トップ10率は驚異の3割3分3厘! 米女子ツアーで存在感を高める日本選手の「層の厚さ」を分析

シンガポールで開催された米女子ツアー「HSBC女子世界選手権」。最終日を2打差の単独首位からスタートした古江彩佳は、1バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの75で回り通算7アンダーの8位タイで終え、米ツアー2勝目を逃した。

トップ10率は2位の米国に10ポイント以上の差をつける

「3割3分3厘」と書くと何やら野球選手の打率のようだが、ここで紹介したいのは打率のことではない。この数字は今季の米女子ツアーにおける日本選手全体のトップ10率。まだ4試合を終えただけだが、首位打者の打率並みの驚異的なデータを示しているのである。

 まず、開幕戦の「ヒルトングランドバケーションズ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」には畑岡奈紗、古江彩佳とツアーメンバーデビュー戦となる稲見萌寧の3人が出場して古江が4位タイに入った。

最終日に猛追、「HSBC世界選手権」3位タイに入った西村優菜 写真:Getty Images
最終日に猛追、「HSBC世界選手権」3位タイに入った西村優菜 写真:Getty Images

 2戦目の「LPGAドライブオン選手権」は開幕戦出場の3人に加えて勝みなみ、QT合格後初戦となる西郷真央が参戦。古江が2戦連続の4位タイとなり、稲見が8位、畑岡は9位タイと5人中3人がトップ10に名を連ねた。

 春のアジアシリーズ初戦にあたる3戦目の「ホンダLPGAタイランド」では渋野日向子、笹生優花、西村優菜が今季初出場。畑岡、古江は3戦連続でのプレーとなり、この米女子ツアーメンバー5人に原英莉花、岩井明愛、岩井千怜も加わって計8人が出場した。結果は岩井千怜の13位タイが最高で10位以内はゼロだった。

 そして先週の「HSBC女子世界選手権」には畑岡、稲見、古江、西村、笹生の5人が参加。畑岡、西村が3位タイ、古江が8位タイと2戦目に続いて3人がトップ10入りを果たした。

 4試合で日本選手がのべ21人出場してトップ10が計7回。トップ10率は33.3%、つまり3割3分3厘となるわけだ。これだけトップ10率が高い背景には4試合中3試合が、出場選手数が少なく予選落ちのない大会だったということがある。シーズン通してこのレベルを維持することは困難だ。

 それでも、他国の選手と比較すると現時点での3割3分3厘の数字がいかに優れているかが浮き彫りになる。

 今季、4試合でのべ10人以上の選手がプレーした国は日本のほか米国、韓国、タイ、スウェーデン、中国、英国、オーストラリアと計8カ国ある。この中で、33.3%のトップ10率は圧倒的1位なのだ。

 2位が米国の21.7%。回数では日本の2倍以上にあたる15回で最多だが、のべ出場数が69人と多いため率では日本よりずっと下になってしまう。3位はタイの20.0%。のべ25人がプレーしてトップ10は5回である。

 4位以下は韓国(14.6%)、英国(14.3%)、オーストラリア(7.1%)、中国(5.9%)、スウェーデン(5.6%)という順になる。これらの強豪国を抑えて非常に高いトップ10率をマークしているのは、日本女子の選手層がいかに厚くなってきたかを証明している。

3度のトップ10入りを果たしているのは古江とB・ヘンダーソンだけ

 トップ10率の高さをけん引しているのが古江だ。単独首位で最終日を迎えた「HSBC女子世界選手権」では終盤に大きく崩れてしまったが、それまでの粘り強いプレーは現在の世界トップクラスの1人と言っても過言ではないくらいの存在感があった。今季3回のトップ10はブルック・ヘンダーソン(カナダ)と並んでツアー最多である。

 世界ランキング日本勢最上位の畑岡も出場4試合で2回トップ10に入るさすがの成績を残している。稲見はツアーメンバーになって2試合目で早くもトップ10入りを果たしているし、西村は「HSBC女子世界選手権」最終日にみせた6アンダー、66のチャージで17位タイから3位タイにまで急浮上したのは見事だった。

 米女子ツアーではないが、好メンバーがそろった2月の欧州女子ツアー「サウジレディースインターナショナル」で勝が3位タイ、笹生が7位タイと好成績を残したのも心強い。ツアーメンバーの人数は米国や韓国、タイなどに比べればまだ少ないが、質の高さはどこにも負けていない。

 今週は春のアジアシリーズ最終戦、中国開催の「ブルーベイLPGA」。古江、西村、稲見、渋野、西郷と5人の日本選手がエントリーしている。同大会が行われるのは6回目になるがコロナ禍などの影響で6年ぶりの開催。日本選手は全員が初出場だ。

 過去5回の日本選手最高成績は2017年上原彩子の19位タイで、相性はそれほどいいわけではない。だが、そんなデータなど吹き飛ばしてしまいそうな勢いがあるのが今の日本女子。今週も多くの日本選手がトップ10に入るところを見せてほしい。

【写真】西村優菜は89→19位にジャンプアップ! 米国女子ポイントランキング 日本勢の順位

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6位 古江彩佳(420.833) 兵庫県出身 写真:Getty Images
13位 畑岡奈紗(290.464) 茨城県出身 写真:Getty Images
19位 西村優菜(173.725) 大阪府出身 写真:Getty Images
27位 稲見萌寧(135.000) 東京都出身 写真:Getty Images
35位 笹生優花(100.000) 東京都出身 写真:Getty Images
76位 西郷真央(22.000) 千葉県出身 写真:Getty Images
最終日に猛追、「HSBC世界選手権」3位タイに入った西村優菜 写真:Getty Images

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