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最大の進化はスピン安定と引っかけにくさ!? テーラーメイド新作「Qi4D」 PGAツアーの大物たちが即投入した理由を試打検証

2026.01.14 鶴原弘高
Qi4D ギアくら テーラーメイドゴルフ ドライバー フェアウェイウッド ユーティリティ

2026年1月9日(金)、テーラーメイドから新シリーズ「Qi4D」が発表されました。前作から何が変わったのか、進化のポイントは? メディア向けの新製品試打イベントに参加したゴルフライターの鶴原弘高が、現地で見て試打した感想を速報としてお届けします。

新設計したロールによるスピン量の安定化

 テーラーメイドの新製品「Qi4D」シリーズが発表されたのと同日に、千葉県内のゴルフ場でメディア向けの説明会と試打イベントがありました。会場ではテーラーメイド本社の上級副社長であるブライアン・ホフマン、日本法人の社長を務める比留間育洋氏のスピーチの後に、同社のプロダクト担当である茂貫太郎氏による「Qi4D」シリーズの製品説明が行われました。

「Qi4D」シリーズには4タイプのドライバーが展開されます。コアとも呼ばれるスタンダードタイプの「Qi4D」、大型の扁平ヘッドで寛容性を高めた「Qi4D MAX」、小ぶりで低スピンモデルの「Qi4D LS」、そして軽量版「Qi4D MAX LITE」となります。もちろん、フェースはカーボン製。「ステルス」から始まった同社のカーボンウッドの5代目となります。

左から「Qi4D LS」「Qi4Dコアモデル」「Qi4D MAX」の各ドライバー
左から「Qi4D LS」「Qi4Dコアモデル」「Qi4D MAX」の各ドライバー

 ドライバー全般での進化点は、スピン量を安定させるために新設計したロールを取り入れているところです。ロールとは、フェース面上に付けられている縦方向の丸みのこと。新設計したロールによってフェース上目でヒットしてもスピン量が少なくなりすぎるのを防ぎ、さらにソールに設けられている独自の溝「スピードポケット」を再設計することでフェース下目の当たりでもスピン過多を防ぐ効果を得ています。

 具体的な数値も示されていて、従来モデル「Qi35」ではスピン量の増減が1700~3000回転だったのに対して、新モデル「Qi4D」では1900~2700回転までのズレに抑えられているそうです。

今回はロール(縦方向の丸み)に着目したカーボンフェース
今回はロール(縦方向の丸み)に着目したカーボンフェース

 今回の発表会では触れられていませんでしたが、余談として海外のYouTube動画に出演していたテーラーメイド本社の開発担当者であるアンドリュー・オールドノウ氏の談話も紹介しておきましょう。今回の「Qi4D」で新設計した「Qi4D」のロールは、2020年からコリン・モリカワが使い続けて手放さなかった「SIM ドライバー」から着想を得たという話です。

 コリン・モリカワは、長期間にわたって「SIM ドライバー」を気に入って使い続けていたのですが、その理由のひとつがスピン量の安定性でした。開発チームが彼のヘッドを調べてみたところ、たまたまコリンの手に渡っていた「SIM ドライバー」には個体差があって、他の個体にはないようなロールが付いていたそうです。あくまでも偶然の産物だったのですが、結果的にそのロールがスピン量の安定化に貢献することが分かったのだとか。

 それを足がかりに研究開発を進め、製品として採用したのが今作「Qi4D」の新しいロール設計とのことです。また開発担当のオールドノウ氏いわく、「Qi4D」はカーボンフェースを採用しているためフェース面の製造精度がチタンフェースよりも格段に高く、個体差を限りなく抑えられているとのこと。さらにカーボンフェースだからこそ、フェースの反発性能をルール限界まで最大化にできているとも言及していました。

鍛造アルミニウムを新採用した「Qi4D MAX」に要注目

 筆者が事前に漏れ聞いていた外部からのリーク情報では、「新製品のドライバーはロールしか進化していないから期待外れだ」というものでした。ところが、蓋を開けてみると(新製品の詳細を聞いてみると)、それ以上の進化もあるじゃないか! というのが率直な感想です。

