「冷感スプレー」は体温下げる効果ある? プロゴルファーも猛暑日に必携する“三種の神器”とは

連日続く猛暑の中でプレーを完遂するにはさまざまな手段での暑さ対策が必須。最近は冷感スプレーの類が人気のようですが、本当に体温を下げることができるのでしょうか?

日傘、冷感素材のインナー、冷感スプレー

 例年以上に厳しい猛暑。ゴルファーの皆さんは、こまめな水分・塩分補給を肝に銘じ、しっかり熱中症対策をしてラウンドにのぞんでいることと思いますが、万全を期すに越したことはありません。水分・塩分補給のほかにも、さまざまな冷感グッズを利用して猛暑から身を守りましょう。

日傘に加え、携帯扇風機を使ってラウンドする上田桃子 写真:Getty Images

 ゴルフコースを頻回にまわるプロゴルファーは、暑さをものともせず好スコアのプレーをしているように見えますが、一体どうやって暑さを凌いでいるのでしょうか。チャレンジトーナメント参戦のかたわらYouTubeなどの動画配信を通じてアマチュアのレッスンにも意欲的な奥山ゆうしプロに聞いてみました。

「プロゴルファーにとって猛暑対策“三種の神器”は、日傘、冷感素材のインナー、冷感スプレーじゃないでしょうか。日傘も冷感素材のインナーも、ほとんどの選手が使っていますね。冷感スプレーも使うとかなりラクになり、集中力を維持できますよ」

 冷感インナーはトーナメント中継を通じてほとんどのプロが使用していることがわかりますが、冷感スプレーについては、使っているところを見かけないせいか意外です。どのくらいの効果があるのでしょうか。

「プレー中はゴルフに集中していますが、やはり暑いのはつらい。そういう時に冷感スプレーをシュッとかけると『冷たくて気持ちいい』と感じます。私はミストタイプのスプレーをウエアの背中と胸、半袖の時はアームカバーにそれぞれ1~2プッシュしますが、相当冷えますよ。3~4プッシュすると冷えすぎるくらいです。ただ、冷たさは長時間もたないので、1~2ホールごとに1回吹きかけています」

「プロによっては、スプレーではなく氷のうを携行している選手もいます。氷のうを首筋やワキに当てるのでも体温を下げる効果は大きいと思いますが、私の場合は、ずっと持っていると手が冷えすぎてしまう。アプローチやパットのタッチが変わってしまうため、氷のうではなく冷感スプレーを使っています」

 奥山プロは、冷感スプレーの効果を「相当冷える」と表現してくれました。

表面温度がマイナス20度にもなる冷感スプレーも

 プロがそこまで頼る冷感スプレーは、一般的にどのようなメカニズムで冷たくなるのでしょうか。また冷たく感じる一方、実際のところ体温は下がるのかでしょうか。暑さ対策製品を数多く製造・販売していることで知られる小林製薬(株)広報部に話を聞くことができました。

 同社では、「熱中対策」ブランドとして冷感スプレーや冷却液などのさまざまな暑さ対策製品を製造・販売しています。今回は、その中から3つの製品をご紹介します。

(1)今年新発売の「熱中対策 肌キンキンウォーター」は、冷却液を手にとって直接肌に塗るタイプです。

(2)「熱中対策 服の上から極寒スプレー」は、ジェット噴射による冷気を服にかけて広範囲に服を冷やすタイプ。手の届きにくい背中も簡単に冷やすことができます。

(3)「熱中対策 タオルに氷を作るスプレー」は、タオルにスプレーを噴射することで氷ができたタオルを、首筋や腕などほてった部分に当てて体を冷やします。

 同社広報部によると「どの製品も、体温を下げるというよりは、体の表面温度を下げることによって涼しさを感じることができる製品となっています」とのことです。

「まず(1)ですが、水とアルコールによる気化熱の効果で表面温度が下がります。肌に直接塗ることで気化熱が生じますので、肌温度は5度程度下がります。(2)につきましては、スプレーした洋服の表面温度は、瞬間的にマイナス20度程度になります。ただ、肌温度が噴射前と噴射後とでどれくらい下がるかは、着用している衣服によって異なります。また、(3)はタオルに吹きかけたものを肌に当てて使用する場合には、使用部分の肌温度は20度程度下がります」(同前)

 冷感製品の開発、製造がここまで進んでいることに驚かされました。プロが「冷感スプレーは相当冷えます」と表現するのは、実感なのでしょう。最近はメントールを使っている製品も見かけますので、さらに高い効果を得られるようになっているのかもしれません。

「(1)にも使われているメントールは、ひんやり感を得るための冷感成分ですので、実際に体の表面温度を下げる効果はありません。また、冷感の持続時間ですが、肌に直接塗る(1)は約15分、服にかける(2)は約30分です。ただ、各製品の持続時間は使用環境によっても大きく変化します。あくまでも目安としてお考えください」(同前)

 メントールが入っているからといって表面温度を下げる効果にはつながらないけれども、スーッとするひんやり感が得られるということです。好みに合うものを使ってみたくなりますね。

予想最高気温が25度以上なら冷感インナー着用

 さて、一般ゴルファーにも定着している感のある冷感インナーですが、改めて奥山プロにどのような使い方をしているのか、どんなメリットがあるのか聞いてみました。

「冷感素材は、真夏に限らず予想最高気温が25度以上なら必ず着ます。私は汗かきなので、インナーは半袖と長袖を常備していますよ。このところは日焼け予防も兼ねて長袖インナー、その上に冷感素材の半袖ポロシャツを重ね着しています。冷感素材の長所は、なんといっても汗の吸収が良い上にすぐ乾くところ。汗が蒸発するときの気化熱でひんやりするんです。風が吹いたり、日陰に入ったりすると冷えているなと実感しますね」

「インナーは体に密着して、その上の冷感ポロシャツはさらりとしているのもポイント。綿のポロシャツ1枚だと汗でペタッと肌についた感じがして気になりますが、さらりとしているからスイングをしやすいです。それと、アマチュアの方によく『プロは汗をかかないですね』と言われますが、先ほども言ったように実は汗かきなんです。下着は汗でぐっしょりでも、上半身はインナーが汗を吸ってすぐ乾くから、ポロシャツに響かない。見た目が暑苦しくならないのも魅力です」

 シャツだけでなく、スラックスも冷感素材で伸縮性のあるもの、メッシュのインナーがついているものが最適だと奥山プロはいいます。汗でくっつく感じも引っかかる感じもなく、立ったりしゃがんだりしやすいからだそうです。

 冷感グッズは、プロにとって、猛暑と勝負のストレスとでアツくなってしまった心身を鎮め、またゴルフのパフォーマンスを高めてくれるもののようです。

 アマチュアゴルファーも、真似できるアイデアは大いに取り入れたいものです。水分・塩分の補給とともに、少しでも体を冷やす工夫をして、くれぐれも熱中症にならないようご注意ください。

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