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- “靴下までトータルコーデ”が当たり前!? なぜバブル世代には「全身ブランド統一ゴルファー」が多いのか
帽子から靴下まで、さらにはクラブやキャディーバッグまで…… バブル世代のゴルファーほど、ブランドを“そろえる”ことに情熱を注いでいる印象があります。SNSでは「全身統一コーデ」をめぐる投稿が話題となり、「うちの父もそうだった」「懐かしい!」と共感の声も寄せられています。バブル世代がこだわり続ける“全身コーデ”の美学とは、一体なんなのでしょうか。
トータルでそろえることが礼儀であり美学だった
SNS上では、全身を同じブランドで統一したバブル世代の男性ゴルファーのエピソードがたびたび話題になります。帽子、シャツ、アームカバー、ベルト、パンツ、靴下までそろえ、クラブとキャディーバッグまで同ブランドという徹底ぶり。まるでカタログのような完成度ですが、本人にとってはそれが“普通”の感覚なのかもしれません。
この世代に共通して見られるのは、「ブランドを統一しないと落ち着かない」という美意識。当時は映画や雑誌の影響も大きく、スキーやゴルフなどのスポーツシーンで「ウエアから道具まで統一」するスタイルが粋とされていました。そうした価値観が、今もフェアウェイに息づいているようなのです。

1980年代後半、日本はバブル経済の真っ只中。企業の接待ゴルフが盛んで、会員権が数千万円に達する名門コースも珍しくありませんでした。そうした“社交の舞台”では、見た目の整いがひとつのマナーとされていました。帽子から靴まで同じブランドでそろえることは、ビジネススーツを正しく着るのと同じように“フォーマル”と見なされる傾向があったのです。
百貨店ではトータルコーデ提案が主流になり、雑誌でも「全身一つのブランドで完結する装い」が推奨されていました。ペンギンのマンシングウェア、傘のアーノルド・パーマー、熊のゴールデンベア、ワニのラコステ――胸のワンポイントは、まるで社章のように誇らしく映りました。1989年に誕生したパーリーゲイツも、その空気を象徴するブランドのひとつ。ロゴを前面に出したポップなデザインが、“そろえる楽しさ”をファッションとして確立させました。
筆者(40代・東京都在住)の父も、まさにそんな世代のひとりです。タンスを開けると、黄色い熊、ペンギン、傘のマークが整列。ブランドごとに畳まれたポロシャツは、まるでコレクション棚のようでした。70代後半となった今もゴルフへの愛情は衰えず、つい最近まで会員権を手放さなかったほど。整えることこそ、あの世代にとっての「美学」だったのだと感じます。
ロゴは“名刺”、統一感は“信用”の証?
当時のゴルフ場は、ビジネスと社交の交差点。装いひとつで、その人の所属や価値観が透けて見える場所でした。胸元のペンギンは上品さを、傘は陽気さを、熊は落ち着きを――小さなロゴが人となりを物語っていました。
全身同じブランドで統一しトーンを整えれば、「この人はきちんとしている」「信頼できそう」という印象を与える。トータルコーデは外見の印象アップだけでなく、信用を築く手段でもありました。きちんとして見えることこそが、大人の礼儀だったのです。
令和のゴルファーは、ワークマンやユニクロなどの機能性ウエアを自由に組み合わせて着こなします。それでも、フェアウェイで全身を同じブランドでまとめたバブル世代を見ると、どこか安心する人もいるのではないでしょうか。
整いすぎて少しオジサン臭い。けれど、その“全身そろえたい衝動”には、長年ゴルフとともに生きてきた世代の誇りがにじみます。“ブランド統一おじさん”の中には、「そろっていると気持ちがいい」「ゴルフは礼儀のスポーツだから」……そんな理屈を超えた“整える快感”が、DNAとして今も息づいているのかもしれません。
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