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- 一攫千金も夢ではないツアープロキャディーは魅力ある仕事なの!? ベテランキャディーの答えとは?
国内女子ツアーの開幕まであとわずかになりましたが、選手だけではなくプロキャディーも着々と準備を進めています。ハードワークでありながら、何年も続けているプロキャディーは少なくありません。彼らにとってのモチベーションはどこにあるのでしょうか。
選手と味わえる喜びは何ものにも代え難い
いつのころからか職業として定着してきたツアープロキャディー。選手と二人三脚でトーナメントを戦う姿を見て感動する人もいれば、選手の成績次第では1週間で数百万円を手にできると聞いてうらやましく思う人もいるでしょう。
ただ、相当ハードな仕事であることは間違いありません。約20キロのキャディーバッグを担ぎ、アップダウンのある道を約10キロ歩くだけでも大変なのに、距離の歩測や風の読みを正確に行い、選手とのコミュニケーションもそつなくこなさなければいけません。
この作業を週5~6日ほど、毎週のように繰り返すのです。しかも、場合によっては赤字になる週さえあるといいます。
にもかかわらず、ベテランキャディーといわれ、長年続けている人たちは少なくありません。プロキャディーという仕事にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
今年でプロキャディー生活27年目を迎える梅原敦氏は次のように語ります。
「優勝したらもちろんうれしいですが、それ以上に選手から『ありがとう』とか、『助かりました』と声を掛けられたときに喜びを感じますね」
もちろん単なるお礼ではなく、自分がその選手に対して貢献できたという証明でもあるのです。
トーナメントを観戦した人なら分かると思いますが、コース内にはロープが張られていて、ギャラリーはロープの外から観戦しなければなりません。梅原氏によれば、ロープ内には独特の雰囲気があり、いい意味での緊張感が漂っているそうです。その中で1打でも少なくホールアウトするために3~4日間、選手とともに戦う充実感は何ものにも代え難いといいます。
「実際、その緊張感を味わいたいために続けているところはありますね」
本来ならプレーヤーでなければ味わえない緊張感を知ることができて、しかも好結果なら選手と一緒に喜べる。達成感という意味では、かなり刺激的な仕事であり、それが長年続けている理由だともいえそうです。
冷静な判断をできる人なら向いている
ただ、意外にも収入面での魅力はないとのこと。
「独身だったら最高の仕事だと思いますが、妻と娘がいる身としては、生活していくのに厳しい状況ですね。自分以外にも家庭を持つプロキャディーはいますが、奥さんも働いている人は少なくないと思います」
月に4試合バッグを担いだ場合、最低でも50万円前後の収入を得られますが、そこには経費も含まれるだけに実入りは少ないそうです。となれば、どれだけ節約できるかが重要になります。それでも足りないので梅原氏はここ数年、オフに入ると同時に自宅近くのゴルフ場でキャディーのアルバイトを週5日行っているといいます。
また、重労働だけに体を鍛えておく必要はあるのでしょうか。
「昔はオフに鍛えていたこともありましたが、今はキャディーのバイトがトレーニングにもなっているので、特に鍛えることはしていません」
ちなみに、シーズン中は疲れるのでトレーニングは行わないとのこと。やりがいはあるものの、収入面ではそれほど期待できる仕事ではないといえる。そんなプロキャディーだが、どのような人が向いているのかという質問に、梅原氏はこう答えてくれました。
「変な例えですが、選手と自分のやりとりを俯瞰(ふかん)で見ることができる人ですね」
試合中、プレッシャーがかかる場面は少なくありません。優勝争いはもちろん、予選通過ラインギリギリにいるときや、ボールを谷底へ落としてしまったときなどピンチを迎えた時、どれだけ冷静な判断ができるかどうかが重要。
そのうえで的確なアドバイスをできる人は、プロキャディーに向いているそうです。選手とキャディーが相談しているシーンをよく見ますが、そういう目でトーナメントを見るとまた違った面白さを感じられるかもしれません。
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