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- PGAツアーを目指すなら日本より有利!? 米国の大学でゴルフをしている若者にその理由を聞いた
フジサンケイクラシックで初優勝を果たした大西魁斗選手は南カリフォルニア大学出身。在学中はオールアメリカンにも選出されるほど活躍。そこで、海外の大学でゴルフを続けるという選択した若者にその理由を聞いてみました。
PGAツアーを目指すには米国の大学でプレーするのが近道
日本の大学は4月入学ですが、米国の大学は夏休みが終わった8月下旬から入学のオリエンテーションが始まり、9月から授業開始です。
今秋から米国の大学のゴルフチームでプレーする2人の若者と話をする機会がありました。2人とも2003年生まれで、日本の大学に現役で合格した子たちと同じ学年です。
2人は幼少期から日本でゴルフを始め、中学時代まで日本で過ごしていましたが、1人は高校1年の夏に米国へ留学、もう1人も高校2年終了時に米国へ留学しました。前者をA君、後者をB君と呼ぶことにします。
A君とB君は米国フロリダ州にあるゴルフアカデミーで腕を磨きながら現地の高校を卒業しました。そしてA君は今秋からニューヨーク州の大学のゴルフチーム、B君はユタ州の大学のゴルフチームに加入します。
同じような道のりを歩んでいるように見える2人ですが、米国の大学のゴルフチームに入った目的は180度違います。どうして彼らは米国の大学を進学先に選んだのでしょうか。まずはA君の話から聞いてみましょう。
「僕はゴルフを始めたころから将来はPGAツアーでプレーしたいと思っていました。PGAツアーを目指すなら、海外に慣れている状態で海外の大学から目指すほうが近道なんじゃないかという話になりまして、高校1年の夏に渡米する決断をしました」
「僕が選んだゴルフアカデミーはフロリダ校とサウスカロライナ校がありました。僕は最初、サウスカロライナ校に通っていました。ところが2020年2月に新型コロナウイルスが流行し、サウスカロライナ校が閉鎖になりました。その時点でゴルフアカデミーを辞めるか、フロリダ校に移るかという2択になり、フロリダ校に移りました」
「フロリダ校は完全に隔離された敷地の中に9ホールのゴルフ場がありました。そのコースは1つのグリーンにピンを2本立てることによってレイアウトが変わり、18ホールになるという面白い仕組みになっています。コロナ禍の1年間はそのコースでずっと試合をしていました」
「アメリカの大学のゴルフチームに入るには、アカデミーの試合で成績を出すと有利になりますが、基本的には大学のゴルフチームのコーチが選手を探し、その選手がチームに入ったときにレベルを上げてくれるかどうかを見ます」
「僕みたいな選手は大学のコーチに見つけてもらうのはとても難しいので、そういう選手はいろんな大学のコーチにゴルフの成績と学力テストの成績と学校の成績表をEメールで送ります」
「そのメールに対しての返信はほとんどないのですが、僕の場合は100通以上送った中から6件くらい返信がありました。その大学といろんな話をしていく中で、自分に一番合っていると思って選んだのがニューヨーク州の大学でした」
自分の将来の選択肢を広げるために米国の大学のゴルフチームへ
次はB君の話を聞いてみましょう。
「僕は中学受験で大学の付属中学に入学し、その学校でゴルフ部に入って活動していました。でも、今のところ『絶対にこれがやりたい!』みたいなことがありません」
「そのまま学校に残っていれば大学には行けるけど、何の目的もないのに大学に行くんだったら今までゴルフをやってきた意味がないなと感じていました」
「じゃあ、自分の将来の選択肢が一番広がるのは何だろうと考えたとき、アメリカの大学に行くという選択をしたほうが、自分が将来ゴルフをしてもしなくても、社会に出たときの選択肢が多いんじゃないかと思いました」
「なので僕は高校を2年間で辞めて3月に渡米しました。向こうはまだ学年の途中でしたから、ESLという英語ができない人向けのクラスに入って8月まで過ごしました。そして8月から高校3年生をやりました。向こうは12年生という言い方をするんですけどね」
「ユタ州の大学を選んだのは、父がユタ州に留学していた経験があるからです。練習環境や治安もいいので、そこで勉強とゴルフを頑張りながら将来やりたいことを探します」
昨今は進学先に海外の大学を選ぶ若者が増えています。今シーズン日本ツアーで活躍している大西魁斗選手も練習環境を求めて9歳で渡米し、南カリフォルニア大学のゴルフチームで活動した後に日本でプロ生活をスタートしました。
ABEMAツアー(男子下部ツアー)で頭角を現している呉司聡選手も東テネシー州立大学のゴルフチームで活躍してからプロ転向しました。
プロゴルファーの丸山茂樹さんの長男である丸山奬王選手も、カリフォルニア大学ロサンゼルス校時代はケガで苦しみましたが、日本で再帰を目指しています。
ひと昔前はプロゴルファーになるにはゴルフ場で研修生をしたり、日本の大学で腕を磨いたりしてからプロ転向するのが一般的でした。しかし21世紀のグローバル社会は若者の選択肢も世界に広がっています。その中から勢いのある若手選手が次々と誕生することを期待したいです。
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