡本綾子がプレーしていた1980年代の平均ストロークはトップクラスで71前後だった。岡本自身のベストは1988年の70.94。ただ、岡本はベアトロフィーを手にすることはできなかった。

 初めて70を切ったのはアニカ・ソレンスタム、1998年のことだ。この時の数字は69.987。あと1ストローク多かったらちょうど70だった。

 実は前年、カリー・ウェブがちょうど70で終えており、1ストローク差で「ツアー史上初の60台」を逃していた。それとは対照的な結果だったわけである。

 初めて69を切ったのもソレンスタムで2002年に68.697を記録している。ソレンスタムは2004年にも68.697をマーク。小数点以下第4位まで示すと2002年が68.6974で2004年が68.7970。わずかではあるが自身の記録を更新した形だった。

 以降は長く69を切る選手は現れなかったが、昨年、キム・セヨンがコロナ禍で試合数が減った特殊な状況だったとはいえ、68.686を叩き出してソレンスタムの記録を16年ぶりに塗り替えている。

 そして今年はネリー・コルダとコ・ジンヨンが69切りを達成。68台をマークしたのはソレンスタム、キム・セヨンと合わせて4人となった。

 来季、米女子ツアーで戦う日本勢は畑岡、笹生の二本柱に最終予選会の結果いかんでは渋野日向子と古江彩佳も加わる。そうなれば、かつて例がないほどの豪華布陣。競い合って日本選手初のベアトロフィー獲得を実現してほしいものだ。

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