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- もっとスピード出せば詰まらずに済むのでは…リモコン式のゴルフカートはなぜ遅い? 本気出したら何キロ?
最近は電磁誘導で自動運転可能なカートが主流となっていますが、プレーヤーが自分で運転する「自走式」と比べ、スピードが遅いと感じることがあるかもしれません。
安全のために「あえて」遅くしている
カートに乗ってラウンドするスタイルは、スロープレーを防止できるうえにキャディーバッグも全員分積めるなど便利な点が多く、長い間定番となっています。従来は通常のクルマと同じく自分で運転する「自走式」が一般的でした。電磁誘導によって自動運転や遠隔制御も可能なタイプが主流化しています。
運転にあまり自信がない人でも比較的簡単に操作できるだけでなく、前のカートに近づいた時や決められた位置で自動でブレーキがかかって停止してくれるため、安全面から見ても優れている電磁誘導式カート。しかし、自走式のものよりも、最高速度が控えめなイメージがあります。
せっかくカートでプレーのペースを上げられたにもかかわらず、スピードが遅いことでイライラしてしまうこともあるかもしれません。なぜ電磁誘導式のカートは走るのが遅いのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。
「カートそのものはさらにスピードを上げて走ることが可能で、タイプによっては最高で時速20キロ近くまでは出せるようになっています。しかし実際はリミッターをかけることにより、半分の時速10キロ程度でしか走れないようにしています」
「電磁誘導を導入しているゴルフ場では、カート道の内部に自動運転に必要な誘導線が通っています。ティーイングエリアなど停止すべきポイントの近くには『定点』と呼ばれる要所を設置し、その上をカートが通過すると信号を受け取って自動でブレーキがかかり停止する仕組みです。時速20キロくらいの速さで定点に差し掛かると急ブレーキになってしまいかえって危険なので、あえて控えめなスピード設定にしてあるのです」
「また、各カートの後方バンパーからは電波が出ています。後続のカートは前のカートから出されている電波の届く範囲まで接近すると、前方のバンパーに取り付けられたセンサーが反応して止まる仕組みになっています。目視では、前を行くカートとの距離がだんだんと近づいてきているのは分かります。しかしセンサーの場合は電波を受信して初めて前方にカートがいることを認識して止まるため、速度が速いとやはり同様に急ブレーキになりやすく危険です」
なかには『電磁誘導カートは最近のもの』という認識を持っている人もいるかもしれませんが、1990年頃から既に開発は行われており、日本のゴルフカート大手であるヤマハでも96年にメーカー初の電磁誘導式モデルを発売しました。
かつては『ガツッ』と音がするような若干きつめのブレーキがかかるケースも日常的だったといわれていますが、最新のものではそのような荒っぽさもなくなり、まるで人が運転しているかのような優しいスピード調整が実現しているそうです。
カートが通る道は避けて歩く
電磁誘導式のカートは、リモコンを使って離れた場所からでも遠隔制御ができる点が大きな特徴です。操作する時はどのようなことに気を付けるべきなのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。
「電磁誘導カートは、先を行くカートから発せられた電波を、車体前方のバンパーに付けてあるセンサーでキャッチすることで止まるようになっています。車両の前に人がいるなどして電波が遮られていたり、そもそも電波の発信源がなかったりした際は、ブレーキがかかるきっかけもないのでそのまま走り続けます」
「特に、ビギナーの中には歩きやすさからカート道を好んで歩く人も多いですが、そうするとセンサーが反応できなかったカートに後ろからぶつけられてしまう可能性があります。カートの邪魔にならないよう、リモコンで送るのであれば舗装された道はできるだけ避けて歩くことを心がけ、またリモコンを操作する人も追突事故が起こらないよう安全確認をしっかりしてから動かしましょう」
「ほかにも、プレーに夢中になっているとついカートを動かすのを忘れてしまう人もいます。全員のパッティングが終わったらすぐに乗り込んで次のホールへ向かえるよう、カートはこまめに移動させてグリーンのすぐ脇に止めておきましょう」
電磁誘導カートが導入されて以来、利便性はもちろん安全性も飛躍的に向上しましたが、システムの特性上、解決が難しい点もまだ多く残っています。「自動運転」だからといって過信することなく、引き続き安全運転に留意するのが大切です。
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