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“クルマ移動必須”部活ゴルフの現状は? 磐越道バス事故で再点検される安全対策 【小川朗 ゴルフ現場主義!】
磐越道で起きた高校ソフトテニス部の痛ましい事故。ゴルフ場に行くためにはクルマが必須のゴルフ部となれば、なおさら心配です。松山英樹の母校から小所帯のゴルフ部まで、部活ゴルフにおける移動の現実を取材しました。
「学校側・保護者側・行政の三者で、より現実的な対策を」
もう10年前の話になりますが、ゴルフ週刊誌から依頼されたノンフィクションの連載で申ジエ選手にインタビューしたことがありました。彼女の母親は中学3年生の時、練習場にジエ選手を送った帰り道にトラックと正面衝突して帰らぬ人となりました。父・ジェソプさんと練習している間にその事故は起き、妹と弟も1年間入院する重傷を負っています。
インタビューでジエ選手がつぶやいた一言が、今も耳に残っています。
「一度死んでしまったら、もう取り戻せない」。ゴルフ場は郊外にあるため、親御さんが送迎するケースも日常的にあります。今回の事故を他山の石として、移動時の安全性についてもう一度見直してみる必要があるでしょう。
前出の保護者Aさんも話の最後にこう言っていました。
「通学生と寮生で移動手段を分けたり、遠征先が比較的近いこともあって大きな負担はないですが、それでも『絶対に安全』と言い切れるものではありません。 今回の事故をきっかけに、学校側・保護者側・行政の三者で、より現実的な対策が進むことを願っています」
強くなるためには、練習を積んで試合経験も豊富に重ねていくことが必要。それは上記の“三者”にとっても重要なステップです。そのための最も大きな障壁となっているのが、練習やラウンドだけでなく移動にも滞在にも多大な経費がかかること。それがハンドルを握る顧問やドライバーに負荷をかけ、生徒の安全が脅かされるようなことになっては本末転倒です。
やはり三者の中でも重要なのが行政のサポートですが、その対策は簡単には行きそうにありません。松本洋平文部科学大臣は4月15日の記者会見で「前提として、安全よりも費用が優先されるということは決してあってはならない。どのような形態での移動でも事故防止などに万全の措置を期すことが必要」と語りました。
しかし、同省の外局であるスポーツ庁からはこんな答えが返ってきました。
「そもそも部活動というものの位置づけが生徒の自主的自発的な活動みたいなところがあって、当然、学校によってどの部活をやっているかの構成が変わったりする。しかも入っている子もいれば入っていない子もいる、という話もあって、国として学校とか個人に対して直接支援するみたいな仕組みというのはちょっと難しいかなと思いますね」(スポーツ庁関係者の話)
ゴルフの選手育成に関しては、文科省、スポーツ庁が安全・安心の育成体制を作り、日本のゴルフ総本山であるJGA(日本ゴルフ協会)が北海道から九州まで8地区に分かれる各連盟と連携しながら、ジュニアの育成を制度面、金銭面からサポートしていく体制づくりが、何より大事であることは間違いありません。
ゴルファーがラウンドごとに徴収されているゴルフ場利用税や各連盟の振興金や協力金を、都道府県や市町村、連盟がこうしたサポート資金により多く振り分ける。これこそが、まずは手をつけるべき対策と言えそうです。
取材・文/小川朗
日本ゴルフジャーナリスト協会会長。東京スポーツ新聞社「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女メジャーなど通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。東京運動記者クラブ会友。新聞、雑誌、ネットメディアに幅広く寄稿。(一社)終活カウンセラー協会の終活認定講師、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。日本自殺予防学会会員。(株)清流舎代表取締役。
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