この人が来たら怒られるんじゃないかとヒヤリ!煙たがられがちな「コースマーシャル」ってどんな仕事? | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

この人が来たら怒られるんじゃないかとヒヤリ!煙たがられがちな「コースマーシャル」ってどんな仕事?

ゴルフ場をラウンドしていると、プレーヤーとは別にコースを巡回する人を見かけることがあるかもしれません。時には、その人にスロープレーを注意されることも……。「コースマーシャル」と呼ばれる業務をする人たちなのですが、どんな仕事なのでしょう?

コース全体の進行を管理する重要な業務

 初心者のゴルファーが入った組などは、知らず知らずプレーに時間がかかってしまうことがあります。そんな時に、コースを巡回する人から、スロープレーを注意されたという経験がある人もいるでしょう。

写真は海外のトーナメントでのコースマーシャルですが、日本の一般営業のコースでもこのような2人乗りカートに乗って巡回していることが多いです 写真:GettyImages

 このように、コース内でプレーヤーに注意喚起をする人は「コースマーシャル」と呼ばれます。具体的にコースマーシャルとは、どんな業務をこなしているのでしょう?

 コースマーシャルの主な仕事は、ゴルフコース内を巡回しつつ、コース全体のプレー進行を早めることです。

 基本的に土日のゴルフ場は混雑している場合が多く、人気コースともなれば毎ホール数組が待つといった状況も珍しくありません。そんな中で、プレーの遅い組が出てしまうと、後続の組すべてのプレー時間に影響が出てしまいます。

 ゴルファーにとって、プレー時間が必要以上に長くなってしまうのは大きなストレスです。ただでさえ待たされてイライラしているところに、お昼の休憩時間が極端に短くなったり、帰りの時間が遅くなって渋滞につかまったりとさまざまな悪影響があるからです。

 そのため、ゴルフ場にとってスロープレーを抑止することは、顧客満足度を高めるためにも重要な課題なのです。

 そもそもゴルフにおいてスロープレーはマナー違反とされており、多くのゴルファーから嫌われる行為の代表格です。

 しかし、土日の混雑したゴルフ場にはさまざまなレベルのゴルファーがやってきます。それだけにスロープレー防止というマナーの順守をゴルファー個人にゆだねるのは無理があると言えるでしょう。

 初心者がプレーに時間がかかるのはある種、やむを得ないことかもしれませんが、中には自分がスロープレーをしているという自覚自体がない人もいます。そこで、プレー中のゴルファーに対し、注意を促す役割の人が必要となってくるわけです。

 具体的には、前の組との間隔が大きく開いてしまったり、プレー時間の目安を大きく超えそうと判断された組には、コースマーシャルがプレーを早めるよう声をかけて、進行の改善を試みます。

 ただし、こういった日本のゴルフ場におけるコースマーシャルの対応は、根本的なスロープレー抑止にはなっていないという意見もあります。ゴルフ場のコンサルティングを手がける飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。

「海外のゴルフ場では、コースマーシャルが大きな権限を持っています。スロープレーをしているプレーヤーに対し、ボールをピックアップして次のホールに進むよう指示を出すこともあるくらいです。日本ではショット間の移動を急ぐように“お願い”する形が多いので、スロープレーの抑止という意味ではまだまだ効果が薄いと言えます」

 さらに飯島氏は、セルフプレーで進行が遅れた組に対しては、コースマーシャルを含めた複数人の“助っ人チーム”を付かせて、数ホールだけプレーをサポートするような対策の必要性を説いていました。

ゴルファーの快適なプレーをサポートする役割もある

 ゴルフ場でコースマーシャルに遭遇するのは、基本的にスロープレーを注意される時です。それだけに、コースマーシャルはどこか煙たい存在のように考えられてしまいがちです。

 しかし、コースマーシャルの仕事はプレーヤーに注意喚起するだけではありません。ゴルファーが安全にプレーを楽しむために重要な役割を果たしているのです。

 ゴルフコースは屋外の山間部などに位置することが多く、自然環境の変化によって、さまざまなトラブルが生じます。それらに対応するのもコースマーシャルの役割です。

 たとえば、カート道路に大きな石や枝が落ちていれば、カートの脱線など事故につながる可能性があります。強い雨で滑りやすくなる場所もあるでしょう。こういった危険を巡回中のコースマーシャルはチェックし、コースに伝えることで対応が早まります。安全かつ快適なプレーを保証するためにも欠かせない存在と言えるのではないでしょうか。

 また、コース内を巡回しているからこそ、落とし物への対応の早さもあります。パターカバーやアプローチに使ったウェッジを忘れてしまった経験は多くのゴルファーが持っていると思います。そんな時に、忘れ物を受け取り、プレー中に届けることもコースマーシャルの仕事。大事なものをいち早く届けてもらえて、ホッとしたゴルファーもいるかもしれません。

 このように、コースマーシャルにはさまざまな役割があります。ただプレーについて口うるさく注意するだけでなく、快適なプレーを補助する役割も担っているのです。

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