フォローとアゲンストをうまく打ち分けた
昨年の同大会では1打及ばず、プレーオフに進出できなかったが、通算4アンダーの3位タイに入り、ベストアマを獲得した岩井明愛(あきえ)。プロとして出場した今年は通算5アンダーとスコア的には1打上回ったものの、順位は7位タイ。最終18番パー5で5メートルのバーディパットを沈めることができなかったこともあり、ホールアウト後は悔しい表情を浮かべていた。

それでもプロとして初のトップテン入りを果たしたことに関しては、素直に「うれしいです!」と笑顔を見せる。
最終日は風が強い中でのラウンドだったが、フォローではティーショットを風に乗せて飛距離を稼ぎ、アゲンストでは低い球を打って風の影響を極力抑えた。「いつもは風に強い低い球を打とうとして、右にフケることが多いんですけど、今日はそうならないように気をつけていました」と、慎重なプレーも功を奏した。
開催コースの浜野GCは昨年大会だけでなく、ジュニアの大会も開催しているため、他のトーナメントよりも回りやすいイメージはあるという。「コースが広い分ドライバーをしっかり振れるので、ティーショットがうまくいけば……」と、ティーショットが好スコアを出すカギを握ると考えていた。実際、最終日はフェアウェイを外したホールが2つしかなかったことが、スコアを崩さなかった要因だろう。
昨年のファイナルQTでは70位だったため、今季は8試合の推薦出場に頼るしかない。今回が4試合目の出場だったので、残りは4試合となっただけに、今回の7位は大きい。暫定リランキングも21位にまで浮上。まずは第1回目のリランキングが行われる「ニッポンハムレディスクラシック」(7月7~10日)終了時までに1つでも順位を上げておくのが目標だ。
今季は緊張感もあり、序盤戦は思うように自分の実力を出せずにいたそうだが、徐々にツアーの雰囲気にも慣れてきた。「プレーに粘りが出てきたところなど、少しは成長しているかなと思います」と岩井。
現在、メルセデス・ランキング1位を突っ走る西郷真央は岩井の1学年上の世代だが、20歳前後の選手は時として想像をはるかに超える成長を見せるときがある。岩井にしても、1年後に相当な成長ぶりを見せる可能性は十分にある。そのためにもまずは後半戦の出場権を獲得し、最終的には来季のシード権獲得を目指す。
岩井 明愛(いわい・あきえ)
2002年7月5日生まれ、埼玉県出身。双子の妹・千怜(ちさと)とともに、高校ゴルフの名門・埼玉栄高のダブルエースとして活躍。同校を8年ぶりの全国高等学校ゴルフ選手権・団体戦優勝に導くなどした。2021年にプロテスト合格し、同年のステップ・アップ・ツアー「山陽新聞レディースカップ」で優勝している。Honda所属。