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- 「10代で勝ちたかった」「2年後に米ツアー挑戦」「小3から飛んでました」 初V19歳・櫻井心那の大物語録
国内女子ツアー「資生堂レディスオープン」最終日は通算10アンダーで並んだ櫻井心那(さくらい・ここな)と桑木志帆がプレーオフを戦い、2ホール目でバーディーを奪った櫻井がツアー初優勝を飾った。
「規模の大きさにいちいち感動している」
◆国内女子プロゴルフ<資生堂レディスオープン 6月29日~7月2日 戸塚カントリー倶楽部(神奈川県) 6605ヤード・パー72>
国内女子ツアー「資生堂レディスオープン」最終日。6アンダーの5位からスタートした櫻井心那は妙に落ち着いていた。
「意識しないように、ガツガツいかないで、立てたプラン通り落ち着いてやろう」

同組の桑木志帆が16番を終えた時点で、通算10アンダーまでスコアを伸ばし、そのままフィニッシュ。一方の櫻井は16番をホールアウトした時点で8アンダー。追いつくには17、18番でバーディーを取ることが条件だった。「ここで取らないと追いつかないのは分かっていました。セカンドショットの番手も方向も、いいスイングで、いいイメージで打てた」と連続バーディーを奪取。6バーディー、2ボギーの通算10アンダーで桑木に追いついた。
プレーオフ1ホール目は互いにパー。2ホール目の2打目を58度で4メートルに寄せ、バーディーパットを沈めた櫻井が、ツアー初優勝を手にした。「ドライバーが1週間通してすごくよくて、飛距離で(上回って)セカンドショットを短い番手で打てたのが勝因」と振り返る。
昨季のステップ・アップ・ツアーで5勝した賞金女王で、今季は台湾ツアーでも1勝。国内ツアー初優勝の気持ちを聞かれ、「レギュラーツアーもステップも初優勝の気持ちは一緒。でもギャラリーの数もメディアの囲み取材の多さも表彰式の規模も大きいし、いちいち感動しています」と目を輝かせていた。
昨年8月のインドネシアの試合で見た光景
「将来の夢は米ツアーでプレーすること。去年から米ツアーで活躍できる選手になりたいと思っていて、全米女子オープンにも出たかった」
きっかけは去年8月にインドネシアで開催された「シモーネ・アジアパシフィックカップ」。同大会にはリディア・コ、ユ・ソヨン、キム・ヒョージュら米ツアー選手のほか、渋野日向子やイ・ボミも出場。そこに櫻井も招待され「すべて1人での行動で不安だらけでしたが、試合が始まるとすごく楽しかった」。そこで見た光景があまりにもまぶしかった。
「自分が生まれた土地でもないのに、たくさんの選手がギャラリーやファン200~300人にサインを求められている姿を見て、日本以外にファンがこんなにもいることはすごく素敵なことだし、選手たちもみんな笑顔がキラキラしていました。だから私もそういう世界で戦ってみたいと思いました」
すでに思い描いているのは、米ツアーで戦っている自分の姿。「早いうちにQスクールも受けたい。2年後とかには挑戦しているかもしれない」と、目標は明確だ。そう思うからこそもっとレベルアップが必要とも痛感。「優勝する人たちとは技術やメンタルが足りていないし、差は感じていました」。100ヤード以内とアプローチを課題とし、練習に取り組む。
「飛距離に困ったことがない」
一方で、長所として自信を持っているのは「飛距離に困ったことがない」というドライバーだ。今大会のドライビングディスタンスは252.88ヤードと、19歳ながらかなりのパワーヒッター。「小学3年くらいから飛んでいました(笑)。ウエートトレーニングもジムも行っていないのになぜ伸びたか分からない(笑)。ただ、今はすごく当たりがいいし振れている。たくさん食べているので体重も3キロ増えました」。
だからこそ次は小技を自分の武器にしたいと思っている。今回の初優勝はまだ通過点に過ぎない。目の前の目標については「地元・長崎で開催される日本女子プロゴルフ選手権で優勝できるちょうに調子を合わせていきたい」と語る。さらにこの優勝で「最終戦のJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップに出られることもうれしい」と、目を輝かせる。
最後に「10代で勝ちたかった」とキッパリ。19歳ながら堂々としたプレーオフ、あどけなさが残りつつも胸に秘めた強い意志。近い将来、大きく化ける日が来るかもしれない。
櫻井 心那(さくらい・ここな)
2004年2月13日生まれ、長崎県出身。2021年11月、プロテストに合格。尾関彩美悠、佐藤心結らと同期のJLPGA94期生。22年はステップ・アップ・ツアーを主戦場とし、6月に行われた「ECCレディスゴルフトーナメント」でプロ初優勝。その後「山陽新聞レディースカップ」「日台交流うどん県レディースゴルフトーナメント」なども制し、下部ツアー年間最多記録となる5勝を挙げた。23年・資生堂レディスオープンでJLPGAツアー初優勝。ニトリ所属。
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