左から「Qi4D LS」「Qi4Dコアモデル」「Qi4D MAX」の構えた見た目
左から「Qi4D LS」「Qi4Dコアモデル」「Qi4D MAX」の構えた見た目

 いちばん大きな進化を遂げているのが、ドライバーの「Qi4D MAX」です。これまではチタンで成型されていた部分が鍛造アルミニウムに置き換えられたことで、約5グラムもの軽量化を実現しています。これによってヘッドを軽量化できるだけでなく、余剰重量をより適切な箇所に配置することができるようになっています。

 高慣性モーメントとやさしさを追求した過去モデルの「Qi10 MAX」や「Qi35 MAX」は同社の意欲作でしたが、世のゴルファーにはあまり受け入れられませんでした。問題点は明確で、高慣性モーメントを追求したがゆえにヘッドが重すぎてパワーがないと振り切りづらいこと。さらに低重心化がおろそかになっていて、スピン量が多くて飛ばしづらいことでした。

「Qi4D MAX」では新素材の鍛造アルミニウムを使うことによって、これら2つの問題を克服しています。さらに「Qi4D MAX」では余剰重量をいかして交換可能なウエートをソールの前後2箇所に設けることで、重いほうのウエートをフェース側に配置(浅重心化)すると、標準のウエート状態よりもさらに低スピン弾道が打てるようになります。つまり、ヘッド形状や性能を前作「Qi35」(コア)に近づけることもできます。

 あくまでも筆者の印象と考えですが、今シリーズで展開されているドライバー4モデルのなかで誰もがあきらかな進化を感じられるのは、「Qi4D MAX」および同様の素材と構造を備える「Qi4D MAX LITE」の2モデルだと思います。

“テーラーメイドらしさ”の原点に戻った「Qi4D」(コア)

 ローリー・マキロイやスコッティ・シェフラーは、早くも昨年終盤の試合から「Qi4D」(コア)ドライバーにスイッチしています。彼らは2025年シーズンで新作の「Qi35」を使わずに24年モデルの「Qi10」(コア)を気に入って使い続けていた選手たちです。

 このことからも分かるように、新作「Qi4D」(コア)のヘッド投影面積や形状は「Qi10」(コア)のそれに戻り、ヘッド性能も限りなく「Qi10」に近いものになっています。

 進化点は、先述した新しいロール設計と、ソール部分に交換可能なウエートが4つも備わっているところです。人気を博しているミニドライバー「r7 クワッド」と同じように、「Qi4D」(コア)にはソール前方に2カ所とソール後方の2カ所のウエートが配置されていて、それらを取り替えることで球のつかまり度合いやスピン量を調整することが可能になっています。実際に各選手は、自分好みの弾道になるようにウエートを調整して使用を始めているようです。

 筆者は「Qi4D」(コア)に3種類ある標準シャフトのうちのひとつ「REAX MR 60(S)」を装着したドライバーをコースで試打してみましたが、第一印象は「あれ? 球がつかまらない」というものでした。筆者は20年モデルの「SIM MAX」まで、長年テーラーメイドのドライバーを好んで使っていた期間があるのですが、「Qi4D」(コア)を打つと、当時の弾道イメージが思い起こされました。

 フェードバイアスで強い球で飛ばしやすく、でも筆者のような中途半端なアマチュアが気を抜くと右に飛ばしてしまうという、昔ながらのテーラーメイドのドライバーらしい雰囲気を備えているのが「Qi4D」(コア)の基本性能です。だからこそ、引っかけのミスを嫌うツアープレーヤーにはウケがいいとも言えます。

 もし筆者が自分のドライバーとして「Qi4D」(コア)を調整するのであれば、4つある交換式ウエートの重いほうをヒール側に配置して、球のつかまりを良くして使うことになるでしょう。実際に筆者はミニドライバー「r7 クワッド」を所有して使っているのですが、ヒール側のウエートが重くなるように調整して良好な結果をもたらしてくれています。「Qi4D」(コア)ドライバーでもこういった調整ができるのは、プロアマ問わずに大きなメリットになると思います。

