不動裕理でさえ未達成の「グランドスラム」 挑戦の歴史と今後達成しそうな選手は? | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

不動裕理でさえ未達成の「グランドスラム」 挑戦の歴史と今後達成しそうな選手は?

勝みなみの2年連続優勝で幕を閉じた日本女子オープン。最後まで勝と優勝を争っていたのが、女子ゴルフツアー初の「グランドスラム」を狙っていた申ジエだった。長い日本女子ツアーの歴史で、未だに達成者がゼロという「グランドスラム」、その歴史を振り返りました。

申ジエが勝っていれば初の「グランドスラマー」だった

 勝みなみの2年連続優勝で幕を閉じた日本女子オープン。1打差2位に終わった申ジエには女子ツアー史上初の公式競技(メジャー)4冠がかかっていた。他のツアーではメジャーをすべて制するグランドスラムを達成した選手が何人も出ているが、日本の女子ツアーはなぜか皆無。その背景を探ってみた。

 女子ツアーのメジャーは日本女子オープン、日本女子プロ、ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ、JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップの4大会である。この中で最後にメジャーとなったのがワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ。大会の創設自体は1973年と古いが、メジャーに昇格したのは2008年のことだ。

日本女子OP、最終日を首位で迎えながら勝みなみに敗れた申ジエ。日本女子ツアー初のグランドスラマーには手が届かなかった 写真:Getty Images
日本女子OP、最終日を首位で迎えながら勝みなみに敗れた申ジエ。日本女子ツアー初のグランドスラマーには手が届かなかった 写真:Getty Images

 それまでの女子ツアーはメジャー3大会制。ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップがメジャーとなる前に大迫たつ子、森口祐子、ト阿玉、塩谷育代、肥後かおり、不動裕理の6人が3冠を達成していた。

 グランドスラムには「4大会」というしばりがあるわけではない。広辞苑には「ゴルフ・テニスなどで、主要試合の完全制覇」と記されている。つまり、2007年時点では女子ツアーにグランドスラム達成者が6人いたわけだ。

 ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップがメジャーとなり、グランドスラムへの新たな挑戦が始まった。以降、福嶋晃子、諸見里しのぶ、テレサ・ルー、申ジエが3冠を達成。グランドスラムに王手をかけた。誰が最初に4冠のグランドスラムを達成するのか、チャンスを迎える度に期待が高まっていた。

 最初に4冠のチャンスを得たのは福嶋だった。2009年の日本女子オープンは首位と4打差ながら2位で最終日最終組をプレーした。だが、74と苦戦して6位に終わっている。

 同じ2009年の最終戦、JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップでグランドスラムに挑んだのが諸見里だ。4打差の3位で迎えた最終日に追い上げたが1打及ばずの2位。優勝した横峯さくらには逆転で賞金女王もさらわれ、つらい1日となった。

 そして今回の申である。2018年の日本女子プロで3冠目を手にし、残るは日本女子オープンとなってから今年で5回目の挑戦だった。優勝争いに加わったのは2018年以降では初めて。しかも単独首位で最終日を迎えていたから、余計に惜しまれる。

男子ツアーの「日本タイトル4冠」達成者は6人いる

 ここで、他ツアーのグランドスラム達成者を記しておこう。国内男子ツアーは公式にはメジャー大会を設定していないが、一般的に日本オープン、日本プロ、日本シリーズ、日本ゴルフツアー選手権という「日本」と名のつく4大会を制すればグランドスラムとされている。

 日本ゴルフツアー選手権は2000年に創設された大会。2003年まで開催されていた日本プロマッチプレーもグランドスラム対象だった。「日本タイトル4冠」達成者は村上隆、尾崎将司、青木功、中嶋常幸、尾崎直道、片山晋呉の6人である。

 米男子ツアー、いわば世界の男子メジャーはマスターズ、全米プロ、全米オープン、全英オープンの4大会。グランドスラマーはジーン・サラゼン、ベン・ホーガン、ゲーリー・プレーヤー、ジャック・ニクラウス、タイガー・ウッズの5人だ。

米女子ツアーの5つのメジャーすべてを制覇する「スーパーグランドスラム」を唯一達成しているカリー・ウェブ 写真:Getty Images
米女子ツアーの5つのメジャーすべてを制覇する「スーパーグランドスラム」を唯一達成しているカリー・ウェブ 写真:Getty Images

 米女子ツアーは現在開催されていない大会が複数あるなど、移り変わりがあって複雑だが、現状はシェブロン選手権、全米女子オープン、全米女子プロ、エビアン選手権、全英女子オープンの5大会がメジャー。2013年にエビアン選手権がメジャーに昇格して5大会制となったため、4冠でグランドスラム、5冠はスーパーグランドスラムと定義している。

 4冠はルイーズ・サッグス、ミッキー・ライト、パット・ブラドリー、ジュリ・インクスター、アニカ・ソレンスタム、朴仁妃の6人。スーパーグランドスラマーはカリー・ウェブただ1人である。

 さて、国内女子ツアーは勢いのある若手が席巻しているが、まだキャリアが浅いためメジャータイトルをたくさん持っている選手はあまりいない。現在20代のツアーメンバーで3冠達成者はゼロ、2冠でも畑岡奈紗と原英莉花の2人だけだ。

 若手の中から誰かが抜け出して4冠をつかむのか、あるいは申が来年の日本女子オープンでリベンジするのか。グランドスラマー誕生の瞬間を待ちたい。

2020年以降は誰が勝った?日本女子ツアーのメジャー勝者を振り返る

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2022年ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップを制した山下美夢有 写真:Getty Images
2022年日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯を制した川崎春花 写真:Getty Images
2022年日本女子オープンを制した勝みなみ 写真:Getty Images
2021年ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップを制した西村優菜 写真:Getty Images
2021年日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯を制した稲見萌寧 写真:Getty Images
2021年日本女子オープンを制した勝みなみ 写真:Getty Images
2021年JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップを制した三ヶ島かな 写真:Getty Images
2020年日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯を制した永峰咲希 写真:Getty Images
2020年日本女子オープンを制した原英莉花 写真:Getty Images
2020年JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップを制した原英莉花 写真:Getty Images
日本女子OP、最終日を首位で迎えながら勝みなみに敗れた申ジエ。日本女子ツアー初のグランドスラマーには手が届かなかった 写真:Getty Images
米女子ツアーの5つのメジャーすべてを制覇する「スーパーグランドスラム」を唯一達成しているカリー・ウェブ 写真:Getty Images

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