他競技では常識になっている「地面反力」
ランニングを始め、長年様々なスポーツトレーニング指導を行っていますが、今年からインドアゴルフレンジKz亀戸店で「スイング&カラダ改善」イベントを筒康博コーチと始めた株式会社My Roots代表・松井優紀と申します。

ゴルファーのみなさんはボールを打つことは、比較的うまくこなしているようにも見えます。しかし、スムーズで効率的な「体の使い方」では非常に苦労しているように感じます。
また筒ヘッドコーチのいうとおり、ゴルフスイングにおける地面反力の上手な活用法が日本にはほとんどないようです。スポーツトレーニングの世界では以前から「床反(力)」という言葉はすでに常識。ランニングやボクシングなどでは、下半身の動きを必ずチェックして改善トレーニングを行います。

ゴルフでも最近注目されていると聞きましたが、初歩的なことから段階を追っていく方が勘違いしなくて済むと思います。
“反り腰”も“猫背”も骨盤を動かせない
「体の動かし方」の観点から見た場合、ゴルフスイング時に意外と苦労していると感じるのはアドレス時の骨盤の傾け方。女性や若い人に多いのが、背筋を真っすぐにしようとして“反り腰”になっている方が多くみられます。
アドレス時に“反り腰“になってしまっては、スイング中に腰への負担が大きいばかりか、上半身の前後ブレにつながる「ツマ先体重」や「カカト体重」など体重配分のミスが起きやすくなります。

かといって、年配の男性ゴルファーに多い“猫背”のような骨盤が寝た状態も、下半身のパワーをうまく伝達できず、上半身の力だけでクラブを振ってしまいます。これはレッスンで正しい姿勢を覚える事も必要ですが、そもそも骨盤が硬くなっているうえに準備運動せず同じ姿勢でボールを打ち続けてしまう事にも原因があります。
面倒くさいと思いますが、ケガ防止の観点からも骨盤周りをほぐす準備運動はして欲しいです。
スケート選手みたいな「尻トレ」
ゴルフスイングにおける「地面反力」は、上下方向のみの真っすぐな力の働きではなく、左右方向にもうまく使う必要があるため難易度が高くなります。
まずは第一段階として、上下方向に真っすぐお尻周りの筋肉を使いながら地面に力を伝えられる軽いスクワットのような動きを覚えましょう。

その際、ヒザが曲がった時に骨盤が寝ないように注意しながらポンッ! とジャンプするように足首が伸ばすのがコツ。足だけの力、特に太モモばかりで力を伝達していると、骨盤が立たなくなるので注意が必要です。
次に片足ずつゆっくりやってみてください。最後にスイングに近い形で左右の動きを入れるなら、スケート選手のような動きを往復できるとよいです。この時にも、骨盤の向きに注意しながら足首でリリースするのが、「地面反力」を活用するために重要な準備になります。
地面から力をもらうためには、テクニックと体の準備が必要です。誰でも簡単に「地面反力」を活用することはできないので、プロの指導を受けることをオススメします。
【解説】松井優紀(まつい・ゆうき)
株式会社My Roots代表取締役Bodymake&Sports Trainer。JAFT認定ランニングパーソナルコーチBasic&Advance、IHTA認定ストレッチトレーナー、血流制限トレーニングBFRトレーナー、IASTM Smart Tools筋膜リリースなどを取得。年間1200本のセッションや企業セミナー等を行いながら、インドアゴルフレンジKz亀戸店にて「スイング&体改善」イベントを定期的に開催。