2050年までに“聖地”セントアンドリュースが水没!? 気候変動の最悪シナリオにR&Aも危機感

今週開催される全英オープン。第150回記念大会として“聖地”セントアンドリュースで行われますが、スコットランドの地元紙が気候変動に伴う海面上昇により、リンクスが危機に瀕していることを報じています。

他の全英開催コース、カーヌスティー、ロイヤルトルーンも

 今週、「ゴルフの故郷(The Home of Golf)」と呼ばれる英国・スコットランドのセントアンドリュース・オールドコースで第150回、そして同コースでは30回目の全英オープンが開催されます。セントアンドリュースの街には、世界中から大勢のゴルフファンや関係者が押し寄せることになります。

セントアンドリュース名物、18番のスウィルカンブリッジでポーズをとる(左下から時計回りに)ローリー・マキロイ、タイガー・ウッズ、ジャック・ニクラス、リー・トレビノ、ジョージア・ホール 写真:Getty Images

 ところが、このリンクスがあと30年のうちに、海面上昇で水没する可能性があることをご存じでしょうか。

 本当にそうなれば、同コースでの全英オープンは従来通り5年に1度の開催として、あと6回限り。しっかりと目に焼き付けなければ。

 このショッキングな予測を報じたのは、スコットランドの地元紙「ザ・ヘラルド」。昨年、アメリカの気候研究団体「クライメート・セントラル」が発表した研究データをもとに、2050年までに水没の恐れがある地帯をシミュレーションしたもの。

 同紙は、「クライメート・セントラルの研究が正しければ、グラスゴー空港やセントアンドリュースのオールドコースなども海面下に沈む可能性があります」との書き出しで、2050年までの水没域を詳細に地図に再現。スコットランドには全英オープン開催のローテーションコースが5コース(スコットランド以外も含めると全10コース)ありますが、うち3コース=セントアンドリュース、カーヌスティー、ロイヤルトルーンが近い将来、海水に覆われることが示されています。

 しかし、セントアンドリュースは全英オープンを主催するR&Aの本部があり、基本的に5年ごとに全英オープンが開催される、現在も歴史的にも、まさに「ゴルフの聖地」です。そのリンクスが姿を消すことには、あまりにも現実感がありません。

 でも、こうした予測はこれが最初ではありません。2018年にもイギリスの専門機関が「気候変動がイギリスのスポーツ界に与える影響」と題した研究結果を発表。

 その中で「海面上昇がこのままのペースで進めば、とりわけスコットランドでは長期的にスポーツ界に大きなインパクトを与えるでしょう」と警告した上、スコットランドにある約600のゴルフコースのうち海岸線に近い約100コースは影響を受けると指摘しています。

全英オープンの会場ではペットボトル飲料の販売を停止

150回記念大会となる今年の全英オープン。会場は“聖地”セントアンドリュース 写真:Getty Images

 こうした警鐘にR&Aはすぐに反応。2018年に「気候変動、資源の制約や規制」がもたらす課題を軽減し、ゴルフコースのサスティナビリティ(持続可能)な事業形態を研究し、指針を示す「ゴルフコース2030」構想をスタートさせています。

 そして、ホームページには「サステナブル・ゴルフ」のタイトルのサイトを設け、冒頭で「自然環境への取り組み:ゴルフは自然環境とは特異な関係にあり、将来世代も世界中で何百万人もが楽しめる環境を維持する責任があります」とうたい、「農学」や「グリーンキーピング」など関係分野の取り組みを紹介しています。

 また、全英オープンでは、2019年大会以降、ペットボトル飲料の販売を停止。ギャラリーにはステンレス製のボトル(水筒)を進呈、もしくは安価で販売したうえ、会場内に無料の給水ステーションを設置する環境保護の活動を行っています。

 今年のセントアンドリュース大会でも、R&Aは「自然環境が直面する問題の深刻さを認識し、開催地であるリンクスランドの自然保護に尽力しています」と宣言。自然保護に細心の注意を払いながら、開催にあたっているとしています。

 小さくても、こうした取り組みをきっかけに環境保護の意識が広まり、結果、2050年以降も“聖地”を舞台にした全英オープンが見られることを願います。

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