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- ゴルフ初心者に最初に伝えるべきメッセージは「プレーファスト」なのか?
一昔前は、初心者には「とにかく周りに迷惑をかけないように早く打って走れ」と教えるのが当たり前でした。しかし、このステップを乗り越えられずゴルフをやめてしまう人も……。そこで、プレーファストを維持しつつ、初心者がゴルフを嫌いにならない方法を考えました。
初心者はプレーに時間がかかるのが当たり前
新型コロナウイルスの流行をきっかけに、ゴルフは三密(密閉・密集・密接)を避けて楽しめるスポーツとして注目を集め、参加人口が増えています。ゴルフ練習場やゴルフ場でも、最近ゴルフを始めたと思われる若い人たちを見かける機会が多くなりました。
それにともなって、初心者ゴルファー向けの記事をウェブサイトで目にする機会も増えました。
ただ、その記事の中で「初心者はプレーファストを心がけるべき」という文言をあまりにも多く見かけるので、「初心者に最初に伝えるべきメッセージは本当にプレーファストなのか」というテーマで原稿を書いてみたいと思います。
「プレーファスト」とは「早くプレーしなさい」という意味です。ゴルフは野球やサッカーなどと違って競技のフィールドを専有できないスポーツです。
ゴルフ場を貸し切りにしたコンペでない限り、前後の組は見ず知らずの人がプレーしており、特定の組のプレー進行が遅いと、全体のプレー進行に影響を及ぼします。したがってゴルフ場は「プレーファスト」をうながし、「ハーフ2時間15分を目安に速やかにプレーしましょう」という掲示物が貼られていたりします。
でも、初めてゴルフ場に行く初心者がハーフ2時間15分でプレーするのは、かなり難しいと思います。ゴルフ練習場でそれなりにボールを打てるようになっても、ゴルフ場にはバンカーや池などの障害物があり、複雑な傾斜や深いラフなど経験したことのない状況にも遭遇しますから、思いどおりにボールが飛びません。
ハーフ60を切ることができれば上出来で、ハーフ70以上というスコアになるのが一般的でしょう。
そんな状況で「早くプレーしなさい」と言われても、ボールがいうことを聞いてくれないのですから、早くプレーできるわけがありません。ひと昔前は「ボールを打ったらクラブを3本持って走れ」というスパルタ式の指導が全国各地で行われていましたが、それがイヤでゴルフをやめてしまった人を何人も見てきました。
初心者がゴルフを楽しめるように周りがサポートすべき
たとえば麻雀の初心者と卓を囲むとき、「早く(山牌を)ツモって早く(捨て牌を)切りなさい」と教えるでしょうか。経験値が少ないのですから、切る牌を迷うのが当然です。「ゆっくり考えていいよ」と声をかけるのが正しい振る舞いでしょう。ゴルフも同様に、「ゆっくりプレーしていいよ」と声をかけるのが適切なアドバイスです。
ただ、ゴルフは前述したとおり競技のフィールドを専有できないスポーツですから、プレーファストを心がけるべきなのは初心者ではなく経験者です。
バンカーショットの後にレーキでならしてあげたり、グリーン周りに無造作に置いたクラブを次のホールに向かう動線に運んであげたりして、初心者がスムーズにプレーできるようにサポートしましょう。そして初心者がプレーに慣れてきたら、プレー進行を早くするコツを少しずつ伝えていけばいいのではないでしょうか。
また、ゴルフ場も「プレーファスト」を連呼するだけでなく、どうしたら初心者が楽しくプレーできるか考えてほしいです。初心者はティーショットを後ろの組に見られるだけで緊張しますから、後続組とのスタート間隔を大きく広げた「初心者専用スタート枠」を設置したり、通常は8分間隔のスタートを15分間隔に広げた「初心者専用デー」を設定したり、目先の集客にとらわれない施策を実施する必要があると思います。
初心者をゴルフ愛好家に育てるためには、ゴルフを楽しんでもらうことが最優先です。せっかくゴルフに興味を持つ若い人たちが増えているのですから、彼らがゴルフを長く続けたいと感じる環境作りに今こそ本気で取り組むべきです。
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