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- “買い”は入るが“売り”はなし!? ゴルフ会員権市場の現状と2025年以降の傾向を識者に聞いた
コロナ以降、再び人気を盛り返したゴルフ会員権市場。パソコンやスマホから手軽にプレー予約できる時代なのに、人気コースは相変わらず高値で取引されることが多いといいます。2024年の会員権市場の動向について、ゴルフ会員権の“今”に詳しい専門家に話を聞いてみました。
買いが入る人気コースと売りばかりの不人気コースとの違いって?
コロナを機に、バブル期以来の活況にわくゴルフ会員権市場。コロナが5類に移行したあたりから会員権市場もやや落ち着きを取り戻してきたとはいえ、依然として人気コースは高値で売買されているといいます。
ゴルファーなら誰もが一度は憧れるような人気の名門コースともなれば、なかなか“売り”がなく、限られた“買い”のチャンスをひたすら待つのみ……といった話もたまに聞きますが、景気の低迷が続く昨今、会員権売買の現状はどのようになっているのでしょうか。
「売りモノがほとんど出てこない超人気コースも確かにありますね。ですが、売りたい人がいても“買い”が入らず、値が付かないような不人気コースも、実は相当数ありますよ」と語るのは、四半世紀に渡り、ゴルフ会員権を専門に扱ってきた加賀屋ゴルフ代表の前田信吾さん。
では、人気コースと不人気コースの違いは、いったい何なのでしょうか。
「買い手側や売り手側がゴルフ場に求めるものは人それぞれですので、人気不人気の理由は一言では表せません。でも一般的なことをいうならば大都市圏からのアクセスがよかったり、練習施設やレシプロ(提携コース)が充実していたり、また土日でも組単位で予約が取りやすいというようなクラブは総じて人気が高いですね」
「そして、どれがよくてどれが悪いというものではないのですが、ゴルフ場にはメンバーさんたちが長い時間をかけて作り上げてきた固有の“文化”というものがあります」と前田さん。
「例えば、ラウンド前の過ごし方一つとってもゴルフ場によって実にさまざまです。メンバーさんの多くがアプローチ練習場で熱心に練習してからプレーに臨むゴルフ場もあれば、ラウンド前にはみんなが食堂に集まって朝食や飲み物をとってからプレーするようなゴルフ場もあります。こういった“ゴルフ場の文化”を受け入れられるのか否かが、会員権売買に少なからず影響していることも確かです」
さらに前田さんは「当たり前ですが、ゴルフ場の経営スタイルも人気を左右する」といいます。
「経営者の判断が適切で経営状態の良いゴルフ場であれば、コースやクラブハウス等のメンテナンスが行き届きますし、また豊富なスタッフによる目配りや気配りも充実して会員の満足度も高まります。退会を考えるメンバー自体が少ないわけですから、新たに入会できるチャンスも限られるので、ますます人気が高まるわけです」と、前田さん。
逆にいえば、キャパシティーを超える詰め込み過ぎがしばしば話題に上るコースや、経営サイドと理事会との対立がささやかれるコースなどは敬遠される傾向にあるということなのでしょうか?
「そこはいわずもがなでしょう。けっして安くないお金を支払って、わざわざ雰囲気のよろしくないコースのメンバーになりたいと思う人なんて、そんなにいないと思いますよ。僕が本当に気の毒だと思うのは“会員権を売りたいけど売れない、退会したいのに退会できない”という悩みを抱えた会員さん。コースにほとんど行かないのに年会費はしっかり取られますからね」
“売り”がほとんど出てこない人気コースはどのあたり?
“買い”がどんどん入る人気コースと、“売り”ばかりが目に付く不人気コースの大まかな違いが理解できたところで、関東圏では実際どのあたりのゴルフ場が人気となっているのでしょうか。
「“売り”が全くないというよりは『たまにあるけど高い!』という見方でいくとすれば、東松山カントリークラブ(埼玉県)、中山カントリークラブ(千葉県)、小金井カントリー倶楽部(東京都)、桜ヶ丘カントリークラブ(東京都)、府中カントリークラブ(東京都)あたりは依然人気が高く、会員権を手に入れるのは、なかなかハードルが高いですね」と前田さん。
いずれのコースも都心からのアクセスがよく、卓越したコースデザイン、隅々まで行き届いたメンテナンスに高いホスピタリティーと、三拍子そろった伝統と格式のある名門コースばかりです。
「コロナ以前からこれらのコースの人気は安定していましたが、コロナ後にますます注目されるようになり、ここのところ一層人気が高まっているように感じます」
売買価格が高いのは承知のうえで、どうしても人気コースのメンバーになりたい場合は、どうしたらよいのでしょう?
「“売り”が出るタイミングは、僕ら会員権業者にも正直わかりません。ですが、変わらず人気はあるけれど、ぼちぼち売りが出てきたコースもなかにはあります。日光カンツリー倶楽部(栃木県)や大利根カントリークラブ(茨城県)あたりが、まさに狙い目でしょう」
「令和2~3年ごろ、会員権価格が30~40万円だった日光CCの現在の価格は400万円ほど。大利根CCも令和2~3年ごろは会員権価格が300~400万円でしたが、現在は950万円前後と、いずれも大幅に値上がりしました。このように上がり過ぎた感のあるゴルフ場は“売り”が出やすくなるんです」
会員権の購入を検討するのなら、会員権業者からの有用な最新情報を仕入れることが何より大事。メンバーライフを夢見る人は、まずは業者に明確な希望を出しておくことから始めるとよいのかもしれません。
【監修】加賀屋ゴルフ代表 前田信吾さん
ゴルフ会員権取引を行う加賀屋ゴルフ代表取締役。ここ10年は、2日に1回の割合でラウンドを楽しむゴルフの達人(2023年は年間219回!)。独自の視点を生かしたゴルフ場の比較&検討に定評アリ。
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