柔軟な肩甲骨を持つ石川遼と大谷翔平
今年3月に開催されたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で侍ジャパンの世界一に大きく貢献した、メジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルス所属の大谷翔平選手。日本人離れした体格から繰り出される剛速球やホームランに注目が集まりますが、「体の柔軟性」も超一流であることが知られています。

特に大谷選手の「肩甲骨」の柔軟性はテレビ番組などでも取り上げられるほどで、手の甲を腰に当てた状態で両肘を真正面に向ける、驚異的な柔軟性を披露した姿を記憶している方も多いのではないでしょうか。
実は、大谷選手が肩甲骨の柔軟性アップに取り組むきっかけとなったのが、男子プロゴルファーの石川遼です。
大谷選手は中学生の頃、テレビで流れていた石川プロの肩甲骨の柔らかさに関心を持ち、野球にも生かせるのではないかと自発的にストレッチを取り組むようになったそうです。中学生の時期に他の競技の選手からヒントを得るあたりも、さすが世界の大谷選手です。
ゴルフにもつながる「肩甲骨」の柔軟性

では、大谷選手や石川プロのように肩甲骨の柔軟性を身につけると、ゴルフではどのようなメリットがあるのでしょうか。
結論から言うと、肩甲骨の柔軟性が高まることで「深いトップがつくれるようになる」「フォロースルーが大きくとれる」「スイングスピードが上がる」などのパフォーマンスアップにつながります。
また、ゴルファーの多くが悩まされる腰痛を予防する効果も期待できると言います。肩甲骨はさまざまな筋肉に支えられていて、挙上と下制、外転と内転、上方回旋と下方回旋と6つの運動方向から成り立っているのです。
中でも背骨から肩甲骨が離れていくような「外転」という動きと、背骨に向かって肩甲骨を寄せていく「内転」という動きがゴルフのスイングに大きく関係しています。
スイングには「アドレス→バックスイング→ダウンスイング→インパクト→フォロースルー」と一連の流れがありますが、右打ちのゴルファーの場合、バックスイングの際に左の肩甲骨は背骨から離れるように(外転)、右の肩甲骨は背骨に寄るように(内転)動いています。
フォロースルーの際は、左の肩甲骨が背骨に寄っていき(内転)、右の肩甲骨は背骨から離れていくように(外転)動いていきます。つまり、肩甲骨の柔軟性が高まるほど「外転・内転」の動きが大きくとれるため、深いトップがつくれて大きなフォロースルーになり、より力強いボールを打つことができるようになるでしょう。
逆に外転・内転の動きが制限されてしまうと、体の回旋可動域が小さいスイングとなるため、腰への負担が大きくなりこれが腰痛の原因となります。
両手の甲を腰に当て、肩甲骨を背骨から遠ざけるように開いたり、背骨に引き寄せるように肩甲骨を閉じるストレッチをそれぞれ10回、2~3セットを目安に実施してみましょう。柔軟性が乏しく体勢がつらい方は、片方ずつ実践してもOKです。
肩甲骨の柔軟性は、パフォーマンスアップはもちろんのこと腰や背中などゴルフで起きやすいケガのリスクを抑えることにもつながります。
大谷選手や石川プロのような柔軟な肩甲骨を手に入れるためにも、今日からストレッチに取り組んでみてはいかがでしょうか。