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- “花の女子大生ゴルフ部員”は63歳!45歳差でもワンチームになれるゴルフの魅力【舩越園子の砂場Talk】
アメリカの大学の女子ゴルフ部に63歳の「現役部員」がいるらしい。20歳代のチームメートに囲まれる中で、チームのみんなから歓迎され、頼りにされている“ビッグシスター”の姿は、生涯スポーツとしてのゴルフの魅力を再確認させてくれます。
みんなの“ビッグシスター”として部員たちのメンタルを支える
「ゴルフの祭典」マスターズの舞台となるオーガスタナショナルは、米ジョージア州に位置している。
そのジョージア州の北西部にラインハート大学という私立大学があり、その女子ゴルフ部に63歳の「現役部員」がいるという。
つい先日、カレッジゴルフの大会で団体2位になった同大学の女子ゴルフ部員6人が、白いショートパンツのユニフォーム姿でずらりと並んだ笑顔の写真がネット上に公開されていた。
一見、ごく普通の記念写真に見える。だが、よくよく眺めてみると、1人だけ、明らかに年代が異なる女性が見て取れる。
「きっと彼女は部員ではなくコーチなのだろう」と思うかもしれない。しかし、同大学の女子ゴルフ部のコーチは26歳の女性で、その記念写真には写っておらず、記念写真の中で笑顔を輝かせていた6人は、全員が正真正銘の現役ゴルフ部員だそうだ。
いわゆる「大人」になってから大学へ進むことは、アメリカでも、最近では日本でも、珍しいことではない。だが、そんな「大人の大学生」がスポーツ部の現役部員になるケースは、きわめて珍しいと言える。
写真の中の6人のうちの5人は20歳前後。そして、年代が異なって見える1人が、デビー・ブラウトさん、63歳だ。
ブラウトさんは若いころからゴルフをしており、50歳代のときに全米女子シニアアマチュア選手権に出場した経験がある。
しかし、数年前に最愛の夫を亡くしてからは「すっかり無気力になり、塞いでいた」。だが、あるとき知人の勧めでラインハート大学に進学してみようと思い立ったのだそうだ。
ブラウトさんの家族には大学へ進んだ親族がこれまで1人もおらず、95歳になるブラウトさんの母親は「親戚の中で初めて“花の大学生”が誕生した。そんな我が娘を私は誇りに思います」と喜んでいる。
大学生になったブラウトさんは、コロナ禍に見舞われた2020年はリモートで講義を受けていたが、2021年からはオン・キャンパスで講義を受けるようになり、彼女の心は少しずつ活力を取り戻していった。そして「こうなったら思い切って!」ということで、女子ゴルフ部への入部を心に決めた。
63歳の入部希望者がいると知らされた26歳のコーチは、「最初は戸惑いました」と明かした。最年少部員は18歳で、63歳のブラウトさんとは45歳もの開きがある。それだけの年齢差がチームの輪にどんな影響をもたらすのかにコーチは不安を覚えたそうだが、それは杞憂だったことがすぐにわかったという。
「小さなことにも深く感謝するデビーの姿勢は、生きる上で何が大切かを若い部員たちに教えてくれます。デビーは、みんなのビッグシスターとして、部員たちのメンタル面を支えてくれています」
チームのみんなから歓迎され、頼りにされ始めたブラウトさんは、ゴルフの手腕と63歳なりの知見を部員たちと最大限共有し、「新たな生きがいを見つけ、セカンドライフを謳歌しています」とうれしそうだ。
ゴルフの魅力を再確認させたブラウトさんの笑顔
彼女の笑顔が若い部員たちに勝るとも劣らない輝きを放っているワケは、彼女が生きることへのパッション(情熱)をゴルフを通じて取り戻したからだ。
そんなふうに年齢に関わらず、みんなと一緒に楽しめることは、ゴルフの最大の魅力だ。パワーや技術のみならず、豊富な人生経験が重んじられるところも、ゴルフならではの奥深さであり、面白さでもある。
ゴルフがそういうゲーム、そういうスポーツだからこそ、63歳の現役ゴルフ部員が笑顔で活躍できる。
やっぱりゴルフは素敵だなと、あらためて感じさせられた。
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