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- 救済のドロップが「1クラブ」か「2クラブ」か覚えられない! “ほぼ当てはまる”簡単な法則とは?
先週、ローリー・マキロイが救済エリアの処置を誤って2罰打を課せられたましたが、リブゴルフでも同様のミスが。ホアキン・ニーマンが救済エリアの処置を間違え、同じく2罰打をくらいました。
この違反がなければ楽勝だったニーマン
先週、PGAツアー競技でローリー・マキロイが救済エリア(後方線上の救済)の処置を誤り、2罰打を課せられた裏で、リブゴルフでは優勝したホアキン・ニーマンが同じように救済エリア(「動かせない障害物」からの救済)の処置を間違え、同じく2罰打をくらう出来事がありました。
今季のリブゴルフは、メジャー2冠で現在世界ランキング3位のジョン・ラームが新加入。さらに、日本の香妻陣一朗が加わるなどで、日本のファンの関心度も高まっているようです。そのリブゴルフの今季開幕戦は先週(2月2~4日)、メキシコのマヤコバで開催され、昨年末から好調を続けるニーマンがプレーオフ4ホール目でセルヒオ・ガルシアを振り切って個人戦初優勝を遂げました。
しかし、ニーマンは大会2日目の13番パー5で「動かせない障害物」からの救済処置を誤り、2罰打を課せられていました。ゴルファーにとって「動かせない障害物」からの救済は、ルールのなかでも基本中の基本、とても初歩的な処置です。ニーマンはそれを間違えて、結果、楽勝のはずがプレーオフにまで持ち込まれてしまったのです。
なぜ、そんなミスを? 本人のコメントは報じられていないので推測するしかありませんが、直前に他の救済をしたのが原因かもしれません。
カート道路からの無罰の救済で2クラブレングスにドロップ
13番パー5でニーマンは第2打を大きく右に曲げ、打球はホールの右を走るカート道路のさらに奥、レッドペナルティーエリアに飛び込んでしまいます。
そこで彼はラテラル救済を選択します。この場合は、打球がレッドペナルティーエリアの縁である赤線を最後に横切った地点を基点に、それよりホールに近づかない2クラブレングスの救済エリアにドロップしなければなりません。そして、そのボールが同エリア内に止まれば、救済は完了です。
ところがニーマンの場合は、基点から2クラブレングスの範囲はほぼカート道路でした。それでもプレーヤーは救済エリア内のカート道路上にドロップしなければなりません。ちなみに、規則では「(救済エリアの場所は)同じペナルティーエリア以外であればどのコースエリアでもよい」(規則17.1d(3))となっていますから、例えば救済エリア内にバンカーがあれば、深いラフを避けてあえてバンカー内にドロップすることも可能です。
ニーマンはカート道路上で救済のドロップを終えると、次にカート道路(=動かせない障害物)からの救済を選択します。そして、規則どおりに道路のすぐ左に「完全な救済のニヤレストポント」を決定。そこから2クラブレングス(!)を測って目印にティーを刺し、1クラブレングス目と2クラブレングス目の目印の間にドロップ。そして、プレーを続けたのでした。
あらためて言うまでもなく、「動かせない障害物」からの救済は「完全な救済のニヤレストポイント」から1クラブレングスの範囲が救済エリアです。ですから、ニーマンは救済エリア外にドロップしたボールをプレーしたことになり、「誤所からのプレー」で2罰打を課せられたのです。
2クラブレングスの救済エリアは罰ありのときだけ
ニーマンは1罰打の「ラテラル救済」で2クラブレングスを測った後でしたから、その勢いで「動かせない障害物」からの救済でも2クラブレングスを測ったのでしょうか。
救済エリアの範囲は基点から1クラブレングスなのか、それとも2クラブレングスなのか。ビギナーやプレー頻度の高くない人には覚えにくい問題かもしれません。かつて(2018年以前)は、原則として「無罰の救済は1クラブレングス。罰ありの救済は2クラブレングス」と覚えたものです。
しかし、現行ルールでは、例えばジェネラルエリア(ペナルティーエリアやバンカーも同じ)からプレーしたボールがOBのときは、プレーヤーは「ストロークと距離の救済」で、そのストロークを行った地点を基点に、ホールに近づかない1クラブレングスが救済エリアになります。つまり、「罰あり」でも1クラブレングスの救済エリアがあるので先の原則は通じません。
しかし、2クラブレングスは「罰あり」の救済だけです。規則書の「2クラブレングス」をテキスト検索すると、救済エリアの規定であるのは規則17「ペナルティーエリア」と規則19「アンプレヤブル」だけ。つまり、「罰あり」の救済だけです。
一方、「罰なし」である規則16の「異常なコース状態」や「地面にくい込んだ球」、規則15の「動かせる障害物の中や上の球」からの救済はいずれも基点から1クラブレングスです。
救済の基本として覚えておくといいでしょう。
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