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- 昨年19アンダーだったパナソニックオープンは難易度アップ!? 担当プロに聞いた「技術を高める理想のセッティング」とは?
同じトーナメントでも、その年によって優勝スコアが大きく変わることは珍しくない。天候などの影響も大きいが、コースセッティングをどのようにして行うかによっても変わってくる。トーナメントごとにコースセッティング担当は存在するが、かなり頭を悩ませているのも事実だ。そこで、パナソニックオープンレディースのコースセッティングを担当していた中野晶プロに話を聞いてみた。
4ホールで昨年よりヤーデージを伸ばした
◆国内女子プロゴルフ 第7戦
パナソニックオープンレディース 5月2~4日 浜野ゴルフクラブ(千葉県) 6751ヤード・パー72
昨年のパナソニックオープンレディースの優勝スコアは大会新記録となる通算19アンダーだった。難コース・浜野ゴルフクラブが舞台だけに、その数字に驚いた人もいるだろう。しかも、総ヤーデージ数は6669ヤードあり、女子のトーナメントとしては十分ほど距離があったにもかかわらずだ。
そのことについて、コースセッティングを担当した中野晶プロは次のように語る。「一つに、選手の飛距離が想像以上に伸びていたことがあります」
そのぶん、第2打で持つクラブが短くなり、ピンをデッドに狙いやすくなった。それだけ、ツアー全体のレベルが高くなっていたわけだ。

そこで今年は、昨年の難易度ランキングで下位だった9番パー5を480ヤードから516ヤードに、15番パー5を545ヤードから559ヤードに、16番パー4を385ヤードから402ヤードに、17番パー5を515ヤードから530ヤードに伸ばし、総ヤーデージ数を6751ヤードとした。
「1クラブでも2クラブでも長いクラブを持ってくれることで、難易度を変えられるのかなと考えました」(中野プロ)
結果、飛ばし屋ではない限りパー5では2オンが難しくなったが、たとえ飛ばし屋でもわざわざリスクを冒してまで2オンを狙う選手は少なかった。というのも、グリーンのスピードが昨年より速くなったこともあり、止まりにくいからだ。
初日は強風と雨のため、さらに厳しい条件となったが、そう簡単にスコアを伸ばせない状況になったのは間違いない。「選手の技術が上がっていくので、コースセッティングもそれに対応していかないと、スコアだけがどんどんよくなってしまいますからね」(中野プロ)
ハイスコアでの争いがいいのか、もしくはロースコアでの争いがいいのかは人によって異なるが、最終的にはコースセッティングによって、選手の技量が上がっていくことが望ましいという。
もちろん、そう簡単にコースセッティングが決まるわけではない。たとえば、一つのホールをピックアップしても、ティーイングエリアがあり、フェアウェイ、ラフがあり、そこにファーストカットを作るのか。グリーン上にカラーをつくるのか、グリーン周りのラフをどうするのか。
さらにグリーンの硬さ、スピード、ピン位置など総合的なバランスを計算してセッティングしなければいけない。しかも、それを18ホールトータル、3日間あるいは4日間、ひいてはシーズンを通して考える必要があるのだから大変だ。
「こちらの予想を裏切られることもありますが、選手にとって引き出しを増やし、技術を上げるためのお手伝いできればなと考えています」(中野プロ)
実際、ここ数年のJLPGAツアーのコースセッティングはかなり厳しくなっていることは確かだ。それが、海外メジャーで日本選手が優勝する機会が増えたことにもつながっている可能性は高い。「海外メジャーのシェブロン選手権で西郷真央選手が優勝したというニュースを聞くと、本当にこの仕事をやっていてよかったなと思います」
現在、JLPGAツアーにはコースセッティング担当が7人いるが、みな、中野プロと同じ考えなのではないだろうか。
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