もともと高性能だったFWとUTはマイナーチェンジ

「Qi4D」シリーズのフェアウェイウッドは、「Qi4D」(コア)「Qi4D MAX」「Qi4D MAX LITE」「Qi4D TOUR」の4モデル展開。今作はすべての番手がヘッド脱着式になっていて、俗に言う“カチャカチャ”仕様になっているのが特徴です。限定モデルでチタン製の「Qi4D TOUR」は、従来のスライド式のウエートが廃止されて3カ所の調整可能ウエートに変わっています(他のモデルの交換式ウエートは1カ所のみです)。

 筆者は昔からテーラーメイドのチタン製フェアウェイウッドの形状や打感がお気に入りなのですが、前作では「もうちょっと球のつかまりを良くしたい」と感じて購入は見送っていました。新作「Qi4D TOUR」であれば、「Qi4D」(コア)のドライバー同様に球のつかまりを調整でそれができるようになっているので、そこは喜ばしい進化に感じました。

 ユーティリティーは、「Qi4D」(コア)と「Qi4D MAX LITE」の2モデル展開です。従来よりもクラブの長さが0.5インチ短くなり、アイアンのつながりとして使いやすいように再設計されているのが特徴です。本国アメリカでは「Qi4D MAX」というモデルもあるようですが、現時点で日本では展開予定がありません。ユーティリティーも「Qi4D」(コア)は全番手でヘッド脱着式、「Qi4D MAX LITE」は接着式になっています。

 全般的にフェアウェイウッドとユーティリティーは、「Qi35」からヘッド形状や性能が大きく変わっていません。ただ、ユーティリティーは短くなって打ちやすくなり、フェアウェイウッドはウエート調整によるフィッティングをしやすくなっています。もともとゴルファーから評価が高いカテゴリーのクラブなので、「Qi4D」ではより使いやすくなるようなマイナーチェンジに留めているという印象を受けました。

クラブフィッティングを強化するテーラーメイド

 テーラーメイドは、昨年の「Qi35」の発表時からクラブフィッティングに注力していくことを声高に公言していました。新作「Qi4D」シリーズでは、どのヘッドにも「TAS」と名付けられている交換式のウエートが搭載されています。これはクラブの調整機能を高めて、個々のゴルファーによりフィットするクラブに仕上げようというテーラーメイドの意気込みの表れです。

「HR」「MR」「LR」とゴルファーのフェースローテーションの傾向を3つに分け、それに合わせた3種の特性の標準シャフトを用意
「HR」「MR」「LR」とゴルファーのフェースローテーションの傾向を3つに分け、それに合わせた3種の特性の標準シャフトを用意

 ドライバーに関しては、3タイプのしなり特性をもつ標準シャフトが用意されていて、スイング時の個々のゴルファーの「クロージャーレート」という数値をもとに、独自の基準を用いてシャフトをフィッティグするという新たな試みが実施されます。

 このシャフトフィッティング方法が正しいのかどうか、正直に言うと筆者は疑問を持っていますし、標準シャフトでもアップチャージが掛かるモデルやスペックがあったりするので分かりづらく、フェアウェイウッドやユーティリティはシャフト重量しか選べないなど、まだまだ発展途上なシステムであることは否めません。

 とはいえ、「Qi4D」シリーズはデザインや見た目がカッコ良くて、打ったときのフィーリングは最高レベルで、昔ながらのテーラーメイドらしさが戻ってきている新シリーズです。市場で多くのゴルファーを魅了することは間違いないでしょう。

試打・文/鶴原弘高
つるはら・ひろたか/1974年生まれ。大阪出身。ゴルフ専門の編集者兼ライター。仕事のジャンルは、新製品の試打レポート、ゴルフコース紹介、トレンド情報発信など幅広く、なかでもゴルフギア関連の取材が多い。現在はゴルフ動画の出演者としても活躍中。YouTubeチャンネル:『A1 GOLF CLUB』(https://www.youtube.com/@A1_GC) Instagram:@tsuruhara_hirotaka

【写真19枚】これが1月29日発売「Qi4D」のドライバー、FW、UTと「Qi MAX」アイアンのフルラインアップ画像です
  • テーラーメイドの2026年最新モデル「Qi4D」シリーズのラインアップ詳細を確認する

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