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ブリヂストン、住友ゴム、横浜ゴムなど、なぜタイヤメーカーはゴルフ事業をやっている?
先日、52年の歴史を誇った男子ツアーの有力トーナメント「ブリヂストンオープン」の消滅がニュースになりました。そこで気になったのが、ゴルフとタイヤメーカーのつながり。そこで、大手三社のゴルフとの関わりを調べてみました。
精度の高いゴム製品を作る技術が応用できるから
ゴルフを始めると、クラブとボールを製造・販売している会社にタイヤメーカーが多いことに気づきます。国内シェア1位のブリヂストン、2位の住友ゴム、3位の横浜ゴムはいずれもゴルフクラブとゴルフボールを製造・販売しています。
その理由は、タイヤという精度の高いゴム製品を作る技術をゴルフボールやゴルフクラブの製造に応用できるからです。それに加え、ゴルフと車は親和性が高く、相乗効果を見込んでいるという側面もあります。
車のタイヤとゴルフ用品を同じメーカーでそろえる必要性はありませんが、メーカー名を知っていれば親近感が湧きます。
クラブもボールも同じメーカーの商品を一生使い続けるわけではありませんから、買い替えなどの際に手に取るきっかけになります。
各社がゴルフビジネスに参入した時期を調べてみると、最も歴史があるのは住友ゴムでした。
同社は1909年に英国ダンロップ社の工場を誘致する形で日本初の近代的ゴム工場として創業。1913年に自動車用タイヤの生産を開始し、国産タイヤ第1号を完成させました。
ボールの生産を開始したのは1930年。そして1935年に「DUNLOP65」というボールを発売しています。
その後、1960年に住友グループが資本参加し、1963年に住友ゴム工業株式会社に社名変更。翌1964年にゴルフクラブの生産を開始します。
日本国内でのゴルフの普及に応じて事業を拡大し、2000年には大ヒットシリーズとなったXXIO(ゼクシオ)のクラブとボールを世に送り出しました。
2003年には住友ゴム工業のスポーツ事業部門が分社独立し、SRIスポーツ株式会社が設立。この会社は2012年にダンロップスポーツ株式会社に社名変更し、2018年に住友ゴム工業と再合併。同社スポーツ事業本部となり、現在に至っています。
ブリヂストンの創業は1931年。同社の前身である日本足袋タイヤ部によって第1号タイヤが完成し、福岡県久留米市にブリッヂストンタイヤ株式会社が設立されました。1934年にタイヤの本格生産を開始。翌1935年にボールの本格生産も開始しました。
その後、戦時下でボールの製造はいったん中止しましたが、1950年に製造を再開。1951年に発売した「BLUE SKY」は同社初の海外輸出ボールとなりました。
クラブの生産を開始したのは1973年。その前年の1972年に米国クエスター社(スポルティング部門)との合弁でブリヂストンスポルティング株式会社を設立したのが契機でした。
1977年にはクエスター社の持ち株をブリヂストンタイヤが買い取り、ブリヂストンスポーツ株式会社に社名変更。ボールメーカーとしてだけでなくゴルフメーカーとして新たなスタートを切り、発展を続けています。
ブリヂストンと住友ゴムに比べて横浜ゴムは後発
横浜ゴムの創業は1917年。横浜電線製造(現在の古河電工)と米国のBFグッドリッチ社の合弁会社として設立されました。
1920年にタイヤの本格生産を開始。関東大震災により工場が壊滅する被害を受けましたが、新工場を完成させてタイヤ製造を軌道に乗せました。
ゴルフビジネスに参入したのは1983年です。タイヤ、工業品、航空部品に続く基幹事業を作ろうとクラブとボールの開発に着手しました。
同社はゴルフメーカーとしては後発であったため、アマチュアゴルファーでもプロゴルファーのように打てるギアを作るという思いを込めて「PROFESSIONAL GEAR(プロフェッショナル・ギア)」を由来にPRGR(プロギア)というブランド名をつけました。
従来はプロ向けに作られた工芸品といった趣が強かったクラブのショットデータを計測し、デジタル情報を駆使してアマチュア向けのギアを作るという新しい取り組みでゴルファーの支持を集めています。
それぞれ歴史は異なるものの、ゴルフメーカーとして確固たる地位を築いている3社。今後もさらなる存在感を示してほしいところです。
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