- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ツアー
- 米女子ツアーの歴史でも上位に入る爆発力! 西郷真央が3日目に記録した「一日で11アンダー」のスゴさとは?
米女子ツアー「CPKC女子オープン」で西郷真央は首位と2打差の2位に入り、自身の最上位フィニッシュを更新した。特筆すべきは大会3日目に記録した「61の11アンダー」という素晴らしいスコア。このスコアは日本選手に限らず、ツアー全体で見てもスゴイ記録だった。
米女子ツアーで初めて11アンダーを記録した日本選手
米女子ツアー「CPKC女子オープン」で参戦1年目の西郷真央が日本人選手新記録のスコアをマークした。3日目にマークした11アンダーがそれだ。一時首位に並んだ最終日の優勝争いでは惜しくも2打及ばずの2位だったが、初優勝への視野が大きく開けた1週間になった。
鮮やかすぎる快進撃だった。予選の2日間を終えて通算3オーバーの46位タイ。何とか決勝ラウンドに進んだ西郷が3日目に1イーグル、9バーディー、ボギーなしの11アンダー、61を叩き出した。先週「課題は爆発力」と書いたが、それをものの見事に覆すプレーだった。

記録面でもこれは歴史的なスコアである。多くのゴルフメディアは「日米通じての自己ベスト」と書くにとどまっていたが、そんな表現では全く足りないくらいの快挙なのだ。
まず、61は今年で50回の節目を迎えた歴史ある大会の新記録。従来の62を1打更新した。
また、61は米女子ツアーにおける日本人選手の18ホール最少ストロークに並ぶもの。過去に61を記録したのは藤井かすみ(2001年武富士クラシック2R)、横峯さくら(2018年ショップライトLPGAクラシック3R)、畑岡奈紗(2021年マラソンLPGAクラシック1R)の3人だけだった。
そして、1ラウンドで11アンダーが今回の最注目ポイントである。これまで61を出した3人のそれぞれの大会のパーは藤井が70で横峯と畑岡は71だったから藤井は9アンダーで横峯と畑岡は10アンダーとなる。
パー72で62、すなわち10アンダーを出したことがある選手は宮里美香、笹生優花、古江彩佳の3人。つまり、日本人選手の1ラウンドアンダーパー数は10アンダーがこれまでの記録で、西郷は初めて米女子ツアーで11アンダーを出した日本人選手になったのである。
最優秀新人争いでは頭一つ抜けた西郷
1ラウンド11アンダーは米女子ツアー全体の記録としても特筆すべきもの。歴代1位はアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)が2001年に米女子ツアー唯一の59を記録した時の13アンダー、歴代2位はレキシー・トンプソン(米国)の12アンダーで、西郷の11アンダーは歴代3位に並ぶものなのだ。
11アンダーは西郷が13人目。過去の達成者にはソレンスタムやカリー・ウェブ(オーストラリア)といったレジェンドからポーラ・クリーマー(米国)、ブリタニー・リンシカム(米国)、アナ・ノードクイスト(スウェーデン)らのメジャー優勝者が並ぶ。米女子ツアーの歴史を彩ってきた豪華な顔ぶれの中に西郷も名を連ねたのである。

爆発的なスコアを出した翌日は、実力のある選手であっても難しいラウンドになる。今年3月の「フォード選手権」2日目に11アンダー、61をマークしたハナ・グリーン(オーストラリア)は翌日75と大きく崩れた。今季2勝と好調で、過去にはメジャー優勝経験もあるグリーンですら自分のプレーを見失ったのである。
西郷は通算8アンダー、5打差3位タイで迎えた最終日も踏ん張った。4ホールあるパー5のうち3ホールで2オンしてバーディーを奪うなど持ち前のショット力を発揮し、一時は通算12アンダーまで伸ばして、17番を迎えた時点で最終組のローレン・コフリン(米国)、ユ・ヘラン(韓国)と首位に並んでいた。
17番のボギーで一歩後退し、最終的には優勝したコフリンから2打差の2位に終わったが米女子ツアーメンバーになってから初めての優勝争いで、しかも大爆発した前日の影響を感じさせない見事なゴルフをしたことは高く評価できる。
この2位でトップに立っていたルーキー・オブ・ザ・イヤー争いは80ポイントを加えて通算513ポイント。2位との差を95ポイントに広げて小林浩美に次ぐ日本人選手2人目の快挙に向けて一歩進んだ。
そして、何より米初優勝への手応えを得たことが大きいのではないだろうか。西郷は今週の「ポートランドクラシック」にもエントリーしている。同大会は「パリオリンピック」を控えていることもあってか、ランキング上位陣の欠場が目立つ。いい流れに乗っている今、大きなチャンスといえそうだ。
西郷 真央(さいごう・まお)
2001年生まれ、千葉県出身。ルーキーイヤーの20-21シーズンはシーズン21回のトップ10入りと未勝利ながら賞金ランキング4位でシーズンを終えた。2022年は開幕戦でのツアー初優勝を含め5勝、メルセデス・ランキング2位の成績を残す。その後は低迷が続いたが、23年「伊藤園レディス」で復活優勝。ツアー通算6勝。島津製作所所属。
- 1
- 2
最新の記事
pick up
ranking