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- 米下部ツアー開幕戦で珍事 ルーキーが“デビュー2打目”で失格となったルール違反とは?
1月14日に開幕した米下部コーンフェリーツアー。ここでデビューしたルーキーが、プロとしては信じられないようなルール違反を犯して、わずか1ホールも消化できずに失格になってしまいました。いったいどんなミスだったのでしょうか?
救済のドロップ直後に初球がセーフだったと分かる
バハマのサンダルズ・エメラルドベイGCで開催されたコーンフェリーツアー(米下部ツアー)の開幕戦「バハマ・グレートエグズーマクラシック」の初日(1月14日)、同ツアーのルーキーがプロのツアートーナメントでは珍しいルール違反で失格となる出来事がありました。
失格になったのは、今年、コーンフェリーツアーの条件付きシード権を得たジョン・ライラス。開幕戦のこの試合は、彼にとって記念すべきデビュー戦でした。
スタートホールの10番は、ティーからグリーンまでホールの右サイドに沿って水域(ペナルティーエリア)が広がる460ヤードのパー4です。ライラスはグリーンを狙う第2打をその水域に打ち込んでしまいます。そこで彼は規則どおり、ペナルティーエリアを決めて救済のドロップ(1罰打)を行いました。
ところが、その直後、先にグリーン手前まで進んでいた同じ組のプレーヤーがライラスに、「ボールは水中ではなく、岸に止まっていてプレーできる」と伝えたのです。これ幸い。彼はドロップしたボールを拾い上げ、元のボールでプレーを続行。ボギーでそのホールをホールアウトしました。
しかし、ライラスはすぐに自分の処置が間違っていたことに気づき、同じ組のプレーヤーたちに相談。そして、数ホール進んだところで出会ったルールオフィシャルにスタートホールの経緯を説明します。でも、そのオフィシャルはその場では判断できず、あとで連絡してくれることになりました。
その後、ライラスは好調にプレーを続け、ハーフターン後の1番ホールでこの日3つ目のバーディーをマーク。2アンダーとしたところで、ルールオフィシャルが現れます。そして、あらためてスタートホールの処置を聴取。結果、ライラスに「失格」の裁定を下したのでした。
条件付きシード権――つまり、出場試合数が限られたライラスにとってはとても大事なデビュー戦でした。それが、正式にはわずか2打でゲーム終了となったのです。
救済のドロップを行った時点で初球は破棄されたボール
ライラスはどうして「失格」になったのでしょうか。
適用された規則は6.3b「ホールのプレー中に別の球に取り替えること」のなかの(2)「取り替えた球はインプレーとなる」の規定です。
そこでは、「プレーヤーの元の球が見つかっておらず、ペナルティーエリアに止まったことが分かっている、または事実上確実である場合に適用する規則(=規則17.1c)に基づいて、別の球をインプレーにした場合、プレーヤーはその取り替えた球でプレーを続けなければならない」とあります。さらに、「元の球はもはやインプレーの球ではない」、つまり破棄されたボールになる、とも記載されています。なお、規則に基づいてドロップされたボールはその時点でインプレーです。
にもかかわらず、元のボールをプレーしたライラスは「誤球のプレー」をしたことになり、その場合、プレーヤーは正球――このケースではドロップされたあと、拾い上げられたボール――を、それが止まっていた箇所からプレーをすることで誤りを訂正しなければなりません。そして、次のホールでストロークを行う前にこの訂正をしなければ「失格」となるのです。
「池ポチャ?」の可能性があるときは確認してから救済を
例えば、池越えのグリーンを狙ったショットがわずかに短く、池に落ちて水しぶきを上げたとします。てっきりボールは水の中と思いきや、実は水面で跳ねて岸に上がっていた、というケースが考えられます。
競技であれば、プレーヤーは一度グリーンまで行ってボールを確認するでしょう。
でも、レジャーゴルフでは「確認するのも面倒だから、とりあえずもう1球打っておくね」としたくなりませんか?
もちろん、規則上、そうしたプレーの進め方は認められません。前記のとおり、「とりあえず」とドロップしたボールはそこでインプレーとなり、プレーヤーは1罰打で打ち直しをすることになります。つまり、「ストロークと距離の罰による救済」です。
また、「暫定球」とすることもできません。暫定球は、打ったボールがOB、もしくはペナルティーエリア以外で紛失する可能性がある場合にのみプレーできるからです。
打ったボールが「池ポチャ」の可能性があるときは、ちょっと時間と手間を要しますが、ボールの状況を確認したうえで次のプレーを決めるようにしてください。
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