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- 国内男子ツアーの賞金王争いが混戦だった証明!? 賞金王の年間獲得賞金額は過去20年間で最も低かった
賞金ランキング上位6人に賞金王のチャンスがあった今年の国内男子ツアー。最終戦を前に賞金ランキング2位につけていた金谷拓実が、「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で単独3位となり、1位だった平田憲聖を逆転。自身初の賞金王に輝いた。金谷の年間獲得賞金額1億1955万1222円は、賞金王としては過去20年間で最も低い数字だったが、それだけ賞金王争いが激しかったことを証明した。
賞金王の重さを感じた金谷
◆国内男子プロゴルフ 最終戦
ゴルフ日本シリーズJTカップ 11月28~12月1日 東京よみうりカントリークラブ(東京都) 7002ヤード・パー70
最終戦を前にして賞金ランキング1位の平田憲聖と6位の石川遼との差は2648万369円。ここまでが「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の結果次第で逆転賞金王のチャンスがあった。これほどの混戦はツアー史上初の珍事だったが、現実的に考えれば、平田とランキング2位にいた金谷拓実との一騎打ちとなることは十分予想された。2人の差はわずか288万9657円。金谷が平田の成績を上回り、なおかつ2人までの3位タイ以内なら逆転。それ以下の成績なら平田が逃げ切る状況だ。
3日目を終えて金谷は単独4位、平田は13位タイ。ともに緊張の最終日を迎えた。スタートから果敢に攻めた平田だったが、この日は4バーディ、4ボギーのイーブンパーとし、17位タイでフィニッシュ。あとは金谷が何位で終えるかだったが、「67」をマークし、通算9アンダーの単独3位でホールアウト。年間獲得賞金額が1億1955万1222円となり、平田を逆転。見事賞金王のタイトルを獲得した。
「昨年、中島啓太選手と賞金王を最後まで争ったことが生きたと思います」と笑顔を見せた金谷。19年にアマチュアとして三井住友VISA太平洋マスターズで優勝。プロに転向した20‐21年シーズンは2勝を挙げて賞金ランキング2位に。「ルーキーのときはもっと簡単に…。簡単といういい方は変ですけど、賞金王は通過点という気持がすごくありました」と振り返る。しかし、そう簡単に賞金王のタイトルを獲得できず、むしろ昨年からその重みを感じるようになっていた。だからこそ、最終日の18ホールは過去一番長く感じられたという。
「余計なことは考えず、目の前の一打に集中していました」。最終18番パー3をボギーとしたにもかかわらず、ホールアウト直後に心の底から安どの表情を浮かべていたのは、結果はどうあれ、ベストを尽くしたからだろう。苦しみ抜いたうえで大きなタイトルを獲得した金谷。だからこそ、どこかひと皮むけたようにも感じられたし、今後はさらなる成長も期待できるはずだ。
シーズン4勝を挙げた平田は2位
圧倒的な強さを見せた選手がいなかった分、上位陣に賞金が分散された形となった今年の国内男子ツアー。金谷の年間獲得賞金額は、賞金王としては05年からの過去20年間で最低額となった。また、倉本昌弘、田中秀道、谷原秀人ら日本タイトルを獲得した選手を数多く輩出している広島県だが、賞金王となったのは金谷が初となる。さらに、東北福祉大出身としては、松山英樹、池田勇太、宮里優作、比嘉一貴に続く5人目の賞金王となった。
一方、惜しくもビッグタイトル獲得のチャンスを逃した平田だが、最多となるシーズン4勝を挙げ、ツアーを盛り上げたことは間違いない。「もちろん悔しいですが、最終的には自分と金谷さんの差は大きくあると感じています」と、足りない点はこのオフに補うつもりだ。まだ米ツアーQスクールのファイナルステージが残っているが、そこで上位に入り、来季は世界を舞台にした活躍を狙う。
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