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- USGAのルール解説動画が500万再生の大バズリ! 日本人もきっと見逃している“ラッキー救済”とは?
全米ゴルフ協会(USGA)がインスタグラムにシェアしたルール解説の動画(リール)が再生回数500万回を超える大反響となりました。内容はスプリンクラーヘッドにスタンスがかかる場合の救済です。そんなに難しい処置ではないように感じますが、何が「目からウロコ」で大バズリしたのでしょうか。
ルール上は「ラフ」も「フェアウェイ」も一緒の扱い
8月末、全米ゴルフ協会(USGA)がインスタグラムにシェアしたルール解説の動画(リール)が再生回数500万回を超える大反響となりました。動画のテーマは「動かせない障害物」からの救済で、ボールがたとえ深いラフにあったとしても、フェアウェイにドロップできるケースがあるという内容です。ルールをよく知るゴルファーには至極当たり前の処置ですが、「目からウロコ」状態の人も多かったようで、大きな話題となりました。
この動画が説明する救済の状況は、プレーヤーが深いラフのなかに止まったボールにアドレスすると、スタンスがフェアウェイの端にあるスプリンクラーヘッドにかかってしまうというもの。そこでプレーヤーは規則16.1に従い、まず「動かせない障害物」からの救済の基点となる「完全な救済のニヤレストポイント」を決めます。そして、そこからホールに近づかない、1クラブレングス内で、かつボールが元あった箇所と同じエリア=「ジェネラルエリア」内に「救済エリア」を設定します。
すると、その「救済エリア」の端がフェアウェイにまで伸びていたので、プレーヤーはそのエリア内のフェアウェイにドロップするというストーリーです。
釈然としませんか?
であれば、まず確認する必要があるのは、ルール上は「ジェネラルエリア」の「ラフ」と「フェアウェイ」は同じ扱いで、両者が区別されることはない、ということ。ルール上は「ラフ」も「フェアウェイ」も一緒なのです。
プレーヤーにとって有利もあれば、逆の場合もある、という理解
それでも「もともとラフにあったボールを無罰でフェアウェイにドロップするなんて、アンフェアでは?」と納得できないゴルファーのために、R&Aの『オフィシャルガイド』にある解説を引用しましょう(要約)。
〈(この救済により)プレーヤーがより良いライ、意図するスイング区域、あるいはプレーの線を享受する場合、それはプレーヤーにとって幸運である。
しかし、規則16.1では、救済を受けた後に同じ状況を維持することをプレーヤーに求めていない。
例えば、ラフにあるスプリンクラーヘッド(動かせない障害物)からの救済を受けるとき、プレーヤーの「完全な救済のニヤレストポイント」や「救済エリア」の場所がフェアウェイとなるかもしれない。その結果、プレーヤーが球をフェアウェイにドロップすることができるようになったとしても、そのことは認められる。
同じ状況で、「完全な救済のニヤレストポイント」や「救済エリア」が岩石の区域となる場合など、救済を受ける前と比べて、救済を受けた後にプレーヤーにとってその状況が有利ではなくなることもある〉
このように、規則16.1に示される救済は、もともとプレーヤーに対して、救済を受ける前と後で状況が変わらないことを求めてはいません。このケースのようにプレーヤーにとって有利になることもあれば、逆の場合もあり、プレーヤーはどちらの場合も享受しなければならないのです。
ジェネラルエリアからのOBや暫定球のプレーも「救済エリア」を活用
「救済エリア」を求め、そのエリア内でプレーヤーに有利になる箇所にドロップということでは、同様に「ジェネラルエリア」から打ったボールがOBのとき。あるいは、暫定球をプレーする必要があるとき、があります。
どちらの場合も、プレーヤーはそのストロークが行われた箇所を基点に、ホールに近づかない、1クラブレングス内で、かつ元の箇所と同じ「ジェネラルエリア」に「救済エリア」を設定。そのエリア内にドロップしなければなりません。
ところが、実際の現場では、プロゴルファーも含め、多くのゴルファーがそのストロークを行ったあたりにドロップしているようです。
もちろんこの場合も、基点から1クラブレングスの「救済エリア」であれば、ドロップ箇所は自由に選べます。
「救済エリア」に関するルールは、使いようではプレーヤーの有利にも不利にもなるということ。基礎から再確認しておけば、本来得られたはずの“ラッキー救済”を見逃さずに済むかもしれません。
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