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- 違反じゃないのに物議醸したラームの救済とは? 「ラフもフェアウェイもルール上同じは変!」が一般感覚!?
全米プロ初日にジョン・ラームが受けた救済が物議を醸しました。まったくもってルールに則った正当な処置ですが、なぜ“炎上”してしまったのでしょうか。
救済でラフからフェアウェイにボールが移ってもライの改善にはならない
「全米プロゴルフ選手権」で2位タイに入ったジョン・ラーム。第1ラウンドで救済ルールをうまく使ったシーンがありました。
10番ホール(477ヤード、パー4)からスタートしたラームは、ティーショットをフェアウェイの左サイドに329ヤードのロングドライブ。しかし、勢いよく転がったボールはフェアウェイの傾斜に乗って左に流れ、深いラフまで転がってしまいます。
ところが、止まった地点に行ってみると、ボールはラフの中に隠れていたスプリンクラーヘッドのそばにあり、それがプレーの障害になりました。そこでラームは競技委員を呼んで「動かせない障害物」からの無罰の救済が受けられることを確認。
そして、スプリンクラーヘッドからの「完全な救済のニヤレストポイント」を基点に1クラブレングスの救済エリアを決定。そのエリア内にフェアウェイがあったので、そこにドロップ。結果、第2打をフェアウェイから打ったのでした。

深いラフに入ったボールの救済処置でフェアウェイにドロップ――この救済について米ゴルフダイジェストは「ジョン・ラームがうまくルールを利用したことは違反ではない。しかし、このルールは寛大すぎるのでは?」といった見出しで、なぜ違反ではなく、ルール上認められるのかを解説しています。
その理由は、規則16の「動かせない障害物からの救済」にある規則16.1b「ジェネラルエリアの球に対する救済」で、この場合の「救済エリア」は「完全な救済のニヤレストポイント」を基点にした「1クラブレングス」の範囲の「ジェネラルエリア」であり、「ジェネラルエリア」にはラフもフェアウェイも区別なく含まれるからです(救済エリアは厳密には、さらに「基点よりホールに近づかず」「その動かせない障害物によるすべての障害からの完全な救済であること」と規定されています)。
米ゴルフダイジェストでは全米ゴルフ協会(USGA)ルール部門のジェイ・ロバーツ氏が語った「ゴルフコースにはティーイングエリア、パッティンググリーン、バンカー、ペナルティーエリア、ジェネラルエリアの5つのコースエリアがあり、ラフとフェアウェイはともにジェネラルエリアの一部とみなされています。つまり、ルールではラフとフェアウェイを区別していないため、一方から他方へ移ってもライの改善にはなりません。これによりある選手に大きな利益が得られることをUSGAとR&Aは容認しています」というコメントが引用されています。
「現時点では間違いなくルールの抜け穴」
一方、ラームがとったこの救済に対してゴルフジャーナリストのカイル・ポーター氏はXに次のような投稿を寄せました。
「私よりずっとゴルフに詳しい方々が私の考えに反対されるだろうことは承知しています。それでも、深いラフに打ち込まれたボールをフェアウェイのきれいなライから打つことができるのは、やはり私には馬鹿げているとしか思えない」
すると、これが大きな反響を呼び、60万近いインプレッションと1500近い「いいね」を獲得しました。200近いリプライは賛否両論。ルール上認められているのだから利用するのが当然だとする意見もある一方で、ポーター氏に賛同する次のような声も見られました。
「現時点では間違いなくルールの抜け穴であり、賢いプレーヤーは利用しない手はないでしょう」
「ゴルフルールのなかで最も愚かなルールです。ルールに『ライの状態を改善してはならない』といった要素を一文追加すればいいことです」といった、このルールに疑問を呈したり、改訂を求める声が多く見られます。
自然相手の競技ゆえの「運・不運」は付き物としても、人工物によるこのような「運」は納得できない、ということでしょうか。
こうした声がルール改訂の動きにつながるとは思いませんが、今後もメジャーやツアー競技においてラームのような救済処置が見られれば、その都度、議論を呼ぶことになるでしょう。
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