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- 中断で明暗分かれた日本勢 笹生優花はメジャー2勝目に1打及ばずの2位 古江彩佳は8位タイ
今季のメジャー第2戦「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」最終日(現地時間24日)は途中、悪天候による約2時間の中断をはさんでの大激戦が繰り広げられ、笹生優花(さそう・ゆうか)が首位を猛追。最終的には1打及ばず、メジャー2勝目には手が届かなかった。
「今日は1週間の中で一番いいゴルフ」全米女子OPに期待がかかる笹生
◆米国女子プロゴルフ<KPMG全米女子プロゴルフ選手権 6月22~25日 バルタスロルGCローワーC(ニュージャージー州) 6831ヤード・パー72>
笹生優花が、メジャー2勝目まであと一歩に迫った。
今季のメジャー第2戦「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」最終日(現地時間24日)は途中、悪天候による約2時間の中断をはさんでの大激戦が繰り広げられた。

中断後、怒涛の猛チャージを見せたのが笹生だ。首位に5打ビハインドの通算2アンダー8位タイで最終日に臨み、前半は静かに1バーディーでプレー。9番を終えたところで中断を迎えた。
笹生はプレー中断中も集中力を切らさず、再開直後の10番でいきなりチップインバーディーを奪って波に乗る。12番では6メートル、13番ではタップインのバーディー。15番でも6.5メートルを沈めて通算7アンダーまでスコアを伸ばした。
首位に並び、2021年年全米女子オープンに続くメジャー2勝目が見えた。だが、ここで一旦勢いが止まってしまう。続く16番パー3のティーショットをバンカーに入れ、2メートルのパーパットを打ち切れずボギーとした。
上がり2ホールがパー5で、まだまだゲームが動くバルタスロルGC。笹生の前の組では、通算7アンダー首位タイにいたリン・シユー(中国)が左の池に入れてボギー。1打ビハインドだったローズ・チャン(米)もやはり池に捕まっている。チャンは、パーで上がったものの、いずれも積極的な攻めが裏目に出ている。
飛ばし屋の笹生には、最後までチャンスである半面、落とし穴もあるクライマックス。それでも、笹生は攻め続けた。17番のティーショットは左のラフにつかまって2オンが狙えず、3メートルが入らずのパー。18番ではフェアウェイからの2打目がグリーン左のバンカーにつかまるも、ここから絶妙な第3打で30センチにつけてバーディーを奪い、通算7アンダー。クラブハウスリーダーとして後続を待った。
最終組の1つ前、笹生の後ろの組でプレーしていたイン・ルオニン(中国)が、18番でバーディー奪取。通算8アンダーで抜け出し、メジャー初優勝を飾った。
優勝には1打及ばず、2位に終わった笹生。だが、予選落ちしていた仲のいい渋野日向子が応援する中、いいプレーができたことに表情は明るい。バルタスロルGCは、1980年全米オープンでジャック・ニクラス(米)と青木功が壮絶な死闘を演じたのを始め、メジャーの名勝負が何度も繰り広げられた舞台でもある。「こういうヒストリー(歴史)があるコースで1週間試合ができてよかった。今日は1週間の中で一番いいゴルフ。まあまあだと思います」と、いつもの冷静さは残しつつ、手応えを感じたことをうかがわせた。
優勝したインも、インタビューで笹生のプレーに刺激を受けたことを打ち明けている。「(前の組で)優花がバーディーを決めたのが見えました。だから自分も絶対に取らなくてはいけないと思っていました」と、意識してのバーディー決着だった。
全米女子オープン(7月6~9日、カリフォルニア州・ペブルビーチGL)に向け、「1週間休んで準備していきたい」と目を輝かせた笹生に大きな期待が集まる。
笹生とは逆に、中断に水を差されたのが古江彩佳だ。首位に7打ビハインドのイーブンパー18位タイで臨み、13番までに6つのバーディーを奪って上位を猛追。通算6アンダーで首位に1打差と、優勝争いに顔を出す。しかし、13番バーディーの後に中断すると、再開後は14、15番と連続ボギーで失速。17番でもう一つバーディーを奪ったものの、結局、通算5アンダー・8位タイどまりに終わった。ただ、粘り強さと落ち着いたプレーはメジャーの舞台でも健在だった。
他の日本勢は、5つのバーディーを奪いながらトリプルボギーもあってこの日イーブンパーの西村優菜が、通算3オーバー・39位タイ。畑岡奈紗は通算4オーバー・47位タイ。西郷真央、野村敏京、勝みなみ、渋野日向子は予選落ちしている。
笹生 優花(さそう・ゆうか)
2001年生まれ、フィリピン出身。アマ時代は「アジア大会」の女子個人戦で金メダル(16年)、「オーガスタ女子アマ」3位(19年)など活躍。19年にJLPGAのプロテストに合格し、20年にツアー初勝利。21年には「全米女子オープン」で畑岡奈紗とのプレーオフを制し、メジャー初制覇を達成。同年の東京五輪はフィリピン代表として出場したが、その後、日本国籍を選択した。日本ツアー通算2勝、米ツアー1勝。
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