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35歳までにあと8勝―― 鈴木愛が自らに課した「期限」 苦悩のシーズンを越えて見据える“永久シード”
プレーオフにもつれる激闘となったシーズン最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」は、鈴木愛(すずき・あい)が9年ぶりとなるメジャー3勝目を飾った。これでツアー通算22勝目。目標に掲げる“永久シード”まで、残り8勝となった。
最大の目標は「35歳までに30勝して永久シードを取る」
◆国内女子プロゴルフ 最終戦
JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ 11月27~30日 宮崎カントリークラブ(宮崎県) 6543ヤード・パー72
プレーオフにもつれるシーズン最終戦の激闘を制し、試合後の優勝会見で鈴木愛の口からこぼれたのは、歓喜というよりも安堵、あるいは“解放”に近い言葉だった。「この1年、本当に長く感じていて、やっと終わったという気持ちが一番です」。
シーズン終盤、鈴木は苦しんでいた。「この2~3カ月、本当にゴルフをするのがツラかった」と吐露するほど、心身ともに限界に近かった。以前の鈴木なら、試合中のリーダーボードを見つめ、闘志をむき出しにしていただろう。
だが今大会、あえてボードを見ないことを選んだ。「見ると『バーディーが欲しい』『追いつかなきゃ』という“いらない感情”が出てくる」。湧き上がる欲望や焦りを「邪念」と断じ、優勝することよりも「とにかくこの4日間をやり切る」ことだけに集中した。

友人たちから届く「優勝いけるよ!」という激励のLINEにも、あえて返信をしなかった。「集中したいし、いろんなことを考えて邪念が入りそうだったから」と、ただ目の前の一打に無心で向き合った先に待望の勝利が待っていた。
若手の台頭が著しい女子ゴルフ界。「若い時は勢いだけで行けたし、怖いもの知らずだった」と鈴木は振り返る。しかし、キャリアを重ねることは成功体験だけでなく、失敗の記憶をも積み重ねることを意味する。
今年31歳になり、若手のようなイケイケのゴルフはもうできないと悟った。それでも「自分は周りを見ながら、落ち着いた大人のゴルフをする」と、自身の変化を受け入れた。衰えを嘆くのではなく、経験を武器に変える覚悟が決まった瞬間だった。
9月末の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」から5戦連続予選落ちを喫するなど、苦しいシーズン終盤を乗り越えた鈴木だが、会見の中では力強い未来図を語った。
「35歳までに30勝して永久シードを取る。それが今の自分の中での最大の目標です」
今大会を制したことで、現在の勝利数は「22」まで積み上がった。残り4年で8勝という高いハードルだが、「1年間に2勝ずつの計算。ギリギリのペースだけど、期限を決めないと今の自分には難しい」と言う。
苦悩の果てに手にした“大人の強さ”。30代に突入した鈴木の逆襲は、ここから静かに、だが確実に加速していく。
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