休養中は男女ツアーをテレビ視聴 勉強に励んだという西郷
強い西郷真央が帰ってきた。初日は首位と4打差の9位タイと出遅れたが、この日はしっかりとスコアを4つ伸ばし、首位と2打差の単独2位に浮上。今季4勝目をしっかりと射程圏内に入れてきた。

強風が吹き荒れたこの日、どの選手も風向きと強さの判断に迷う姿が見受けられたが、西郷も例外ではなかった。
「旗の揺れ方とグリーン奥にある木の揺れ方が真逆なので判断に悩みましたね」
しかし、そんな状況でも無理をしないのが西郷流だ。ピンをデッドに狙うのではなく、たとえグリーンを外してもアプローチしやすいサイドを狙っていく。パーセーブすることを第一に考えたことで、大きなミスを避けた。
ただ、逃げているばかりではない。3番パー4では60センチに、8番パー5では80センチにつけた。後半に入っても12番パー5で80センチに。それらをしっかりと沈めてバーディーを奪った。
「パットが入らない中、ショットで1メートル以内につけることができたので、風の中でもスコアを伸ばせました」と、守るところは守り、攻めるところは攻めるというメリハリをつけたことがこの日の好スコアにつながった。
また、首痛で休んでいた2週間は下半身のトレーニングも控えていたので、いつもどおりのショットを打てるかどうかに不安もあった。無事に18ホールを乗り切ったことで、2日目は安心してクラブを振れるようになったことも大きい、
そんな西郷だが、2週間の休みをただぼんやりと過ごしていたわけではなかったという。
「テレビで男子ツアーも女子ツアーも観戦していました。見ることでも学ぶべきポイントが多かったので、勉強になりました」と語る。
詳しいことは語らなかったが、あえて挙げるなら、前週の「フジサンケイレディスクラシック」で優勝した高橋彩華の攻め方だと言う。
「最終18番ホールで、難しい状況の中でも積極的にグリーンをとらえるのはすごいなと思いました」と、改めてゴルフの面白さを感じたという。
最終日は最終組でのプレーとなるが、特に気負いはない。「地元・千葉県での優勝を意識することなく、あくまでも自分のプレーに徹して、最終的にいい結果で終われるといいですね」と笑顔を見せた。
ここまで6戦して優勝確率は5割の西郷。当然、狙いは優勝だけだ。
西郷 真央(さいごう・まお)
2001年10月8日生まれ、千葉県出身。2019年、高校在学中にプロテスト合格。2020-21年シーズンはトップ10フィニッシュが21回と安定した成績を残した。2022年シーズンは開幕戦で初優勝を挙げると、4戦目となるアクサレディス、5戦目のヤマハレディースと連勝、早くも3勝目を挙げた。島津製作所所属。