「リランキングもあるので優勝したい」
セキ・ユウティンのハイライトは、宮里藍サントリーレディスのインスタート11番パー3(159ヤード)。8番アイアンを振り切るとピン手前5ヤードからキャリーしてカップインした。
「レギュラーツアーでは初めて」というホールインワンに興奮しつつも、その後のプレーも落ち着いていた。17番パー5でバーディーのあと、後半6番パー3、7番パー4もバーディーとして67で回り、通算7アンダーの2位タイに浮上した。

スコアがまとまった要因を聞いて納得だ。
「今季は筋力トレーニングの効果と中国の生体力学の先生にスイングを見てもらったことで、ドライバーの飛距離が30ヤードも伸びました。去年は220ヤードでしたが、今年は250~260ヤードくらいです」
勝みなみのトレーナーを紹介してもらい、今年のオフから始めたというトレーニングで確実に筋力がついた。
「(背中、お尻、太モモを鍛える)デッドリフトは当初40キロしか上げられなかったのが、今では120キロを上げるまでになりました。スクワットの重量も50キロだったのが、今では90キロを持ち上げます(笑)」
がっしりした体格を見れば一目瞭然。さらにそこから、鍛えた力をクラブからボールにしっかりと伝えるスイング法を中国の生体力学の先生から学んだという。
「私は股関節が固いほうなので、体の使い方がしっかりしていないと飛ばないんです。フィニッシュのときも、ベタ足ではなく、体をしっかりと回して左足のヒールアップをしているのも今年からです」
筋力と体の使い方で飛距離が伸びた結果、「グリーンの狙いも変わりました」と話す。また、「腕が固まる感じで半年くらい悩んでいた」というパターイップスも克服したことも好調の要因という。
今季はQTランキング42位でレギュラーツアーフル参戦とはいかないため、ようやく訪れたチャンスをものにしたい気持ちが強い。
「本当に優勝したいです。リランキング(出場優先順位)も今はギリギリなので、しっかりキャディの妹と相談しながらコースマネジメントしてスコアを伸ばしたい」
今大会はピンポジションの難しさに悩まされる選手が多いなか、セキは飛距離と緻密なマネジメントで明日からの決勝ラウンドに挑む。
セキ・ユウティン
1998年3月5日生まれ、福井県出身の中国人プロゴルファー。2016年に中国の女子ツアーで賞金女王に輝き、翌年から日本ツアーに参戦。2019年のステップ・アップ・ツアー「日医工女子オープン」で、日本初優勝を飾る。妹のセキ・ユウリもプロゴルファーとして活躍。ミツウロコグループホールディングス所属。