命に関わる場合も!ラウンド中の「打ち込み」をしない、させない工夫とは? | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

命に関わる場合も!ラウンド中の「打ち込み」をしない、させない工夫とは?

楽しくラウンドしていて、不意に後ろの組のプレーヤーが打ったボールが自分たちの近くに着弾。これは「打ち込み」と呼ばれる危険行為。当たり所によっては命に関わるだけに、打ち込むことも、打ち込まれることも絶対に避けたいところです。

後遺症が残るケースも…打ち込みの危険度とは?

 ラウンドを楽しんでいたら、後ろの組の人が打ったボールが目の前に落ちた……。そんな経験はないでしょうか? 前の組にボールが届いてしまうかもしれない距離にもかかわらず、ショットする行為を「打ち込み」と言います。

ブラインドホールでは前の組がセカンド地点を離れたか否かが分かる信号機が設置されている場合も 写真:AC

 打ち込みは、ラウンドにおいて危険度の高い行為のひとつで、もし、打ったボールがプレーヤーに当たってしまったら、取り返しのつかない事態にもなりかねません。

 実際、過去には打球が直撃して骨折した例や失明といった後遺症が残ったケースもあります。場合によって数百万~数千万円という損害賠償を請求される可能性もあります。ゴルフをするなら、自身の技量や飛距離をしっかり把握した上で、安全に配慮してプレーしなければなりません。

 仮にミスショットで打ち込んでしまったとしても、プレーヤーに過失がある認められる可能性があります。なぜなら、自身の技量を把握した上でショットすべきという注意義務があるからです。

 以上のように、打ち込みという行為は、さまざまなトラブルに発展する可能性のある大変危険なものになっています。自身が打ち込みをしないよう注意することはもちろん、後ろの組から打ち込まれないように工夫することも大切になってきます。

とにかく前の組との間隔に注意してプレーしよう

 打ち込みによってトラブルが発生してしまうと、せっかく楽しいはずのラウンドが後味の悪いものになってしまいます。そのような事態を回避するため、まず打ち込みをしないために気を付けるべきことを知っておく必要があります。

 基本的なことですが、ショットの際は前の組が確実に届かない位置まで進んだことを確認するべきでしょう。少なくとも、前の組がカートに乗り込み、進み出したことを確認してからアドレスに入ることが大切です。

 時には前の組がスロープレーを続けて、ショットを待つ時間が長くなることもあるかもしれません。その際は、マスター室に連絡するなど、スロープレーの改善を依頼しましょう。決して、あおるようにショットを打ってはいけません。

 また、ドッグレッグや打ち上げのホールなど、ボールの落下地点が見えない時も注意が必要です。しっかりコースレイアウトを確認した上で、見える位置にカートやプレーヤーが残っていないかを目視し、カートにGPSが搭載されている場合は、前の組が移動したことを確認した上でショットしましょう。

 そして自分の飛距離を正しく知ることも非常に大切です。当たらないことを前提に150ヤード程度しか飛ばないと思っているクラブでも、たまたま芯を喰ったり、トップした場合は150ヤード以上飛ぶ場合があります。

 特にクラブを新調した時などは注意が必要です。同じ番手であっても、以前のクラブより飛ぶ可能性がありますので、クラブのロフトなどを考慮して事前に飛距離を想定しておきましょう。

 さらに追い風の場合などは、想定以上に飛距離が出てしまうこともあります。どうせ届かないだろうと安易に考えず、前の組が進むのを待つことが大切です。

グリーンが打ち上げのホールは特に注意が必要

 多くのアマチュアを指導する三浦辰施プロは打ち込まれないようにするための工夫も大切だと話します。

「2019年のゴルフ規則改正で、グリーン上でピンを抜かずにプレーできるようになりました。以前は、打ち上げのホールでもピンが立っているかどうかで前の組がプレー中かどうか判断できましたが、今では分かりづらくなってしまいました。強い傾斜の場合、目視では前の組がプレー中かどうか判断するのは非常に難しくなったわけです。そのため、後ろの組に自分たちの存在が分かるように見えやすい位置にカートを置いたり、プレーを終えた人がグリーンの手前に立つといった配慮をすると良いでしょう。打ち込みを防ぐには、双方の配慮が大切なのです」

 細心の注意を払ったにも関わらず、万が一、打ち込みをしてしまった場合は、なるべく早く謝罪に行くようにしましょう。打ち込んだ側が「当たっていないだろうし大丈夫」と安易に考え、謝罪に行くのが遅れたことでトラブルに発展する可能性もあります。打ち込まれた側は、偶然なのか、故意なのか分からず不信感を募らせているはずです。

 もし、打ち込んだのが自分ではなく、同伴者の場合でも一緒に謝りに行くのがベターでしょう。同伴プレーヤーとして打たせてしまった責任があると考えられるからです。

 逆に打ち込まれた場合は、相手が打ち込んだ自覚がない可能性もあるため、冷静に相手にその旨を伝えましょう。注意したにもかかわらず、打ち込んだ側がスロープレーを理由にその行為を正当化し、威圧的な態度を取ってきたなら、マスター室に連絡して仲裁に入ってもらうことをおすすめします。

 ただし、ゴルフ場はあくまで社交の場であり、争いの場ではありません。時には、自分の組をパスさせて、先にプレーしてもらうといった対処をした方が、その後、気持ちよくプレーを続けられるかもしれません。

 打ち込みはゴルフにおいては重大なマナー違反です。自分も相手も不幸になりかねない行為ですから、楽しいラウンドのためにはしっかり安全を確認しつつ、ショットをするよう心がけましょう。

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ブラインドホールでは前の組がセカンド地点を離れたか否かが分かる信号機が設置されている場合も 写真:AC

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