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- 日本男子の“メジャー首位経験者”は何人? 最年少記録の久常涼から振り返る“快挙の系譜”
「全米プロ」で久常涼が日本男子史上7人目となる“メジャー首位経験者”となった。では、日本選手が初めて世界最高峰の舞台でトップに立ったのは誰だったのか、50年にわたる歴史を振り返った。
最初の“首位経験者”は50年前の鈴木規夫
男子メジャー今季第2戦の「全米プロ」で久常涼が初日首位に並んだ。最終的には上位争いに加われなかったがメジャーで首位はそうあることではない。日本選手では何人目だったのだろうか。歴史を紐解いてみた。
日本選手が男子メジャーで初めて首位(タイを含む)に立ったのは今からちょうど50年前のことだ。
1976年の「全英オープン」に日本から24歳の若者が挑んでいた。前年2勝を挙げて賞金ランキング10位に躍進していた鈴木規夫である。
まだ日本選手がメジャーに出ることが少なかった時代、鈴木は「全英オープン」5勝のレジェンドで日本とも縁が深いピーター・トムソン(オーストラリア)から挑戦を勧められて海を渡った。

今なら「日本オープン」の優勝者や「~全英への道~ミズノオープン」の上位者に出場権が与えられるなど日本でチャンスをつかむことはできるが、当時は現地で予選会を突破するしかなかった。計5会場で実施された予選会のひとつで鈴木は2位の好成績を収めて「全英オープン」への道を切り開いたのだ。
会場はロイヤル・バークデールGC。鈴木にとって初めてのメジャーで日本選手は1人だけだったが心強い味方がいた。このコースで2勝しているトムソンが練習ラウンドで攻略法を伝授してくれたのだ。
初日、その成果が早速表れる。パー34のアウトを1バーディー、2ボギーの35でしのぐと、パー5が4ホールあってパー38のインで5バーディー、1ボギーの34と爆発。3アンダー、69のスコアはセベ・バレステロス(スペイン)、クリスティ・オコーナー・ジュニア(アイルランド)と並ぶ首位。日本選手が男子メジャーで初めて首位に立つ歴史的快挙となった。
鈴木は2日目以降も粘って10位タイで大会を終了。1973年「マスターズ」8位タイの尾崎将司に次ぐ日本選手2人目のメジャートップ10入りも成し遂げた。
この2年後の1978年「全英オープン」では青木功が魅せた。“聖地”セントアンドリュースオールドコースで初日4アンダー、68をマークして1打差の首位に立ったのだ。青木は2日目を71にまとめて通算5アンダー。バレステロスとベン・クレンショー(米国)に並ばれたが首位は守った。ただ3日目、最終日は73と苦戦して7位タイに終わっている。
青木は1980年「全米オープン」で歴史に残る優勝争いを演じている。3日目に68をマークして首位のジャック・ニクラス(米国)に並び、日本選手初のメジャー最終日最終組に入った。ニクラスとは初日から4日間同組という巡り合わせだった。アウトでニクラスに2打のリードを許した青木だったがインでは食らいつく。ともに3バーディー、ボギーなし。惜しくも優勝には届かなかったが当時日本選手歴代最高の2位に食い込んだ。
続いて1995年「全英オープン」2日目に友利勝良が、2001年「全米プロ」2日目には片山晋呉が首位タイを経験。米ツアー通算3勝の丸山茂樹は2002年「全英オープン」2日目と2004年「全米オープン」初日、2日目の計3回首位タイになっている。
松山英樹がメジャーで初めて首位に立ったのは2017年「全米プロ」2日目だった。64で回って2人の首位タイとなり、その後も上位をキープ。最終日は一時単独首位に出るが踏ん張り切れずに5位タイで終了。悔し涙を流した。
そして2021年「マスターズ」、松山は3日目に65を叩き出して6位タイから4打差の首位に浮上。自身メジャーで2度目の首位を歓喜の日本男子初のメジャータイトルへとつなげたことは記憶に新しい。
23歳でのメジャー首位経験は最年少記録
今回の久常は松山以来で日本選手7人目のメジャー首位経験者となった。23歳の年齢は50年前の鈴木の24歳を塗り替える最年少記録である。
久常は2日目、3日目に大きく順位を落としていたが最終日に2アンダー、68と意地をみせて35位タイで大会を終えた。初日首位タイだったことを考えれば悔しい結果だろうが、ズルズル崩れず最後に盛り返したことは次につながるはずだ。
米ツアー3シーズン目の今年、久常は確かな成長の跡を示している。「ファーマーズインシュアランスオープン」で自己ベストの2位タイを記録したことを含めてトップ10は早くも昨年に並ぶ4回。過去2年は80位台だったフェデックスカップポイントは33位につけている。
部門別データをみるとショットの成長が見て取れる。パーオン率は70.16%で部門12位。前年の44位から大幅に上昇している。ドライビングディスタンスも前年の297.5ヤード、144位から304.6ヤードで72位とジャンプアップ。パワーもついてきたようだ。
いつ米ツアー初優勝を手にしてもおかしくない状態であることは間違いない。今回のメジャーの首位発進を自信にして、次のチャンスに期待したい。
文・宮井善一(みやい・ぜんいち)
1965年和歌山県生まれ。スポーツニッポン新聞社ゴルフ担当記者を経て2004年にフリーのゴルフライターに。ゴルフ雑誌などへの執筆のほか日本プロゴルフ殿堂オフィシャルライターとして活動し、現在は日本ゴルフ協会のゴルフ学芸員として日本ゴルフ殿堂、JGAゴルフミュージアムなどに携わっている。元世界ゴルフ殿堂選考委員。
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