なぜゴルフは「紳士のスポーツ」と呼ばれるようになったのか その理由に歴史的背景も

ゴルフは一般的に「紳士のスポーツ」と呼ばれることが多いです。しかしその理由や由来は意外と知られていないかもしれません。ゴルフの起源やルールのあり方から、なぜ「紳士のスポーツ」と呼ばれるようになったのでしょうか。

ゴルフはなぜ「紳士のスポーツ」と呼ばれるようになった?

 ゴルフが紳士のスポーツと呼ばれるようになった経緯には、その歴史的な背景が大きく関わっているといいます。

 まずゴルフの発祥の起源には諸説ありますが、14世紀頃にスコットランドの貴族の間で流行したことがスポーツとして発展していく契機になったとされています。

 この頃からゴルフ場が貴族の社交場としての役割も担うようになり、このような背景がゴルフを「紳士のスポーツ」にしていった要因の一つだといえます。

 ゴルフは貴族に愛されたスポーツとして発展してきました。しかし、そのことだけがゴルフが「紳士のスポーツ」と呼ばれるようになった理由ではないようです。

 ゴルフには他のスポーツにはない特徴があり、そのこともゴルフを「紳士のスポーツ」にしている要因となっているようです。

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 ではその特徴とはいったいどのようなものなのでしょうか。

 まず、スコアを競うスポーツとしては非常に稀だといえるのが、審判がいないということです。広いコースでプレーをするゴルフでは、不正をしようと思えばいくらでもできてしまいます。18ホールを通して、ルールの順守はプレーヤーの良心に委ねられているといっても過言ではありません。

 次に、スコアが自己申告制だという点です。一般的なスポーツでは審判などの第三者がスコアをカウントするか、プレーヤー同士で確認することがほとんどだと思います。

 しかし、ゴルフでは完全な自己申告制となっています。たとえば「空振り」はルールでは+1打を加算しなければなりませんが、誰にも見られていなければ申告しないということもできてしまいます。

 このように、ゴルフでは全てのプレーヤーが紳士的にルールを守ることを前提にしているといえます。

 そしてゴルフには世界共通のルールブックがあります。このルールブックでも「マナー」や「紳士的な振る舞い」について明確に言及されている点も特徴といえます。

 スコットランドにある「R&A」という団体と、アメリカにある「全米ゴルフ協会」が共同でルールを制定しており、日本ではこれを「日本ゴルフ協会」が翻訳して公式ルールブックとして発行しています。

 このルールブックには、ゴルフをプレーする際には「礼儀正しさ」「スポーツマンシップ」「洗練されたマナー」が求められると記載されています。

 これはつまり、「全てのゴルファーは紳士であるべき」とルールとして明確に規定しているということになります。

レッスンプロ兼クラブフィッターの北野達郎氏は、以下のように話します。

「ゴルフはスコットランドが発祥の地と言われており、元々はスーツを着用した貴族達の社交のゲームでした。また、他のスポーツと違いルールの審判は自分自身であり、罰打の申告やスコアの提出など、自分に正直な人間性を問われるゲームでもあると同時に、ショットを打つ相手の前や後ろに立たない、相手のグリーン上のラインを踏まないといった同伴者へのエチケットも求められます。 こうした気遣いも求められるゴルフ特有の性質が紳士のスポーツと呼ばれるようになった所以といえるでしょう」

ゴルフのマナーにはどんなものがある

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