- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- コラム
- 好きな練習だけして上達のチャンスを逃してない!? 「難しい」といって大切な練習をしないアマチュアの心理とは?
常日頃から多くのアマチュアを教えているレッスンプロ二人が、ゴルフにおける「難しい」について議論。上達を目的にレッスンを受けているはずのアマチュアが「難しい」といって練習をおざなりにすることがあるようですが、その心理について2人が考えてみました。
「難しい」といって試さないのはもったいない
レッスンに通うアマチュアは、全員「上達したい気持ち」で指導を受けに来ています。しかしドリルや上達プロセスを経る途中で「難しい」という言葉をすぐに発する人は、努力すれば必ず超えられる壁を挑戦することなく諦めてしまっています。

多くのレッスン生を抱えている横山健司プロと筒康博コーチに、「難しい」というアマチュアの心理を教える側としてどう思っているか議論してもらいました。
筒康博コーチ(以下、筒) レッスン中にアマチュアが「難しい」と感じることはよくあるようです。レッスンの現場で教える側の立場からお話しすると、「こうしてみましょう」というアドバイスは「今はできなくても必ずできるようになること」の中から、結果に直結する改善点を提案しています。
横山健司プロ(以下、横山) それで改善すれば、教える私たちもうれしいですよね。でも「難しくないから、やってみて!」とレッスンしているのに、やる前から「難しい」といわれてしまうと辛いよね。
筒 私自身も長年、教わる側を経験してきました。自分のスイングや動きを直さないといけないことは分かっていても、「逆効果で当たらなくなるのでは」という不安な気持ちが湧いてくることがありました。だから「難しい」という気持ちは十分理解できます。だからこそ「練習だから試しにやってみて!」と提案するのですが……。
横山 うまく打てなかったり動けなかったりする原因の説明には納得してくれているのに、改善方法や努力になると「難しい」と拒絶されているように感じることがあります。一度やってみて難しいのなら他の方法もたくさんあるのに、試すことをしない。本当にもったいないですよ。
「いいとき」と「悪いとき」は混在して当然
横山 アマチュアは「練習して、いい時のままショットを安定させたい」と考えていると思いますが、それこそ「難しい」こと。結果が「よかったとき」と「悪かったとき」では、まったくスイングが違うと思っているアマチュアが多い気がしますが、実は「いい要素」と「悪い要素」は混在しているものなのです。だから私たちプロは、「いい結果」が出る確率を上げるためのプロセスを踏んでいきましょうと提案をするのが仕事。100パーセントうまく打てる方法というのはないんです。
筒 アマチュアは、「よかったとき」も「悪かったとき」も含めて今の自分と考えた方が、教わる側の意識として上達しやすいですね。流行りの理論を身に付けるために今までのスイングを根本的に変えようとする人もいますが、それは機械のパーツを交換するようなもの。教える側から見れば、その取り組みこそ完全に自分に取り入れるのは「難しい」。
手っ取り早く上達するコツなんてない
横山 急にうまくなる魔法や、カッコよくて正しいスイングという両方を求める人は一定数いるものです。そういう人ほど、改善してほしいことやドリルなどに前向きになれない気がします。どんなプロだって、練習せずに突然上達しているわけではない。「手っ取り早く上達するコツ」なんていうのはないんですけど。

筒 特に大人になると、とりあえずやってみようというマインドになるのが難しい人がいますね。理屈を聞いて頭で納得してから「これならうまくなれる」と思った方法だけに取り組みたいというわけです。その気持ちは理解しますが、動きのエラーなどを修正するためにドリルを提案しているのにそれをしないとなると、逆に上達は難しいことになります。
横山 根本的に「動きのエラー」があるのだから、頭でっかちになる前に根本を正さないと仕方がないと思いますよね。頭で理解しても、それを動作と連動させてあげないとうまくはいかない。ドリルなどの練習は、その連動をさせるのが目的です。「○○してください」よりも「○○しないで!」の方が実践しにくいものです。ドリルを実践するのが上達の早道なんですけどね。
筒 「ボールをつかまえる」など、中・上級者にならないと理解できないことってありますよね。それをなかなか芯に当たらない人が求めたりしますが、感覚的なものが備わっていないレベルだと身につけられないです。ゴルフにはそういうものもあるので難しい。
横山 「教わる側」のアマチュアの気持ちや意識を「教える側」の私たちプロが十分理解したうえで、分かりやすく指導することが我々の仕事。理屈をこねたり、評論することよりも、アマチュアのみなさんが前向きに「必要な練習に取り組む」ように誘導できるように頑張りたいですね。
横山 健司(よこやま・けんじ)
日本大学櫻丘高校では野球部に所属し、日本大学経済学部時代には高校野球部で指導。24歳でゴルフを始め、2010年にヨコヤマ・ゴルフスクールを開校。現在200名以上のスクール生を指導する傍ら、FMさがみラジオ「横山健司のちょいとゴルフをしませんか」パーソナリティーや「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドティーチャーも務める。
筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティ「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
最新の記事
pick up
-
ナイスショット連発で上重アナも仰天!? キャロウェイ「ELYTE」シリーズをラウンドで使用するとアマチュアにとって大きな恩恵が!<PR>
-
【連載コラム】なぜフォーティーンのクラブは人を魅了するのか? 美しいフォルムに宿る揺るぎない性能・その秘密を開発者に聞く<PR>
-
クラブと体の「接点」は重要! テーラーメイドのツアーボール「TP5」「TP5x」と「プレイヤーズ グローブ」は細部までこだわった逸品<PR>
-
今より「2センチ小さいサイズ」を試すべき!? 新品ゴルフグローブを「ピッタリ」で選ぶべきではない理由とは?
-
【クイズに答えて200名さまに抽選で当たる!】Taylor Made Golf(テーラーメイドゴルフ)ボール
ranking