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「アイアンだけで回ればスコアが良くなる」は“机上の空論”!? なんだかんだいって「ティーショットはドライバー」な理由
「ドライバーを使わずにラウンドするとスコアが良くなる」といったアドバイスを耳にすることがありますが、本当なのでしょうか?
「アイアンでティーショット」を貫けるのはすでにメンタルも技術もある人
ドライバーを一切使わずアイアンだけでラウンドすると、ほとんどのアマチュアはスコアが良くなるので一度実践してみるべき、といったアドバイスをしばしば耳にします。

アイアンを使用すれば、飛距離は出ないもののOBやミスショットの確率を減らすことができるので、結果的に少ない打数でホールアウトできる。100を切るぐらいであれば、飛距離は必要ないと気づくきっかけになるという趣旨のようですが、実際のところはどうなのでしょうか? ハリーゴルフスクール(東京都目黒区)を経営するレッスンプロのハリー石川氏は以下のように話します。
「たしかに理論的には間違っていないと思いますが、端的にいうと“机上の空論”です。もちろん、短いパー4などでは、アイアンやウッドを使用することでコースに潜む罠を回避できたり、OBの確率を減らしたりすることはできますが、現実にはそううまくはいきません」
「ほとんどのアマチュアは、ティーショットでドライバー以外のクラブを持つと『飛ばさなきゃ』という心理により力む可能性が高いですし、マネジメントをしているという“玄人感”が出てしまうので、失敗できないプレッシャーに負けてミスショットをしてしまうのは“あるある”です。大ダフリやOBのあと、追い討ちをかけるように同伴者から『素直にドライバー持てばいいのに(笑)』とヤジられて、気持ちが折れるのが関の山です」
「それを18ホール続けて普段より良いスコアを出すのは、メンタル面含めて到底不可能だと思います。トライしてみるのは悪いことではないですが、結局何も学べず終わる人が大半でしょう」
プロや上級者のなかには、あえてアイアンだけでラウンドする練習を取り入れる人もいるそうですが、慣れないアマチュアが実践しても、むしろスコアが悪くなってしまい、1回分のラウンドを無駄に消費しただけとなる可能性が高そうです。
コースボールでドライバーを打つチャンスをみすみす逃すのはもったいない
石川氏はむしろ「将来的にレベルの高いゴルフを目指すなら、ドライバーは積極的に使っていくべきだ」と話します。
「松山英樹選手は4番アイアンでスイング作りや練習を行うという話を聞いたことがありますが、長いクラブを使いこなせるようになると、自ずと短いクラブも打てるようになるので、ゴルフが上達しやすいです」
「一般アマチュアやビギナーは、ドライバーでコースボールを打つ経験がただでさえ少ないことに加え、18ホール中14回しかないチャンスをさらに削るのはもったいないと思います。また、『今日はドライバーの調子が悪いから使わない』とラウンド中に判断する人もいますが、上級者以外は逃げずに『どうしたら調子を取り戻せるか』と思考錯誤しながらプレーしたほうがいいと思います」
「目先の数打を縮めたいのであれば、ドライバーを使わないほうが無難な場面もありますが、将来的に大きくスコアを伸ばすためには、失敗を恐れずどんどん使用していくことをお勧めします」
アマチュアがスイング作りをする際には、9番アイアンなど比較的短いクラブで練習するのが良いそうですが、ボールを芯でとらえる当て感を鍛えていく場合は、長いクラブで打ち込んでいくのがベストだそうです。
最後に石川氏は「そもそもドライバーを使わないラウンドはつまらない」と指摘しました。
「結局、ドライバーを使用しないとストレスも出てきてラウンドも楽しくないはずです。14回中1回でも会心の当たりを打てるだけで、十分満足できるゴルファーが大半だと思うので、ラウンドを楽しむ意味でも使用すべきだと思います」
ドライバーを封印したラウンドは、よほどメンタルが強くラウンド経験のあるゴルファーでなければ失敗に終わる可能性が高そうです。やはりミスも含めてシンプルにプレーを楽しむのが一番かもしれません。
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