- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ツアー
- 米女子ツアー挑戦2年目で急成長!? 西村優菜が圧倒的な数字でトップに君臨する「ある部門」とは?
笹生優花2度目のメジャー優勝や渋野日向子の復活、古江彩佳の安定した活躍など、前半から日本選手が大活躍だった24年米女子ゴルフツアー。そんな中、参戦2年目の西村優菜も昨年以上の成績を残し、ある部門では「歴代最高」も狙えるような数字でトップに立っている。
サンドセーブ率で圧倒的トップに立っている西村優菜
米女子ツアーはダブルス戦の「ダウ選手権」で17試合が終了。今季予定されている33試合の折り返しを迎えた。
今季好調の日本勢を象徴するように前半戦終了時の各部門別データでは上位に日本人選手の名前が目立つ。最高の栄誉であるプレーヤー・オブ・ザ・イヤーポイントでは笹生優花が3位、古江彩佳が6位につけ、賞金ランキングでは笹生が2位、渋野日向子が4位、古江が8位とトップ10に3人が名を連ねている。
古江はトップ10回数とバーディ数では1位に立っており、平均ストロークは2位、CMEポイントランキングとフェアウェイキープ率では3位など、多くの部門で上位に顔を出し、現在の充実ぶりがうかがえる。
そんな中で注目したい部門がサンドセーブ率だ。サンドセーブ率とはグリーンサイドのバンカーから2打以内でホールアウトする確率のこと。分かりやすく表現すればバンカーショットを寄せてワンパットで入れるということ(2打以内なら内容は問わない)で、バンカーショットとパッティングのうまさが表れる部門である。
このサンドセーブ率で現在トップに立っているのが西村優菜だ。グリーンサイドのバンカーから45回プレーして2打以内でホールアウトしたのが33回。サンドセーブ率は73.33%だ。同部門の2位はアディティ・アショク(インド)の60.32%だから、圧倒的な1位である。
これだけでも73.33%はすごい数字だと分かるが、もっとその価値の高さを示すデータがある。
米女子ツアーでサンドセーブ率のデータが残る1992年以降の歴代1位は2020年にチェ・ナヨン(韓国)がマークした71.43%。西村はこの記録を更新する勢いなのだ。
チェの記録についてひとつ言及しておくと、この年は新型コロナウイルスの世界的感染拡大の影響でトーナメントが18試合しか開催できず、なおかつチェは6試合にしか出場していない。バンカーショットに臨んだのは14回と非常に少なく、うち10回でサンドセーブという状況だった。
フルシーズンでの最高記録は2017年にレクシー・トンプソン(米国)が出した70.00%で、70%を超えているのはこの2例だけだ。
日本女子ツアーの最高記録は上田桃子の60%
他のツアーと比較しても西村の数字は際立っている。日本の女子ツアーでサンドセーブ率が計測され始めたのは2017年からと歴史は浅いが、歴代1位は計測初年度の2017年に上田桃子が記録した60.00%でしかない。
実は上田は2011年に米女子ツアーでサンドセーブ率1位に輝いており、その時の数字は68.00%だった。これが米女子ツアーにおける日本人選手の歴代最高記録でもある。
日本男子ツアーの歴代最高は2023年、片山晋呉が出した69.091%。米男子ツアーは1998年キース・ファーガス(米国)の71.01%で、いずれも現時点では西村が上回っている。
古いゴルフファンなら青木功が米ツアーで1982、83年と2年連続でサンドセーブ王になったことを覚えているのではないだろうか。その時の数字は60.19%と62.31%だった。
西村がショートゲームに定評があるのはよく知られており、国内でも度々見事なバンカーショットでギャラリーを沸かせてきた。2022年の「ニッポンハムレディス」最終日最終ホールでグリーン右サイドのバンカーから60センチに寄せて1打差で優勝を決めたシーンは強く印象に残っている。
ただ、数字的には国内のサンドセーブ率は13位が最高で、米女子ツアー1年目の昨年は49.47%で33位とそれほど目立っていたわけではなかった。
それが今季は本来の技術の高さが見事に数字に直結している。2年目を迎えて米国の砂を含めさまざまな環境に慣れてきたのが一因かもしれない。実際、他の部門でも昨年の同時期と比較するとCMEポイントランキングが80位から48位、平均ストロークが66位から14位など大幅に良化している。
次週の「エビアン選手権」から始まる後半戦、シーズン終了時まで現在のサンドセーブ率を維持するのは簡単ではないが、可能性はある。記録を塗り替えることができれば、世界一のバンカーの名手といっても差し支えないだろう。
最新の記事
pick up
ranking