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- 稲見萌寧の“ふるさと”と中島啓太のアジア制覇で考えたアスリートの言葉力【舩越園子の砂場Talk】
アジアパシフィックアマで優勝した中島啓太は、表彰式で堂々と英語でスピーチした。米PGAツアーでの取材歴が長い舩越園子氏は、アスリートにとってのスピーチの重要性を感じている。プロにとってのファンサービスやツアーのPRという意味合い以上のものがあると指摘する。
稲見萌寧や池田勇太が育った北谷津ゴルフガーデン
東京五輪・銀メダリストの稲見萌寧が、小学5年生のころから通い始め、今でも時折り訪れる北谷津ゴルフガーデン(千葉県)は、いわば彼女の「ゴルフの故郷」だ。

北谷津からは横尾要、市原弘大、池田勇太などの先輩プロたちが数多く巣立ち、そして今もたくさんの子どもたちがやってきて楽しくゴルフクラブを振っている。
その北谷津で小学生80名がチップ&パットの腕を競い合う「マイ・ファースト・ティ」という大会が開かれると聞いて、興味を覚え、足を運んだ。
大会主催者はゴルフアパレルのジャックバニーを展開している株式会社TSI。同社は小学校高学年向けの「チャレンジカップ」、中学・高校生向けの「チャンピオンシップ」を実施しているが、これからゴルフを始める子どもたちにゴルフの楽しさや周囲への感謝を理解してもらいたいと考え、そのための導入イベントとして、チップ&パットの「マイ・ファースト・ティ」を開催している。
集まった子どもたちが大人のゴルファー顔負けのスタイリッシュな出で立ちでプレーしていることに、まず驚かされた。
だが、それ以上にびっくりさせられたのは、子どもたちの恐れを知らないプレーぶりだった。「寄せる」というより、ひたすらカップを目指す子どもたちの姿を見ていたら、私も忘れかけていたものを少しだけ思い出したような気がしてきた。
18ホールの楽しい戦いの後は表彰式。入賞した子どもが1人1人、名前を呼ばれては壇上に上がって賞品を授かり、大会名誉会長の芹澤信雄プロ、ジャックバニー契約選手の村田理沙プロと記念撮影。
そして最後に呼ばれた優勝者の男の子には「優勝の喜びを!」ということで、MCの黒田カントリークラブ氏がマイクを向けた。男の子は一瞬考えた後、顔を上げて「優勝できて、うれしいです」。すると、最前列に座っていた別の男の子が「それって、フツウじゃん!」と声を上げた。
素直でストレートな感想だったのだと思う。だが、受け取り方次第では辛辣な指摘でもあった。優勝した男の子が、この一言をどう受け止めたのかはわからなかったが、「今度優勝したら、次はこんなふうにスピーチしよう」という具合に前向きに思ってくれたらいいなと私はひっそり願った。
小学生のうちから、こういうやり取りを経験したり見聞したりすることが、子どもたちのスピーチ力を向上させることは間違いない。表現力が養われ、度胸や勇気もつく。その力は、将来プロゴルファーになったとき、プロにならずとも大人になったとき、必ずやいろんな意味でプラスになるはずである。
考えをまとめて話すプロセスが思考や感情の整理に

日本のナショナルチームを率いるヘッドコーチはオーストラリア人のガレス・ジョーンズ氏。以前、取材させてもらった際、彼は「スピーチ力もゴルファーに求められる重要な力。だから私はスピーチ指導も採り入れている」と話してくれた。そう、話すことは、考えをまとめて表現することであり、そのプロセスが思考や感情の整理整頓になる。メンタルコントロールにも役に立つ。
今年9月、世界アマチュアランキング1位の中島啓太が、プロたちを抑え込み、パナソニックオープンを制したときのこと。優勝会見で中島がジョーンズとやり取りしながら指導を仰いでいると語ったので、その方法を尋ねたら、「自分で直接、英語でやり取りしています。そのぐらいの英語はできるので」と明かしてくれた。
そして先週、中島はドバイで開催されたアジアパシフィックアマチュア選手権を制し、来年のマスターズ出場権を手に入れた。
表彰式で中島はアメリカ人の女性レポーターからの英語の質問にすべて自力で、英語で答えていた。涙もろい彼の目は、まだうれし涙で濡れており、頭の中も胸の中もいっぱいだったはずだが、それでも自分の想いを自分の英語で表現した彼の姿は立派だった。
中島の後方に立ち、彼の一言一言に耳を傾けていた大会関係者の大人たちは、みな笑顔で頷きながら彼の優勝スピーチに聞き入っていた。一言一句、紡ぎ出すように口にした中島の言葉を噛み締め、記憶にとどめた彼らは、きっとケイタ・ナカジマの名と彼のあの日の雄姿を忘れることはない。
そんなふうに人々の脳裏に焼きつく勝者の姿を披露できることは、これからの世界のゴルフ界で活躍するプレーヤーに求められる「グローバルなスター」の要件だと、あらためて感じさせられた。
アメリカではジュニアゴルフやカレッジゴルフの育成プログラムにスピーチトレーニングを取り入れているところが多い。
日本でも、まず日本語で、そして可能であれば英語でも、しっかりとした優勝スピーチができるゴルファーを育てたいではないか。グローバルなスターを日本からも輩出したいではないか。
北谷津の小学生チャンピオンとアジアパシフィックアマチュア・チャンピオンの優勝スピーチを眺めながら、私はそんなことを考えた。
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