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- 見たことある? たまにピンについている“謎”の球体や小さな旗…なんの目的があるの?
グリーンのピンに、プラスチック製の球体や小さな旗がついていることがあります。これは一体何のためにあるものなのでしょうか。
若い人のなかには見たことがない人もいるかも?
グリーンのカップにはピンが刺さっており、基本的に自分自身で戦略を立てなければならないゴルフにおいて、数少ない重要な判断材料になります。なかにはフラッグの下あたりに直径10〜15センチほどのプラスチック製の球体や、小さな旗がついているピンを見たことがある人もいるかもしれません。
では、ピンについているこの球体や小さな旗は一体何のためにあるのでしょうか。全国でゴルフ場運営を行う株式会社東急リゾーツ&ステイの広報担当者は以下のように話します。
「あの球体や小さな旗は、カップがグリーンのどの位置に切られているのかを遠くからでも識別できるようにするためのもので、ピンの下の方についている時は手前、真ん中あたりの時はセンター付近、そしてフラッグの直下についている時は奥にあるということを示しています。そのため、球体や旗がピンのどの位置にあるかによってその日のピンポジションが一目で分かるので、クラブ選択などの面でゴルファーに対してコースマネジメントにおけるヒントを与えてくれます。色に関しても、ピン本体と同様に遠くからの判別がしやすい蛍光色など目立つ色を使用しており、黄色やオレンジ色などを基調にしていることが多いです」
「しかし、近年では多くのゴルフ場でカートナビが導入されていて、毎日営業前にカップの位置を変えると、当日のピンポジションがGPSを通してナビに即座に反映され、カート内からでも簡単に確認することができるようになっています。そのため、カップの位置を変えるごとにわざわざそれらを動かす必要がなくなったことから、廃止しているところも増えているのが現状です」
「さらに、ピンに球体や小さな旗がない状態でもカップの切られた位置が分かるようにしているケースもあります。そのような場合は、フラッグの色が赤の時は手前、白の時はセンター、青の時は奥と区別され、いずれもキャディーが同伴しないセルフプレーを基本としたゴルフ場でよく見られる光景です」
「スタート前にその日のすべてのホールのピンポジションをシンプルなイラストで表した『ピンシート』と呼ばれる紙をプレーヤーに配布しているところもありますが、球体や旗を取り換える手間やペーパーレス化が叫ばれている現代の風潮を考えると、カートナビに一括で表示させたほうが合理的かもしれません」
ピンは時代の影響を受けて進化し続けている
また、ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、ほかの面でもピンは時代に合わせて少しずつ変化を遂げていると話します。
「プロのトーナメントが開催されるゴルフ場では、ピンに球体や小さな旗がついていない代わりに『トーナメントポール』と呼ばれる特殊なピンが使用されています。トーナメントポールは、上から下まで直径が一定ではなく真ん中に行くにつれてふくらみを持たせるような形状になっており、遠くからの視認性を確保しています。なかには、試合が行われないゴルフ場でも『一般のゴルファーにもトーナメント気分を味わってもらいたい』という思いで、あえて導入しているところも存在します」
「また、アマチュアに限らず最近はプロでも距離計を使用している人が多いですが、特にレーザー式の場合は機械から発せられたレーザーがピンに当たって戻ってくるまでの時間から距離を算出しています。しかし、初期に作られた距離計はレーザーを照射する性能が今ほど優れていなかったので、ピンの最上部に反射板を設置し、レーザーが跳ね返りやすくしていました」
「現在は距離計の技術も向上したので反射板がなくても正確に残りのヤーデージを把握できるので、このようなタイプのピンも減少傾向にあります。さらに、フラッグをピンに固定する留め具のことを『スイベル』と言いますが、強風にさらされ続けるとスイベルが劣化して外れてしまうことがあります。そうなると、フラッグが正常になびかなくなって視認性が低下するので、フラッグの端の部分をチューブ状にしてピンの上から差し込めるようにしているものが増えています」
ピンは、各ホールのゴール地点を分かりやすくするためのいわば「目印」にしか過ぎないと考えている人もいるかもしれません。ところが、プレースタイルの変化やメンテナンスフリーを図って、知らず知らずのうちに改良が加え続けられているのです。
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