- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ツアー
- 石川遼も敗れたプレーオフは“先に上がった方”が不利なの!? 過去データの検証で分かった勝敗の傾向と石川遼のスゴさとは?
男子ツアーの「ANAオープン」は石川遼がプレーオフの末に金谷拓実に敗れ、通算21勝目を逃した。石川にとって今回が11回目のプレーオフで、その数は歴代4位となった。
プレーオフ回数でAONに肉薄した石川遼
男子ツアーの「ANAオープン」は石川遼がプレーオフの末に金谷拓実に敗れ、通算21勝目を逃した。石川にとって今回が11回目のプレーオフ。その数は歴代4位に並ぶもので、上にいるのはAONだけ。超一流の証明でもある。
歴代賞金王同士の見応えあるプレーオフは2ホール目で金谷に軍配が上がった。3打差3位タイ、最終組の1組前から追い上げてプレーオフに持ち込んだ石川だったが今季初勝利はお預けとなった。

石川は今回が通算11回目のプレーオフだった。成績は5勝6敗である。
ツアー制度が施行された1973年以降、最も多くプレーオフを戦ったのは尾崎将司で20回だ。成績は12勝8敗。2003年の「アコムインターナショナル」では56歳にしてプレーオフに進んでいる。
歴代2番目は青木功と中嶋常幸の13回。成績は青木が4勝9敗、中嶋は7勝6敗だ。
石川の11回は台湾出身の謝敏男と共に歴代4位の記録である。上位3人は長くゴルフ界を引っ張って来たAONだから、数多くプレーオフに進むのは相当の実力が伴わないとできないことだと分かる。謝も日本で通算15勝(ツアー制度施行前も含む)の実績を誇るアジアを代表する選手だ。
ちなみにプレーオフ10回は杉原輝雄、倉本昌弘、グラハム・マーシュ(オーストラリア)という面々。この3人も歴史に残るビッグネームである。
石川がこれまで打ち立ててきた記録といえば17歳の最年少優勝、18歳の最年少賞金王など「最年少」や「最速」にまつわるものばかりだった。それが、「数」の記録でも上位に顔を出すようになったのである。年月の流れを感じると共に、長くトップクラスであり続けている事実も示している。
その一方で今回も「最年少」の記録を一つ作っている。
石川は「ANAオープン」開幕前日に34歳の誕生日を迎えていた。プレーオフ回数上位者が11回目に達した時の年齢は尾崎が45歳、青木と謝は44歳、中嶋が39歳だった。石川の34歳はAONをはるかに凌駕する圧倒的な最年少記録なのだ。
プレーオフは37勝24敗で「後ろの組」が優勢
今回のプレーオフ、実は石川は戦う前から分が悪かった。そんなデータが存在する。
2人のプレーオフでそれぞれが最終ラウンドを異なる組でプレーしていたケースでは後ろの組だった選手が有利という傾向がある。言葉を変えれば、先にホールアウトして待っていた選手は不利なのだ。ここ30年(1996年以降)のデータでは後ろの組の選手が37勝24敗(「ANAオープン」前まで)と大きく勝ち越していた。「ANAオープン」では石川が最終組の1組前で、金谷は最終組。結果はデータ通りになった。
石川個人に焦点を絞るとさらにこの傾向が強くなる。2人のプレーオフで相手が異なる組だったケースは今回が6回目で、石川が先にホールアウトしていたケースは4回目。大槻智春の劇的なイーグルで敗れた3年前の「ANAオープン」を含め過去3戦全敗で今回も敗れたわけだ。逆に相手が待っていた場合は2戦2勝。見事なまでにツアー全体の傾向と一致している。
今年の石川は開幕戦「東建ホームメイカップ」で初日首位タイ発進しながら20位タイに終わるなど結果を出せていなかった。初トップ10が2戦前の「ロピアフジサンケイクラシック」(10位タイ)。そして「ANAオープン」はプレーオフで敗れたとはいえシーズンベストの2位を記録してようやく本来の力を発揮しはじめた。
賞金ランキングは26位に浮上し、17季連続の賞金シード獲得は確実になった。これは、継続中の選手では最長である。
やはり石川が活躍すればトーナメントは盛り上がる。秋を迎えクライマックスへと入っていくシーズン、復調気配の石川がどんなプレーをしてくれるのか楽しみになってきた。
- 1
- 2
最新の記事
pick up
ranking