最近は少なくなったゴルフ場ごとのバンカーレーキ流儀
新型コロナウイルス感染防止のため、ゴルフ場から一時期、バンカーレーキが撤去されました。「バンカーショットの後はシューズでならしてください」と案内していましたが、シューズでならすのは時間がかかりますし、キレイにならすのも難しいです。

ゴルファーから不満の声が出たのか、それともバンカーレーキの共有は感染拡大に影響はないと判断したのか分かりませんが、最近はバンカーレーキが元どおりに置かれるようになってきました。
バンカーレーキの置き方は、以前はゴルフ場ごとに流儀のようなものがありました。
バンカーレーキの柄の部分だけを外に出し、ならす部分はバンカーの砂の上に置く「内置き」を推奨しているゴルフ場も多かったと記憶しています。
その理由は「バンカーはミスショットにペナルティを与えるハザードなのだから、入るべきボールの侵入を妨げてはいけない」というものでした。流儀に従っていない置き方をした場合は注意を受けることもありました。
セルフプレー主体のコースでは「外置き」がスタンダード
でも今は、セルフプレー主体のコースが圧倒的に多くなり、バンカーレーキの置き方で注意を受けることはなくなりました。
置き方も柄の部分だけでなくバンカーレーキ全体をバンカーの外に置く「外置き」が主流になり、置き場所もバンカー周辺であればどこに置いてもOKという感じになっています。
ゴルフを始めたころ、バンカーレーキの置き方について先輩から次のようなアドバイスをもらいました。
それは「元の位置に戻しておけば誰にも文句は言われないよ」です。それ以降、バンカーレーキを使い終わったら元の位置に戻すのを基本スタイルにしていました。最近はそれが必ずしも適切ではないと感じるケースもありますが、基本的には元の位置に戻すのが無難です。
後続組のボールがレーキに当たって助かる場所に置くのはあり?
ところが、あるゴルフ場の支配人とラウンドしたとき、バンカーレーキを使い終わった後にバンカーの入り口をふさぐように置き直している場面を見かけました。

なぜそのような置き方をするか聞いたところ、「後続組のショットがバンカーレーキに当たって止まり、バンカーに入らなかったら喜ぶじゃないですか」と答えました。
その支配人は「バンカーはミスショットにペナルティを与えるハザードだから、入るべきボールの侵入を妨げてはいけないという意見はよく分かります。でも、一般営業のゴルフ場ではバンカーに入るべきボールがレーキに当たって止まるくらいのラッキーがあってもいいんじゃないかと思います。ゴルフはどのみちラッキーとアンラッキーがつきものですから、お客様をおもてなしする立場としてはラッキーの数を増やしたいんです」とおっしゃっていて、「そういう考え方もあるのか」と印象に残りました。
バンカーに入る際は、ボールに最も近くて、最も低い位置から入るのがマナーです。そう考えると、バンカーレーキの置き場所もバンカー周辺の低い位置が適しています。
バンカー周辺の低い位置は一般的にバンカーの入り口付近です。そのあたりにレーキを置くのであれば、多少なりともボールの行方に影響を及ぼす可能性があります。
そうであれば、バンカーレーキに当たってボールがバンカーに入ってしまうアンラッキーを誘発するのではなく、バンカーレーキに当たってボールが止まるラッキーを誘発したいというわけなのです。
その話を聞いてから、バンカーレーキの置き方を見直すことにしました。特にコンペなどで後続組も知人がプレーしている場合、バンカーの入り口をふさぐようにレーキを置くようになりました。
それによってラウンド後に後続組のプレーヤーが「バンカーに入ったと思ったらレーキで止まっていたんだよ」とうれしそうに話している姿を見かけると、こちらもうれしい気持ちになります。
この考え方が正しいとは思いませんし、競技ゴルフの場面では不適切とも感じますが、元の位置に戻すのが無難ではないと感じる場合には、後続組にとって便利でありがたい置き場所はどこかという視点で置き場所を探してみるのもアリだと思います。