「バーディー=小鳥」「イーグル=鷲」「アルバトロス=あほうどり」
まずは「バーディー(小鳥)」について解説していきます。由来については諸説ありますが、ここでは1900年初期のアメリカが紀元になったという説を紹介します。

レッスンプロの北野達郎氏は、以下のように話します。
「バーディーの語源は1903年、A・H・スミスというプレーヤーが、パーより1打少なくホールアウトしたときに『flew like a bird.(鳥のごとく飛んだショット)』と叫んだのが始まりで、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間にアメリカで一般化しました。イーグルはバーディーが『小鳥』であるため、それよりも難しいスコアを小鳥より大きい『鷲』で表したと言われています」
イーグル(鷲)はアメリカでは国章に使われており、威厳や優れたものの象徴とされています。そのことからバーディー(小鳥)よりもさらに優秀なスコアを称賛する言葉として使われるようになったというわけです。
アルバトロス(あほうどり)の由来も諸説ありますが、一般的なのはショットの飛距離を(あほうどり)に例えたという説です。アルバトロスを達成するには人並外れた飛距離が必要です。そのため、長距離を飛行する能力があり、船旅の象徴として讃えられていたアルバトロスが使われるようになったといわれています。
ちなみに、アメリカではアルバトロス(あほうどり)のことをダブルイーグルと呼ぶのが一般的です。これはアメリカではイーグル(鷲)が最高峰の鳥とされているためで、国の文化的背景がゴルフ用語にも影響を与えているということは興味深い点ではないでしょうか。
-3打の「アルバトロス」はプロの試合でも非常にまれ

それではこれらの名称は実際にどのようなスコアの時に使われるのでしょうか。
全ては「パー」と呼ばれる打数が基準となります。ゴルフのコースには全18ホールがありますが、各ホールに「パー」という規定打数が設定されています。
例えば「パー4」のホールを4打でホールアウトすれば、そのホールは「パー」となります。
まず「バーディー」とは「パー」の打数よりも「-1打」でホールアウトすることを指します。難易度は決して低くありませんが、アマチュアでも比較的達成できるチャンスはあるといえます。例えば「ショートホール」と呼ばれる「パー3」のホールであれば、ティーショットで200ヤード以内にあるグリーンを狙うというパターンが多いと思います。この場合は飛距離に自信がないプレーヤーでも、正確なショットができれば「バーディー」のチャンスは十分にあるでしょう。
次に「イーグル」は「-2打」となります。このスコアを出せるのは「ロングホール」と呼ばれる「パー5」のホールを3打で上がるというパターンがほとんどになるでしょう。そのため、「イーグル(鷲)」の達成はドライバーショットでかなりの飛距離が出せる人でないと難しいといえます。また、セカンドショットから最後のパッティングまでミスなく完璧に打つ必要があり、アマチュアプレーヤーにとっては非常に難易度が高いといえるかもしれません。
最後に「アルバトロス(あほうどり)」ですが、こちらは「-3打」となります。達成するためには、ドライバーでの超ロングショットとセカンドショットでの直接カップインが必要となります。「イーグル(鷲)」はプロのトーナメントであればさほど珍しくありませんが、「アルバトロス(あほうどり)」が出ることは非常にまれです。それほどまでに難易度は高く、「奇跡のスコア」といっても過言ではありません。
「バーディー」はゴルフをしない人にも比較的知られている用語ですが、それが(小鳥)という意味であり、その由来までは知らなかったという人は多いかもしれません。「イーグル(鷲)」「アルバトロス(あほうどり)」とスコアに関する一連のゴルフ用語が鳥の名前だということは興味深いですね。この2つのスコアに関しては難易度がかなり高いため、多くのアマチュアゴルファーにとっての憧れだと思います。ゴルフにはさまざまな用語がありますが、言葉の由来を知ることでより楽しくプレーすることができるのではないでしょうか。