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- 直近の最終戦逆転賞金王は4年前の宮里優作 過去の事例と逆転の可能性を調べてみた
国内女子ツアーは稲見萌寧が賞金女王、古江彩佳がメルセデス・ランキング1位という形で全日程を終了した。そして、男子もゴルフ日本シリーズJTカップで賞金王が決定する。今年は史上初の5人に賞金王の可能性が残るだけに目が離せない戦いになりそうだ。
最終戦での賞金女王決定は過去21回で逆転は6回
最終戦までもつれこんだ女子ツアーの賞金女王レースはリードしていた稲見萌寧が逃げ切った。ただ1人逆転の可能性があった古江彩佳との争いは最終日終盤まで白熱。非常に緊迫した、観戦する側からすれば面白い展開だった。
今回のように最終戦まで賞金女王決定がもつれこんだ例が過去にどれくらいあったのか。女子では1968年から賞金女王が存在するが初期は試合数が非常に少なかったので除外し、年間試合数が10を超えた1973年からのデータとしたい。
1973年以降、最終戦での賞金女王決定は今回で21例目である。うち、逆転は6例。新聞等では「過去5例」と報じているが、これはツアー制度が施行された1988年以降に限ったものである。
逆転の6例は1987年大迫たつ子、1988年吉川なよ子、1995年塩谷育代、2005年不動裕理、2008年古閑美保、2009年横峯さくらといった面々だ。逆転率は今回を含めて28.6%となる。やはり、リードしている立場の方が有利というわけだ。
男子ツアーで最終戦まで賞金王争いがもつれたのは今年で20回目
さて、今週のゴルフ日本シリーズJTカップで最終戦を迎える男子ツアーも賞金王争いが決していない。最終戦の優勝賞金は4000万円だから、可能性があるのは賞金ランキング1位チャン・キムから4000万円差以内の選手である。その選手たちは以下の5人だ。

賞金R 選手 獲得賞金
1位 チャン・キム 1億2625万211円
2位 木下稜介 1億1385万9647円
3位 金谷拓実 1億980万3605円
4位 星野陸也 1億268万9496円
5位 稲森佑貴 8962万690円
誰が賞金王になっても初戴冠。逃げ切りを図るキムを4人が追うという構図である。3シーズン連続賞金王がかかっていた今平周吾は先週のカシオワールドオープンで優勝していれば可能性は残ったが、2位(2人のタイ)に終わったためチャンスはついえた。
では、男子賞金王決定が最終戦までもつれた場合の逆転率はどうなのだろうか。男子で賞金ランキングが整備されたのは1973年である。前述した女子が10試合を超えたのと同じ年。
比較するにはちょうどいい。男子は最終戦まで賞金王争いがもつれこんだのが今回で20例目。女子とほぼ同じ数である。
過去19例中、逆転での戴冠は何例あったのかというと、たったの2例しかない。逆転率は10.5%。女子の3分の1程度でしかないわけだ。
かつての男子ツアーは尾崎将司を筆頭に大差で賞金王に就く例が多かった。1999年までの37年間で最終戦までもつれこんだのは7回しかなく、いずれもリードしていた選手が逃げ切っている。
初めての最終戦逆転劇は2000年に起こった。最終戦の大京オープンを迎えた時点で賞金ランキング1位は谷口徹。2位の片山晋呉が約771万円差で追い、3位の佐藤信人が約1212万円差。この3人の争いだった。
結果は片山が優勝で逆転。一時は谷口に約6504万円もの大差をつけられていたが、最後の4試合で3勝するという奇跡的な大逆転だった。
2度目の最終戦逆転は2017年のこと。この時は最終戦の日本シリーズを迎えた時点で賞金ランキング1位の小平智から2位宮里優作、3位チャン・キム、4位池田勇太と4人にチャンスがあった。そして日本シリーズを制した宮里が小平と約1717万円差をひっくり返して初の賞金王に輝いたのである。
2000年以降は今回を含め21シーズン中13回が最終戦決戦。混戦度合いが深まっている。
異例の長期シーズンだったが抜け出る選手がいなかった
そして今回は5位までにチャンスあり。これは、2017年の4人を上回る歴代最多人数だ。コロナ禍で2年にまたがった異例の長期シーズンだったが抜きん出る選手がおらず、混戦に拍車がかかったといえるだろう。
史上空前の混戦を制するのは誰か。過去のデータからすれば逆転率はたったの10.5%なのだからキムが圧倒的有利な立場にあるといえるだろう。しかもキムは2位の木下に約1239万円の差をつけている。このアドバンテージは大きい。木下は単独2位以上に入ること、金谷、星野、稲森は優勝が最低条件なのだ。
加えてキムはゴルフ日本シリーズJTカップのディフェンディングチャンピオン。コース(東京よみうりカントリークラブ)との相性もいいはずで、逃げ切りを後押しするデータはたくさんそろっている。
ただ、観戦する側からすれば女子のように最終日まで手に汗握る展開を期待してしまう。追う4選手には何としても優勝争いに加わって最後まで盛り上げてほしいものだ。
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